10月分


10月21日

「華胥の幽夢 十二国記(小野不由美 講談社文庫)を読む。

十二国記、初の短編集。

作者的には長編と長編の間に入れたいんだろうなぁ、という感じの後日談的な話が5編。

中でも、表題作にもなってる「華胥」は面白かったな。

なにげに正統派のミステリー作品だし。

探偵役は下っ端の若造、青喜で典型的な安楽椅子探偵。

最大の謎は王の失道の理由という。

奏国のサザエさん一家は今後も一家団欒しながら状況整理をし続けるんだろうか?

でもやっぱ、長編の方が面白いね。

 

10月20日

「黄昏の岸 暁の天 十二国記(小野不由美 講談社文庫)を読む。

登極から半年、戴国再興に燃える泰王。

叛乱鎮圧のため自ら文州に赴いた王の悲報に、留守を預かる幼い泰麒は衝撃を受け、

大鳴動と共に忽然と姿を消した。

王と麒麟を突然失い、偽王の圧政が始まった戴。

その行く末を案じ、将軍李斉は景王陽子に会うために空を駆ける。

十二国を巻き込むシリーズ中最大のスペクタクル。

というわけで、面白かったです。

まぁ、やってることはそんなに大したことじゃないんだが。

いなくなった泰麒を捜すため、他の国の王や麒麟がぞろぞろ出てくる。

頑張ってキャラを立てようとしてるのは分かる。

前からいる連中は、相変わらず同じコトしてるなぁ。

泰麒は、僕お役に立ってない、とグジグジしてるし。

陽子は相変わらず家臣になめられてる。

延王は、毎度の水戸黄門野郎だし。

今回のテーマの一つだと思うんだけど、”天意”が、必ずしも完全ではないってのがある。

読んでるとどうも、天帝=作者って気がしてしょうがないんだよな。

だから天意も完全ではなく間違うこともあるって言われるといいわけに聞こえる。

それを誤魔化すために、今までだれもあったことのない神様の中の1人

天帝の奥さん”西王母”をあっさり出したとしか思えねぇ。

こっからは妄想だが、十二国記の最後は、陽子以下12人のゴールドセイント(王)が

ファティマ(麒麟)を連れて神様(作者)を倒しに行く話じゃないか? って気がする。

いや、妄想です。

ところで泰王はどうなったんだろう?

 

10月19日

暗黒神話大系シリーズ クトゥルー10」(大瀧啓裕編 青心社)を読む。

10巻目、面白いっす。

全部で7編収録してあるんだが、そのうちの6編が前3分の1。

残りの3分の2はラブクラフトの「チャールズ・デクスター・ウォード事件」ただ1編で占められている。

面白いんだがちょっと長い。

どうでもいいが、ジョウゼフ・カーウィンが使うのって、ヨグ・ソトースの呪文なんだね。

やっぱ魔術師の神なんだ、とか思った。

 

10月14日

「図南の翼 十二国記(小野不由美 講談社文庫)を読む。

何不自由なく豪商の娘として育った少女・珠晶は、先王の没後、

荒廃した恭国を憂い自ら王となるため蓬山を目指す。

苦難の末たどり着いた蓬山には自らを恃む人が溢れていた。

というわけで、今までで一番面白かったかな。

ヒロイン珠晶を通して、十二国の王誕生の典型的な方法、”昇山”について描いたロードノベル。

シリーズ中、一番前向きな主人公で、その幼く非力な美少女が、

自分の知恵と勇気を武器に次々と苦難を乗り越えていく話。

これで面白くないわけないな。

ま、主人公12才の意地悪少女ってだけで、面白くないわけないが。

 

10月13日

「風の万里 黎明の空(下) 十二国記(小野不由美 講談社文庫)を読む。

思うにならない三匹の豺虎を前に自らの至らなさを嘆く景王・陽子の傍らには、

いつしか祥瓊・鈴、二人の姿があった。

陽子は呪力をたたえる水ぐう刀を手に闘いを挑む。

景国を、民を守るために。

と言うわけで、下巻。

面白かったです。

全巻で引きまくった全ての伏線が、この下巻で収束する。

よく考えたら当たり前だが。

さすがにこの辺りになると、世界設定というか、”しくみ”が分かっているので

そのへん頓着せずに素直に物語に集中できる。

次巻への伏線も張ってあったりしてね。

 

10月12日

「風の万里 黎明の空(上) 十二国記(小野不由美 講談社文庫)を読む。

天命により慶国・景王となった陽子は民の実情を知るため街へ出た。

目前で両親を殺され芳国公主の座を奪われた祥瓊は、父王の非道を知り自らを恥じていた。

蓬莱から才国に流されてきた鈴は華軒に轢き殺された友・清秀の仇討ちを誓った。

それぞれの苦難を抱いて三少女はやがて運命の出会いの時を迎える。

というわけで面白かったです。

相変わらず出だしがつらいなぁ。

同時進行する3人の物語が、ころころ入れ替わるので、けっこうついていけない。

だんだん近づいてくるのが面白い。

楽俊が、やっぱすげーキャラなんだなぁと、思う。

彼が出てくると途端に面白くなるからな。

てなわけで、すぐ下巻。

 

10月9日

「東の海神 西の滄海 十二国記(小野不由美 講談社文庫)を読む。

前回前々回と、チラチラ出ていた二人。

雁国の延王・尚隆とその麒麟、延麒の物語。

幼い頃に出会った更夜の来訪に懐かしさでいっぱいの延麒は、

それが仕組まれた罠であることに気づかず、人質に。

廃墟と化し、復興に励む雁国は、怒濤の争乱に巻き込まれていく。

と言うわけで第3弾。

延王ってのは遊び人の金さんだね。

いやもーそんだけ。

 

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