4月分


4月30日

「きまぐれオレンジ・ロードVol.1」を見る。

週間少年ジャンプに連載していたまつもと泉の超能力学園ラブコメ。

そのTVアニメ版の第1巻(1話〜4話収録)。

当時、世の中高生男子に優柔不断という言葉を知らしめた問題作である。

今更内容を説明する必要もないよねぇ。

とにかく主人公春日恭介はクラスメートのちょっとツッパリ系の女の子と、積極的な後輩の女の子にモテモテで

しかもかわいい双子の妹なんかいたりして、さらに本人超能力なんか持ってるわけで。

全くうらやましい限りである。

しかし、今更これだけストレートにラブコメやられると、見てる方が恥ずかしいのなんのって。

体中むずがゆくって、テレビの前でのたうち廻るよ、マジで。

なんか、GW中に全部見ちゃいそうだな、これは。

 

4月25日

「ブギーポップ・オーバードライブ 歪曲王」(上遠野浩平 電撃文庫)を読む。

第4回ゲーム小説大賞〈大賞〉受賞作「ブギーポップは笑わない」、その第4弾。

人は誰でも心の中に歪みを持っている。

その歪みの上に君臨する者、歪曲王。

そして、世界に危機が迫ったとき、どこからともなく現れる、ブギーポップ。

人の心に棲むこの2つの存在が、現代版バベルの塔〈ムーンテンプル〉において対決、しない話だな。

例によって何にもしないブギーポップ。

前回はラストにちょこっと出てきて、それでも敵にとどめを刺してたけど、今回ホントに何にもしない。

今回初っ端から出てるけど、何やってんだか全然わからない。

しかも最後はヒロイン新刻啓が、歪曲王を説得して終わるし。

っていうか、ブギーポップ自身、歪曲王は自分の敵(つまり悪)じゃないみたいな事言うし。

ということは、本来世界の危機とワンセットで出てくるはずのブギーポップは、出てくる必要ないよねぇ、初めから。

そっちの方が面白そうだよね。

つまり、歪曲王って奴が とんでもないこと始めたって登場人物たちが騒ぎはじめて。

途中、助けてブギーポップってな状況になって。

それでも最後までブギーポップ出てこなくて。

説得されて歪曲王が引っ込んだ後に、ああ、世界の危機じゃなかったんだって登場人物たちが気づく。

なるほどブギーポップ出てこないわけだ、ってなオチはどうだろう?

以上、僕の考えたブギーポップ。

全体的な印象だと、やっぱり「ビューティフル・ドリーマー」を思い出すんだよね。

歪曲王=夢邪気でさ。

あと全然違う話なんだけど、なんかこの人の文章読みづらくない?

ちっとも物語に没入できないんだけど。

映像で見た方が楽しめるかも。

見たことないけど。

 

4月17日

「ARIEL[15]」(笹本祐一 ソノラマ文庫)を読む。

前巻からの続き。

ハウザー司令率いる銀河帝国第三艦隊に対して、

侵略会社フログレンスの天才少年ニコラス指揮する第37遊撃艦隊。

前回”星壊し”セイバーの介入で終結したかにみえた戦闘も、水面下で激しい電子戦、情報戦が行われていた。

そんな中、第三艦隊旗艦アトロポースにまんまと乗り込んだ女子高生5人組。

っていうか、この場合他の4人はどうでもいい。

前々からエリアルとか時間旅行者とか出てこない、和美とその友達が活躍する話は面白かったけど

結局のところ和美の友人、女子高生西島由貴の突っ走りぷりが面白かったんだよね。

今回も初っ端から、とばすとばす。

舌先三寸で大艦隊同士の全面戦争を膠着状態に陥れたりと、大活躍。

いやー、面白かったっす。

あと、エリアルの存在も思いっきり裏設定とか言ってるのもよかった。

 

4月12日

「震える血」(ジェフ・ゲルブ、ロン・フレンド編 祥伝社)を読む。

SFやモダンホラーの大御所から新進気鋭の作家までが参加したエロティック・ホラー・アンソロジー。

エロスとバイオレンスを追求し、タブーとされてきたセックスとホラーを融合した米国ベストセラーの翻訳。

はい、面白かったです。

アメリカ本土で10年も前に発表され、年刊ペースで刊行されているシリーズにもかかわらず、日本では初翻訳。

個々の作家の力量もさることながら、編者のセンスもうかがえる。

どれも面白かったけど1つ挙げるなら「三角関係」(F・ポール・ウィルスン)かな。

ぜひシリーズ翻訳して欲しいです。

 

4月1日

「ラブクラフト全集6」(H・P・ラブクラフト 創元推理文庫)を読む。

鬼才ラブクラフトの描く夢の世界。

クトゥルフ神話のもう一つの顔とも言うべき、夢の国を舞台にした一連の作品集。

ダンセイニ卿の影響を受けて書いた初期の掌編、

「白い帆船」、「ウルタールの猫」、「藩神」、「セレファイス」

ラブクラフトの分身とも言うべきランドルフ・カーターを主人公とする

「ランドルフ・カーターの陳述」、「名状しがたいもの」、「銀の鍵」、「銀の鍵の門を越えて」

そして以上のすべてを統合し、夢の国を縦横自在に疾駆する波瀾万丈の大冒険小説

「未知なるカダスを夢に求めて」

前巻までのラブクラフトの作品とは趣を異にするも、紛れもない恐怖と狂気を描き出している。

魔王アザトースやニャルラトテップに言及されているのは実に参考になった。

これでまたクトゥルフ神話技能が上がったに違いない。

そういうわけでテーブルトークやりたいっす。

参加者募集。

 

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