6月分


6月28日

「世界の中心で愛を叫んだけもの」(ハーラン・エリスン ハヤカワ文庫)を読む。

人間の思考を越えた心的跳躍のかなた、究極の中心クロスホエン。

この世界の中心より暴力の網は広がり、全世界を覆っていく・・・。

1969年度ヒューゴー賞受賞の表題作をはじめ、

同じく1969年度ネビュラ賞受賞の「少年と犬」など15編を収録した短編集。

・・・いやぁ、全然わかりませんでした。

「少年と犬」は、まぁ分かり易くて面白かったよ。

荒廃した世界で、言葉を喋る犬と少年の友情を描いていて、エリスンの”売り”らしい

バイオレンスというのもまぁ、わかる。

「世界の〜」は、よくよく考えると、本当にまんまタイトルどおりの内容だな。

エヴァの最終回を持ち出すまでもなく、以前から読みたいと思ってはいたんだけど

なんか期待していたモノではなかったなぁ。

他の作品は全然理解できないか、特にナニというほどこともないモノ。

エリスンが、SF大会で初めて会ったアシモフに向かって「なってねぇなぁ」と言った、

というエピソードを紹介した解説が一番面白かった。

 

6月6日

「ARIEL 〔19〕」(笹本祐一 ソノラマ文庫)を読む。

火星近傍空域での一触即発の危機は、模擬戦闘の一大イベントにすり替えられて回避され、

帝国第三艦隊のオープン・フリートもめでたく終了の時を迎えた。

各艦隊は帰途につき、危機回避に一役買い、

宇宙人の超技術も手に入れて凱旋する岸田博士らを迎える地球軌道上は不穏な様相を呈していた。

というわけで、面白かったです。

物語も佳境、あとはどう収集つけるかだけにかかってるね。

今回残念なのは、通りすがりの女子高生・西島由貴嬢が、思ったより活躍しなかったとこかな。

最終回までにもう一活躍欲しいところだ。

 

6月4日

「月は無慈悲な夜の女王」(ロバート・A・ハインライン ハヤカワ文庫)を読む。

ヒューゴー賞受賞作。

2076年、圧政に苦しむ月世界植民地は地球政府に対し独立を宣言した。

流刑地として、また資源豊かな植民地として、月は地球から一方的に搾取されつづけてきた。

革命の先頭に立ったのはコンピュータ技術者マニーと

自意識を持つコンピュータ〈マイク〉。

だが、彼ら月世界人は一隻の宇宙船も、一発のミサイルも保有していなかったのだ・・・。

というわけで面白かったです。

でもまぁ、この作品革命がメインであって、自意識を持つコンピュータって

得に必要もない気がしないでもない。

彼がいなきゃそもそも革命は成功しないんだけど

どっちつかずな感じが、ちょっとした。

 

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