3月分


3月29日

サウザンド・メイジB 捜査団は大騒ぎ!」(佐々原史緒 ファミ通文庫)を読む。

ヘッポコ賢者アダマスと自称天才魔導士オニキスの珍道中第三弾。

第一部感動の完結編。

というわけで面白かったです。

アダマスの身の上が語られたり、当面の敵パラス=オニキスの正体わかったりと

全巻から引き続いてシリアスな話。

お笑い担当の”千年賢者”アダマス様の出番が少ない上に、彼女自身のヘビーな話なので、まぁ。

外道な”身内召喚呪文”にもそれなりに理由があってよかった。

というわけで、第2部に期待。

 

3月26日

「アリアドニの遁走曲」(コニー・ウィリス&シンシア・フェリス ハヤカワ文庫)を読む。

デンヴァー・スプリングスで母親と共に生物軍事ロボットの研究をしていた科学者、アリアドニは16歳。

彼女は対ケベックの戦局激化を理由に、他の子供たちと一緒に

中立地帯のヴィクトリアへ無理矢理疎開させられてしまった。

疎開先で赤ん坊のおしめを換えながらも、自分を子供扱いした大人を見返してやろうと、

極秘裡に持ち込んだヒドラ細胞とGEMバイオットを地下の洗濯場で増殖させていた。

そんな折、両親からの手紙が途絶え、意を決した彼女は疎開先を脱走。

帰ってみると、衛星からのレーザー攻撃により、故郷はすっかり変貌していた。

というわけで、ヒロインの一人称で、彼女の空回りっぷりがちょっとつらい。

いまいち説明不足で、世界設定とかわかりづらいんだよな。

ヒドラとか光襲とか西部合衆国とか。

近未来の地球でカナダあたりが舞台らしいんだが。

まぁ、そこさえクリアしちゃえば、文章は読みやすいし。

すけすけドレスで王子様を誘惑したりと、アリアドニの暴走ッぷりは面白い。

ラブコメ・・・ではないが。

 

3月17日

「精神寄生体」(コリン・ウィルソン 学研M文庫)を読む。

「君がそれほどラブクラフトに対して批判的なら、自分で幻想的な小説を書いて

果たしてそれがうまく書けるかどうか試してみたら・・・。」

オーガスト・ダーレスのこの言葉に対して、コリン・ウィルソンが初めて書いた

幻想小説にしてクトゥルフ神話作品。

太古より人間の心に巣喰う怪物に挑む、考古学者オースティンの運命は!?

と言うわけで、普通かな。

前半、前に読んだ「賢者の石」とおんなじ展開。

人間の心の秘密に気づいた主人公らが恐怖の存在に対抗しつつ超丈的な力を手に入れていく。

後半はまぁ、なんかSF?

「賢者の石」の方が面白かったな。

 

3月2日

「彗星パニック SFバカ本(岬兄悟・大原まり子編 廣済堂文庫)を読む。

区民センターのフリーマーケットで、10円で売っていたので買ってみた。

タイトルにあるとおり、古いタイプのどちらかというとバカ寄りの話を集めたSFアンソロジー。

たぶんこれ、普段真面目な仕事してる作者陣が、たまにはバカな話書きたいって

それだけで作ってる気がする。

そこに何かを期待するのは間違いである。

久美沙織の「手仕事」が一番面白かったかな。

 

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