8月分


8月22日

ナイトシフトT深夜勤務」(スティーブン・キング 扶桑社ミステリー)を読む。

モダンホラーの巨匠、キングの第一短編集の二分冊の前半。

とりあえず目につく物を何でもかんでもホラーの題材にしているという感じだが、どれもそこそこ楽しめる。

大量生産型の作家はこうあるべきなのだろう。

収録作中「トラック」、「地下室の悪夢」、「やつらはときどき帰ってくる」は映画化されてるらしいが、

僕が観たことあるのは「やつらは〜」ぐらいかな。

特に面白くもなかったけど。

最大の目玉は、クトゥルフ神話作品「呪われた村〈ジェルサレムズ・ロット〉」だね、やっぱり。

まぁ、これが読みたくて買ったんだけど。

すげぇ面白い、というほどではなかった。

神話作品をキングが書いてる、ということが重要なんだな、きっと。

そういえば書き忘れてたけど、ジョジョの第4部に出てきた虹村京兆のスタンド、

”バッドカンパニー”の元ネタ、「戦場」も収録されている。

 

8月5日

「アキハバラ電脳組2011年の夏休みを観る。

TVシリーズ、「アキハバラ電脳組」の劇場版。

観てないのでよくわからんが、おそらくTVシリーズ終了1年後くらいの話であろう。

はい、面白かったです。

ちょっとした事件(劇中では世界の危機だが)は起こるものの、全体として坦々と日常を描いてるからね。

最後の事件とかも特にいらないよなぁ。

こういう話をやってくれたなら、TVシリーズもきっと面白いはずだ。

ちょっと本編も観たくなった。

途中までは観てたんだけどね。

でも観るとつまんないんだろうなぁ。

 

8月3日

「玩具修理者」(小林泰三 角川ホラー文庫)を読む。

第2回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作品である表題作を含む、著者の第一作品集。

私が子供の頃、近所に玩具修理者が棲んでいた。

玩具修理者は何でも直してくれる。

独楽でも凧でもラジコンカーでも・・・・死んだ猫でさえ。

ある日、私は誤ってまだ赤ん坊の弟を死なせてしまう。

親に知られぬうちに何とかしなければ。

私は、死んだ弟を連れて玩具修理者のもとへ・・・。

はい、面白かったです。

短編なのであまり語ることはない。

玩具修理者の不気味さ、ラストのショッキングなオチ。

秀逸である。

玩具修理者がクトゥルフ神話の邪神の名前を叫んだりするのは意味不明だが。

もう一編、「酔歩する男」という中編が収録されているが、これはどっちかっていうとSFっぽい。

何となく星新一の短編を思い出したりもする。

パラドックスの発生しないタイムトラベルというと、最近読んだコリン・ウィルソンの「賢者の石」とかも思い出す。

それはともかくこの作品中にも

「アット・ザ・マウンテン・オブ・マッドネス」(狂気の山脈にて)という名前の映画がちらっと出てくる。

ああ、この人もラブクラフト大好きなのね。

しかしよく考えるとこの2作品、同じオチだよなぁ。

 

8月2日

「Di・GI・Charat」を観る。

ワンダフル内で放映された短編アニメ。

デ・ジ・キャラット星からやってきたハイブリッド猫耳娘、デ・ジ・キャラットが、

ゲーマーズで働きながら一流女優を目指すサクセスストーリー?

1話でそんなこと言ってた。

お供のゲマ、小さな毒舌家プチ・キャラット、ライバルラ・ビ・アン・ローズら、個性豊かなキャラクターが、

無意味に暴れ回るドタバタ・コメディ。

はい、面白かったです。

しかしこれ、1話1話バラバラに観るよりも、全16話一気に観てこそ楽しさ倍増というところ。

それでも敢えて好きな話を3つあげるとしたら、

ロン毛初登場の回、

プチ子か河原で目からビームを練習している回、

ほかほかご飯の回、かな。

次点として、偽デジ子の回、眼鏡おさげセーラー服ウサダの回。

8月後半にやる新作も楽しみである。

 

8月1日

「崑央の女王」(朝松健 角川ホラー文庫)を読む。

分子生物学者・森下杏里は日本遺伝子工学株式会社のハイテクビル、

通称リヴァイアサンタワーに出向を命じられた。

紀元前1400年、古代中国殷王朝の遺跡から出土した”完璧”なミイラの研究のためであった。

研究には似つかわしくない厳重な警備、頻発する怪現象。

そして徐々に明らかになるミイラの正体と、研究の真の目的とは・・・。

というわけで、朝松健の書き下ろしクトゥルフ作品である。

特に可もなく不可もなく。

崑央(クン・ヤン)とは、もともと米国中西部の地底に広がる地下世界のことだが、この作品では

中国の地下にまで広がり、地球空洞説の元になったと位置づけている。

それはともかく、完璧な美貌を保った美少女ミイラ、という設定はいいんだけどなぁ、

それがなんにもいかされないうちに、巨大な怪物化したり、脇役の女に化けたりという展開や

一介の学者に過ぎないヒロインが小銃を振り回したりするとことかちょっとげんなり。

ヒロインが初っ端から観ている幻覚とかもあんまり意味がないし、

殺された人間のパーツが怪物化して襲ってくるっていうのも、ありきたりで興ざめ。

ところで、本場のクン・ヤンの物語って実はまだ読んだことがないんだけど、

やっぱりこの手のモンスターが出てくるのかね?

それならまぁ、わからんでもないが。

僕の感性とはちこっとずれてるかな、という感じだ。

 

戻る