1月分
1月28日
「アヴァロン」(押井守監督)を見る。
押井守の実写映画第4弾。
荒れ果てた近未来のとある国。
そこでは多くの若者が非合法の仮想戦闘ゲーム「Avalon」のなかで、殺戮と死の興奮から抜け出せずにいた。
驚異的な戦闘力を誇る孤高の女戦士、アッシュもそんな1人だった。
そんな折、アッシュを挑発する謎の男〈司教〉の登場。
そして、かつてアッシュ共にパーティーを組んでいたスタンナ。
彼は、パーティーのリーダーだったマーフィーの情報をもたらす。
マーフィーは、リセット不能の幻のフィールド〈Special A〉を目指し”ロスト”=廃人と化していたのだった。
〈Special A〉へのゲイトを開く鍵は〈司教〉と〈ゴースト〉。
アッシュは新しいパーティーを組み、幻のフィールドを目指す。
てな感じで、面白かったです。
予告で見るような戦車やヘリのドンパチはほとんどなくて、アッシュの退廃的な生活とかトラウマとか。
そういうのがメインぽかった。
心象描写と思われる画が多くて、ちょっとダラッとするとこが、気になると言えば気になった。
あと、アヴァロンとか言ってるわりにキャラクターのネーミングの元ネタがが全てウィザードリィなのね。
アッシュとかマーフィーはともかく、マカニトとかバディ、カシナートはちょっと笑った。
なんか、普通の映画だった。
いや、誉めてます、念のため。
1月27日
「半熟マルカ魔剣修行!」(ディリア・マーシャル・ターナー ハヤカワ文庫)を読む。
科学の代わりに魔法の発達した世界を舞台に、小さな剣士マルカが大冒険!
・・・うーん、よく分かりませんでした。
世界もキャラクターも。
表紙とタイトルには惹かれたんだけど、思ってたのと違うなぁ。
単なるわがままだけど。
そんくらい。
1月21日
「ゴジラ×メガギラスG消滅作戦」(手塚昌明監督)を見る。
ゴジラ・シリーズ第24作目。
言わずと知れた大怪獣、ゴジラ。
対ゴジラ特殊部隊、Gグラスパー。
そしてGグラスパーの秘密兵器ディメンション・タイドの実験による時空の歪みからあらわれたメガギラス。
この三つ巴の戦い。
うーん、CMは面白そうだったんだけどねぇ。
相変わらず科学考証メチャクチャ。
映像的にも縮尺がバラバラ。
どこかで見たような展開。
メガギラスもかっこわるいしなぁ。
こう考えると、ゴジラ対モスラは良かったよ。
でもやっぱ、ビオランテかな。
1月15日
「冥王と獣のダンス」(上遠野浩平 電撃文庫)を読む。
宇宙に進出した人類が、謎の超存在「虚空牙」と遭遇、大敗北を喫してから数百年。
宇宙への道を閉ざされ、地上に縛り付けられた人類が、文明の衰退と共に群雄の割拠する混乱の時代を迎える。
やがて2つの巨大な勢力が台頭し、互いに覇権を争い始める。
古代の遺物である超科学文明の自動生成プラントを軸とする枢機軍。
奇蹟使いと呼ばれる、強大な戦闘力を持つ特殊能力者を擁する奇蹟軍。
戦争は長い間決着のつかないまま、膠着状態に陥っていた。
そんな中、1人の奇蹟使いの少女が、枢機軍の少年兵と出会う。
この出会いが、世界の運命を大きく変えていくことになる。
というわけで、面白かったです。
ブギーポップでおなじみの、上遠野浩平の新作。
特に何も考えずにつらつら読める未来ファンタジーだね。
気になったとこを幾つか。
世界設定がどことなくヴァンパイアハンターDを思いださせるね。
あと、登場人物どいつもこいつも一目惚れし過ぎ。
それと一番気になったのは、主人公またヤン・ウェンリーかい!
