3月分
3月28日
「星くず英雄伝A パンドラの乙女」(新木伸 電撃文庫)を読む。
1巻でヒーローとして目覚めたジークだが、あいにくと会社での立場は変化無し。
どうも役立たずとしてバカにされっぱなしである。
バカにされる原因は、周囲が全員女性であることと考えた。
「男性社員を雇う。」
これがジークの結論である。
だが、行きがかりで雇ったリムルという14歳の少年ときたら・・・。
というわけで、なんか前作と比べて、ずいぶんと下品になった気がする。
それから、4人の女性社員にくわえて、ゲストのヒロインがいるんだが、
それを差し置いて、途中女になる主人公。
本来ラブコメの方翼を担うはずの主人公が、一番女の子しててどうする。
ひょっとして、ラブコメじゃないのか、実は?
3月20日
「サムライ・レンズマン」(古橋秀之 徳間デュアル文庫)を読む。
シン・クザク――別名《サムライ・レンズマン》。
ニヒルな白ルは日系アルタイルの証。
束ねられた長い髪。
腰に携えられた特製の日本刀。
彼は《第2段階レンズマン》の制服であるグレーのスーツに身を固めた盲目の超戦士だ。
あの生きた伝説のキムボール・キニスンの活躍により撃滅したはずの、
宇宙海賊ボスコーンの復活を察知したクザクは、
ウォーゼルやヴァンバスカークらとともに、新たな戦いへと挑んでいく・・・。
というわけで、めちゃめちゃ面白かったです。
すごいのは、ボスコーン戦争からたったの5年後を舞台にしているところ。
主人公のサムライとかどうでもよくて、ウォーゼルやらトレゴンシーやら、普通に出てくるし。
美味しいところはキムが持ってちゃったりと。
スケールもでかいし、紛れもない”レンズマン”シリーズだな、これは。
3月14日
「魔犬召喚」(朝松健 ハルキ文庫)を読む。
札幌郊外の大学で悪夢のような事件が続いて発生した。
合格発表を見に来ていた受験生と父兄の列に大型トラックが突っ込み、
学生が化学実験中に爆発事故に巻き込まれて死亡した。
さらに警備のガードマンが、謎の黒い犬に下半身を食いちぎられる凄惨な事件が。
オカルトライターの村松と神波は事件の解明に乗り出すが・・・。
といわけで、面白かったです。
本格的なマジカルホラー。
事件の背後に謎の魔術結社など裏設定があるみたいだが、今回はおいといて。
中年の主人公が地味に繰り広げる魔術合戦とか、特に突っ込みどころも無い。
朝松健の作品だが、クトゥルフ神話とも関係ないし。
3月5日
「ベーカー・マティジュの繁盛記 密航者、月へ行く。」(都築由浩 角川スニーカー文庫)を読む。
あこがれの月へ行こうと、宇宙船に密航したマティジュは、通風管の中で途方にくれていた。
船は、木星の第三衛星アマルテアの港を出発してから2時間後、
乗っ取り犯に占拠されていたのだ。
船中で恩を受けたフィオ嬢を助けたかった彼女は、
もう一人の密航者、始末人のガイの力を借りることにした・・・。
というわけで、一応SFなのか?
困ったのは、重力の描写。
”無重力の宇宙船の中”としっかり書いてあるのに、床を走ったり、天井裏から降りたりする。
ほえほえな絵の割に人死にの描写に凝ってたりと、狙いがよくわからん。
エピローグでやっとパン屋になるので、きっと続きがあるのだろう。
まだ繁盛はしてないしね。