8月分


8月25日

「私と月につきあって」(野尻抱介 富士見ファンタジア文庫)を読む。

宇宙飛行士は軽量コンパクトに限る、というわけで女子高生だ!

というコンセプトの元にはじめられた「ロケットガール」のシリーズ第3弾。

今回は5人のフランス娘、アリアンガールズとの共同ミッションで月を目指す。

いきなり5人も増やしてキャラ立つのかなぁ、などと思ってたらあれよあれよと言う間に減っていき

結局最後は1人になったりして。

僕の中では「星のパイロット」と対をなすリアルな宇宙開発モノ。

こっちの方がイっちゃっててよりSFっぽい。

この手の物語は次々起こるトラブルをいかに解決していくかに面白味がある。

その点で今回は前半のトラブルに無理があったかな。

地上管制を無視して勝手に月に行っちゃう無法ぶりは相変わらずだが。

各キャラクターがそれぞれの役割をしっかり演じて初めて物語が完成するんだけど

新キャラのソランジュの役割が、最初から最後まで足手まといだったのはちょっと残念だね。

もっと活躍の場があればよかったのに。

しかし、ま、このシリーズかなり好きなので、頑張って続けて欲しいです。

今年は人類が月に降り立ってから30周年なんだよね。

だからどうだってわけじゃないけど。

 

8月23日

「セレスティアル・フォース天国から来た特殊部隊(中川圭士 角川スニーカー文庫)を読む。

第四回角川スニーカー大賞「読者賞・奨励賞」受賞作品。

護送中に逃げ出した悪魔を追って、天界の特務機関「セレスティアル・フォース」の新人隊員

権天使エアエルが地上に降臨する。

一方地上では普通の高校生、真が悪魔と遭遇、その時受けた傷で、あと1週間の命ってことで、

エアエルと共に悪魔捜しをすることになる。

とりあえず、序章を読んで萎える。

みんなこういう話好きなのかなぁ。

天国が地上と同じ様な世界で、軍隊があったり、電話とかあったり。

天国は地上より科学が発展してる、とか

その割には、天使だから魔法使えるのは当然、とか、

そうかと思えば、天界政府は奇跡の執行命令を下していない、とかそういうのちょっと辛いなぁ、僕には。

でも、そこを乗り切ればちゃんと伏線とか張ってあって普通の話でそこそこ楽しめる。

しかしよく考えたらこれ、天界では大事件だと思うんだけどなぁ。

なんで新米の、しかもドジな天使なんか送り込んできたんだろう?

もう一つ気になったのはやけに型にはまったラブコメシーンがあるとこかな。

天使娘がまずタオル1枚で風呂から出てきたり、朝一緒の布団で寝てたりと

やけに定番すぎるなぁと思ってたら、あとがきに

担当編集にもっとお色気を入れたいと言われた、と書いてあった。

そこがいちばん面白かったな。

 

8月18日

「続きはどうにも理不尽特殊駆逐業者出勤ファイルその2(小林めぐみ 角川スニーカー文庫)を読む。

前作の続き。

虫と猫耳。

 

8月16日

機動戦艦ナデシコ チャンネルはルリルリで」(著・大河内一楼 監修・佐藤竜雄 角川mini文庫)を読む。

徳間書店98’アニメグランプリ全8部門中5部門を制した、「機動戦艦ナデシコ」

そのTVシリーズのサイドストーリー。

人気No.1キャラ、ホシノルリの魅力満載の一冊。

ずいぶん私情はいってるな。

それはともかく、内容的には日常のちょっとした騒動を描いたおバカな話であるが、

よく読むとちゃんと伏線張ってあったりして、なるほどと思う。

それにしてもナデシコってキャラ立ってるなぁ。

台詞だけで誰が喋ってるか分かるし。

昔ゴーショーグンの小説で、誰が喋ってるかいちいち書くのは面倒なので

台詞の頭にシンボルを付けるっていうのがあった。

ブンドルなら薔薇のマークとかね。

でもナデシコはそんなの必要ないってのはすごい。

「機動戦艦ナデシコ」はここ最近では僕の一押し作品である。

その中でもルリルリがメインの話なので、これはもう言うことないでしょう。

これ200円なら絶対安い。

脳味噌が疲れたときにはお薦めの一冊だ。

 

8月14日

「伝説巨人イデオン 接触編・発動編」を観る。

巨匠富野由悠季の送る”SF”アニメ。

第6文明人の残した謎のエネルギー、「イデ」をめぐる地球とバッフ・クランの対立を描く。

もはや語る必要のない名作である。

劇場版はテレビシリーズを凝縮したせいか、コスモ以下登場人物は常に戦っている。

テレビシリーズでは重要な役割を持っていたキッチ・キッチン。

アムロに対するのララァの如く、コスモを導く道標となるべき彼女は、

発動編の冒頭、ほんの数分登場し、爆撃で死亡。

それでもコスモのバイザーに映る、虚空を舞うキッチンの首はインパクトがあった。

わりと女性陣は悲惨な死に方が多い。

それはともかく、未完に終わり描かれることのなかったラストシーンにたっぷりと時間をとり

ちゃんと描ききって見せたのはすごい。

何度も言われているとおり、庵野エヴァが目指したのってこれだよなぁ、と改めて納得する。

まだの人は、ぜひ見るべし。

ところで喫茶店でとなりに座った人の会話。

「イデオンの転生後の世界がザブングルなんだよな。」

それはどうかな、と思った。

 

8月11日

必殺お捜し人8虹色の財宝」(小林めぐみ 富士見ファンタジア文庫)を読む。

天才捜し屋ウィル・ゴーダと幼なじみ2人の活躍を描くシリーズ8作目。

今回は読み切りではなく、前回からの続きで、まだ終わらない。

ちょっとした依頼が世界大戦の危機にまで発展しているところをみると、シリーズ完結も近いかも。

 このシリーズ読んでるのは、読みやすいのとマギーがお気に入りだからなんだが

架空世界の地理や歴史をちゃんと書いてるのは感心する。

ホントはそれが当たり前なんだが、なかなか難しいらしいし。

話がさくさく進むのはいいが、主人公の12歳の少年ウィル、

彼、頭が良すぎるうえに頭の中に”捜し屋の星”という謎のアイテムがあって、行き詰まると

「捜し屋の星が囁くんだ」という台詞と共に突き進んで、読者を置いていくのはちょっと困る。

便利すぎるのは考え物だな。

このシリーズにはもうちょっとつき合ってみると思う。

10巻くらいでぴしっと完結してくれればいいんだけど、ね。

 

8月5日

マン・サーチャーシリーズ3魔界都市ブルース<陰花の章>」(菊地秀行 祥伝社)を読む。

もはや語る必要のないヒットシリーズ、その3冊目。

魔界都市〈新宿〉一の人捜し、秋せつらと数奇な運命に弄ばれる女性達の哀しい物語。

はい、面白かったです。

もう語ることがない。

短編だし。

読み終わって一つだけ思ったのは

僕ってせつらよりメフィストの方が好きなんだ、ってことぐらいだな。

 

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