7月分
7月27日
「白夜サーガ魔王星 上」(菊地秀行 祥伝社)を読む。
オホーツク海での遭難から生還した漁船長青葉茂夫は、すでに人間ではなかった。
超古代に深海に設置された”装置”が数千万年の眠りから目覚め、彼を超戦士化したのだ。
ロシア特務工作員ボリス・シュテーゲル大佐。
太古の武器を操る蓮華寺桂花。
”古代遺産の管理人”白夜真祇。
茂夫争奪をかけ、三つ巴の壮絶な戦いが開始された。
というわけで、意外と面白かったかな。
まぁ、大量生産される菊地秀行の超伝奇モノの1つだな。
続きを期待する。
7月24日
「暗黒神話大系シリーズクトゥルー4」(H・P・ラブクラフト他 青心社)を読む。
クトゥルフ神話連作集成、第4弾。
これも面白い話が多かったなぁ。
ただ1つだけ気になったのはラブクラフトとダーレスの合作ということになっている「異次元の影」。
ラブクラフトの残したメモをダーレスが書き上げた、っていうかすでに「超時間の影」て名作が存在してるぞ。
それをダーレスが勝手に焼き直している。
しかもその際、旧神対旧支配者という図式を勝手に組み込んでるしな。
こればっかりはいただけないね。
7月某日
そういやいつだったか忘れたけど「真ク・リトル・リトル神話大系1」(ラブクラフト他 国書刊行会)を読んだんだ。
なんかやたらと忙しくて、感想書くのすっかり忘れてたよ。
このシリーズはなんか分厚い黒い革(?)で装調されたハードカバーで、外見自体魔導書のように見える。
内容も「真」というだけあって、このシリーズでしか読めない話も多数収録されて大変お得。
でもあまり完璧を目指すあまりクトゥルフ神話とは関係ない話も収録されてるとか。
値段も高いし。
まだ全部そろってないんだよね。
どっかに売ってないかなぁ。
って全然感想じゃないな。
7月12日
「ジェノサイド・ボーイズ」(菊地秀行 双葉文庫)を読む。
近未来の渋谷。
そこは”集団”と呼ばれる少年たちのグループが抗争に明け暮れる暴力の街と化していた。
傑出した3つの”集団”が微妙なパワーバランスを保っていたが、突如としてその均衡が崩された。
”集団”の1つが、何者かに皆殺しにされたのだ。
というわけで、菊地秀行のバイオレンスアクション。
まぁ、普通かな。
一時期流行ったチーマーとかの、もっとイっちゃった少年たちの話だな。
主人公は6人で構成される小”集団”「流れ星」のリーダーなんだけど、彼らはアジトに焼却炉なんか備えてて。
喧嘩で殺しちゃった相手を焼いてみたり。
途中で死んだ仲間の死体を、俺はこいつの身よりも本名も知らない、とか言って焼いてみたり。
身寄りがわかってる仲間の少女が死んだあと、結局焼いてみたりと、そこがちょっと良かったかな。
他はまぁ、別に。
7月10日
「暗黒神話大系シリーズクトゥルー3」(H・P・ラブクラフト他 青心社)を読む。
先行作品、アンブローズ・ビアーズの「カルコサの住人」、ロバート・W・チェンバースの「黄の印」を含む第3弾。
他にニャルラトテップ物、ロバート・ブロックの「暗黒のファラオの神殿」
ヨグ=ソトース物、オーガスト・ダーレスの「丘の夜鷹」、ラブクラフトの「銀の鍵の門を越えて」などを収録。
はい、面白かったです。
なんかクトゥルフ神話技能を上げるためだけに読んでる気がしないでもないが、面白いからいいか。
7月3日
「赤ちゃんと僕」(羅川真里茂 白泉社)を読む。
事故で母親を亡くした、小学生の拓也と保育園児の弟の実を中心に繰り広げられる、愛と感動の物語。
はい、面白かったです。
とくに主人公拓也&実の、あまり活躍しない話が良かった。
この二人のメインの話は結構つらいんだよなぁ。
何故か? たぶん物語のテーマに直結した話になっちゃうからだろうな。
そういうのちょっと苦手。
柱としてしっかりしたテーマを真ん中に確立しつつ、そのまわりで軽い話をちょこちょこやるから面白いんだよね。
特に藤井家の話とか、槍溝の出てくる話とか良かった。
クライマックスの臨死体験のところは「子供のおもちゃ」にそっくりだったが、黄金パターンというものなのだろう。
どうでもいい話だが、このマンガのタイトル、「赤ちゃん賭博」と聞こえるのは僕だけだろうか?