4月分
4月某日
「老いたる霊長類の星への賛歌」(ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア ハヤカワ文庫)を読む。
ヒュ−ゴー、ネビュラ両賞受賞作「ヒューストン、ヒューストン、聞こえるか?」など
7編を収録したティプトリー3番目の作品集。
長い間SFでは禁忌とされてきた、性を扱った作品が多い。
ティプトリーが、実はアリス・シェルドンという女性だと判明したあとの作品群らしいが
正体ばれてから、作風変わった?
なんか微妙。
4月某日
「Avalon 灰色の貴婦人」(押井守 MF文庫J)を読む。
近未来――衰退していく社会の中、非合法のネットワーク体感ゲーム
〈アヴァロン〉が人々を魅了していた。
若者たちは電脳世界の戦いに自らを賭け、その刹那を生きる――。
〈戦士〉「308」は傭兵として〈アヴァロン〉の中で日々の糧を得ていたが、
かつて戦場で消えた友人の謎を追ううちに「灰色の貴婦人」と呼ばれる超戦士と出会い
やがてこの世界の謎と直面することとなる・・・・。
というわけで、押井守自らが描く映画「アヴァロン」のサイドストーリー。
ストーリー展開は、映画版とほぼ同じだった。
ただ、映画の後日談的な色が強くて、映画の主人公「アッシュ」も登場している。
さすがに文章だけあって、映画では説明し切れていなかった社会的な背景や
〈アヴァロン〉のルールやシステムがちゃんと説明されててよかった。
今回〈ゴースト〉は登場せず、〈スペシャルA〉に至る別の方法が取られていたのが興味深い。
面白かったです。
4月4日
「これが僕の回答である。1995−2004」(押井守 インフォバーン)を読む。
すでに廃刊になった伝説の雑誌『WIRED』や月刊『サイゾー』の連載他、
押井守の9年間の奇跡を収録したエッセイ集。
基本的に押井守が好きなことを言ってるだけの本なので。
連載が例の「G.R.M.」制作と前後してはじまったらしく、
デジタル技術の話からはじまって、「G.R.M.」の構想から挫折まで、その過程が楽しめる。
で「アヴァロン」を挟んで「イノセンス」まで。
ファンならお勧めだが、それ以外の人は見向きもしないだろうな。