11月

 

11月28日

「夢魔の通り道」(村田基 角川ホラー文庫)を読む。

例の異形コレクションで、”水妖”に収録された、貯水槽の中で少女を飼う話「貯水槽」

”屍者の行進”に収録された、死んでもすぐに生き返る特異体質の少女とネクロフィリアの少年の恋を描いた

「黄沙子」という、2本の傑作を読んでから、ちょっと気になってた作家の短編集。

で、古本屋で見かけたので買ってみた。

まぁ面白かったけど、前述の2作ほど僕の魂に訴えてくるものはなかった。

何となく星新一を思いだしたなぁ。

そんくらい。

 

11月22日

アースフィア・クロニクル大魔王アリス」(あすか正太 電撃文庫)を読む。

魔法と科学が混在した世界、ア−スフィアに未曾有の危機が迫っていた。

2000年の封印を破り、大魔王ルークが復活しようとしていたのだ。

「魔王の心臓」を移植され、はからずも魔王と同じ力を手に入れた少女アリスは、

(嫌々ながら)魔王と対決する決意を固めるが。

最大の敵は足を引っ張るおバカな仲間たち。

乙女の恥じらいかなぐり捨てて、ほのかな恋心を胸に秘め、

いざ往かん、決戦の地エルナ・デッセトリアへ!

というわけで、タイトルと表紙に惹かれて買ってしまいました。

内容はお気楽極楽ラブコメファンタジーなので。

第2章のタイトル「おっぱいで地球を救う少女」というのが全てを物語ってる気がする。

こういう軽いノリは僕けっこう好きです、ラブコメだし。

ただキャラクター多いわりには、みんなあんまり活躍してないのが残念だね。

それと前半で、科学技術の進歩を表すためだと思うんだけど、北極も南極も未踏の地である、とか

リンゴが落ちる理由もまだ知られていない、とか書いてある。

それなのに最後の、人工衛星からのレーザー攻撃ってなんだ!

そこだけちょっと納得いかないなぁ。

まぁ、他にも納得いかないとこはあるにはあるけど、全体的にはけっこう好きかな。

ラブコメだし。

 

11月20日

「ラブクラフト恐怖の宇宙史」(H・P・ラブクラフト+C・ウィルソン 角川ホラー文庫)を読む。

荒俣宏が編纂したラブクラフトの傑作選。

プラス、どういうわけかコリン・ウィルソンの「ロイガーの復活」が収録されている。

実を言えば、この本に収録されている作品はほとんど読んでいる。

全集に収録されていない何作品かを読むためだけに手に入れたんだけどね。

「廃墟の記憶」、「錬金術師」、「忌まれた家」ぐらいかなぁ。

他の作品ももう1度一通り読んでみたけど、やっぱり面白いなぁ。

ラブクラフトの作品て、文体が難しくて1回読んだくらいじゃ頭になかなか入らない。

思うんだけど、その作品の内容をちゃんと知っていて読んだ方が面白く感じるんじゃないかな。

僕だけか?

「ロイガーの復活」も読みたいと思っていた作品だけど、期待した程じゃなかったなぁ。

なんか尻切れトンボな感じだし。

 

11月11日

「YIG 1−美凶神−」(菊地秀行 光文社文庫)を読む。

10年前に始まった事件により狂ったこの世界で、平凡なトラック運転手として暮らす移木。

邪神の生贄にされそうになった彼を救ったのは、凄惨にして妖艶な美女、イヴ。

彼女は、妖気渦巻く港町三鬼餓に自分を連れていくよう移木に命じた。

そこは邪神、化物、凶人たちのうごめく危険な街だった・・・。

というわけで、はい、面白かったです、ある意味で。

菊地秀行が正面から挑んだクトゥルフ物。

10年前、フィリピンの貨物船が烏賊のような頭を持つ生物に襲われてから、全ては始まった。

その後世界中にぞくぞくと現れた怪物どもは、ラブクラフトの創造した邪神どもに瓜二つ、いやそのものだった。

ラブクラフトは小説家ではなく、予言者だったのだ。

とかこの辺面白かったな、1番。

旧支配者が復活した世界なんだよね。

あと、ラブクラフトより、オーガスト・ダーレスの方が正しかった、とか。

ちゃんと違いをわかって書いてるとことかね。

逆にイヴの存在はかえって邪魔っぽかったなぁ。

まぁ、この手の超人が出てこないと菊地作品とは言えないけど。

でも、邪神どもの弱点を探るため、国連から一般家庭に至るまで、ラブクラフトの小説が大ベストセラーになった、

とかこの設定すっごいいいよね。

どうせならこれをもっと活かして普通の人たちが頑張る話の方が面白そうだけど。

他には神話におけるクトゥルーの位置づけとか、彼独自の解釈も織り込まれていたりして。

まだ途中なんで続きが待たれるところだ。

ところでヒロイン・イヴはクトゥルフ神話に関係した存在なんだそうだけど、まだ明らかにされていない。

これってやっぱり、どちらかというとマイナーなあの旧支配者でいいんだ、よね?

 

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