ヤンは最近いろんなとこで見るよ。
性格がヤンとか能力がヤンとか言うならわかるけど、過去のエピソ−ドまでヤンなのが困るよな。
下っ端士官が敵の包囲網から味方を脱出させた、とか。
世代が一回りして、元ネタばれないと思うのかも知れないけど、もちっとこう、工夫した方がいいと思うぞ。
人のことは言えんが。
1月14日
「ナトゥ 踊る!忍者伝説」(大森一樹監督)を観る。
日本テレビの人気番組「ウリナリ」の企画から始まったインド映画。
妹と二人、貧乏だが楽しく暮らしている青年ナトゥ。
彼はひょんな事から、大女優ミーナのボディガードをするハメになる。
ミーナの胸に光る宝石スタールビーを巡り、悪党一味、謎の忍者軍団入り乱れて、空が歌い、大地も踊る。
というわけで、面白かったです、違った意味で。
インド映画特有のダンスシーンはさておいて貧しい青年と大女優の恋を描いた青春映画ッポイんだよね、前半は。
後半、宍戸錠率いる謎の忍者軍団が登場するあたりから、雲行きが怪しくなる。
いやもう、その唐突で強引な展開に目が点になるよ。
なんだよ、”忍者フォース”って。
うわぁ、宍戸錠やっちゃったって感じで。
途中まで影で頑張ってたぽっちゃり系のインド娘が、実はくノ一の変装だとかいって
ドロンッと香港No.1アクションスターになっちゃうとこは実に残念だ。
あのままインド娘のままでいいと思うんだけどなぁ。
なんか良いとこだけもってっちゃう「新生トイレの花子さん」の高島礼子を思いだしたよ。
あと、悪役の天山、すげぇーかっこよくて良かった。
笑えるという意味ではすごく面白かった。
何も考えずに楽しめる娯楽作品ってノリなら、大成功じゃん?
1月9日
「ナイトシフトUトウモロコシ畑の子供達」(スティーブン・キング 扶桑社ミステリー)を読む。
キングの傑作短編集、「NIGHT SHIFT」の後半。
なぜか19歳以下の子供達しかいない田舎町に迷い込んだ夫婦の恐怖を描いた表題作ほか、
なんの変哲もない日常の裏側に潜む”もう一つの世界”。
気になる作品を幾つか。
「カイジ」の元ネタっぽい、「超高層ビルの恐怖」。
ストーカーのテレパスの部屋に何故かあるネクロノミコン、それだけ気になった「キャンパスの悪夢」。
前巻「深夜勤務」に収録されたクトゥルフ神話作品「呪われた村〈ジェルサレムズ・ロット〉」の姉妹編っぽい、
「〈ジェルサレムズ・ロット〉の怪」、ただしこちらは吸血鬼モノだったけど。
で、一番面白かったのは、「禁煙挫折者救済有限会社」、かな。
全体的には普通に面白かった。
次は長編を読みたいかな。
新井素子の解説はすごくつらかったけど。
1月8日
「バトル・ロワイヤル」(深作欣二監督)を見る。
暴走する子供達をおそれた大人達は、ひとつの法律を作った。
BR法。
「今日はみんなに、ちょっと殺し合いをしてもらいます。」
こうして、生き残りを賭けた恐怖のゲームが始った。
というわけで、話題のR−15指定映画。
あんまり面白くありませんでした。
原作は読んでないので映画だけの感想になるけど、特に思うところはなかったな。
わけも分からず閉鎖空間に放り込まれる典型的なプリズナー物。
そしてゲームの勝者=生き残りという、いわゆるゼロサムゲームの構図。
こう書くとすごくありがちな話だが、この映画の話題性というかセンセーショナルなところは、
主人公以下、殺し合いをするのが”中学生”というところだね。
で、その中学生たちが楽しい修学旅行の途中、突然非日常の世界に放り込まれる冒頭までは
すごく良かったんだけど。
その後ラストまで、すごーく冗長な感じがした。
何故かというと、結局キャラが多すぎるから。
多いのはいいんだけど映画という時間的制限がある中では1クラス42人全員を一人一人描いている余裕はない。
そうすると、主人公格の何人か以外は、ほとんどその他大勢なんだよね。
で、延々とその他大勢同士の殺し合いを見せられても、のめり込めないわけだ。
これが一人一人の性格とか背景のちょっとしたエピソードでもあれば、結構面白いかも知れない。
たぶん小説とかってそうなんじゃないかなぁ、と想像するわけだ。
あとはどうやってオチをつけるかっていうとこなんだけ、単純に考えると、
誰が生き残るのか(ゼロサムゲーム)、どうやって脱出するのか(プリズナー)ということにつきると思う。
前者は言わずもがな、後者はなんか裏技っぽくて、いまいちでした。
この映画がR指定にされたのって、残酷性がどうとかじゃなくて、
単に頭の悪いバカヤローがマネしそうだからじゃないかなぁ。
結論、前田亜季、良かったよね。