7月分


7月31日

「新艦長はいつも大変フィールド・オブ・スターライト(鷹野良人 角川スニーカー文庫)を読む。

第三回角川学園小説大賞・大賞受賞作。

宇宙軍士官学校の入学を目指す高校生の生活を描く学園物。

学園小説大賞で舞台が宇宙っていうのは意表突かれた。

内容的にはおちこぼれ軍団が最後に奇跡を起こす話。

っていうか彼ら別に落ちこぼれじゃないけどね。

普通の話でまぁ、面白かったです。

なんとか星系とか、惑星何々とかでてくるのでそういう世界観らしいんだけど

そういった背景世界について全然語られてないんだよね、特に必要ないけど。

あと、彼らのクラス、3年B組って10人くらいしかいないのかと思ってたら

実は35人もいてびっくりした。

だってそんなの全然書いてないんだもん。

それから時々はいる心象描写だか状況描写だか、星がどうした光がどうしたっていう場面、

なんか状況が全然思い浮かばないのは僕の読解力がないせいなんだろうか。

なんか回りくどいのも考えもんだなと、思ったりする。

この作品がラブコメかどうか判断に苦しむところだが

試合に勝ったらチュー1回って、やっぱりアレから来てるんだろうか?

 

7月28日

シェアード・ワールド・ノベル妖魔夜行 しかばね綺譚」(山本弘・安田均・高井信)を読む。

グループSNEが送る妖魔夜行シリーズ第11弾。

人間の世界に紛れて暮らす多数の妖怪達が、人に迷惑をかける妖怪を退治する話。

ちょっと読んだ感じ、「ワイルドカード」に似てるなぁと思った。

バー「うさぎの穴」にいつもだらだらしてる妖怪達が、何か事件が起こると気が向いた奴だけ出ていって

ちんたら解決したりする。

必要に応じて地方に住む特殊な能力持った奴とか新人とか連れてきて対処したりする。

もう何冊か読まないと評価は下せないなぁ。読みやすかったけど。

この「しかばね綺譚」で語ることは、安田均が初めて書いてるとか、かな。

あと山本弘が書いてる第1話「悪意の連鎖」。

棒の手紙を受け取った奴の所にほんとに棒が来る話だった。

つい最近似たような話を読んだのでちょっとびっくり。

ありがちなネタではあるが・・・。

 

7月24日

「淫邪鬼」(菊地秀行 光文社文庫)を読む。

失われた古代文明の「アレキサンドリアの叡知」を丸ごと記憶する魔人盗賊・古城鷹也と

元政府防衛情報局のエージェント真田浅葱の活躍する「淫界伝」の続編。

作者曰く、アダルト版トレジャーハンターらしいがあっちの方が断然面白い。

古城が謎の組織の首領で部下やアジトがうじゃうじゃある。

魅力的な部下を活躍させたかったと言ってるがそれが必要に応じて出てくるし

使い捨てっぽくその場限りの活躍なので、全然印象というか内容が薄く感じる。

というわけで、トレジャーハンターの方、早く復活して欲しいです。

 

7月15日

「ハッピィサルベージ1〜はじまりの島へ〜(大倉らいた 電撃文庫)を読む。

「センチメンタルグラフィティ」のノベライズを書いた大倉らいたの最新作。

海底に沈んだお宝を引き上げる海のトレジャーハンター、サルベージャーの活躍を描く冒険活劇。

かと思えばそんなことは全然なく、普通の大学生と普通の女子高生の日常だった。

二人の主人公、ワタル編とマリナ編に分かれていて、両方楽しめる、かどうかは知らない。

全体的にプロローグっぽいんだよなぁ、1巻だし。

何の事件も起きないし。

帯に、「恋と冒険でBE HAPPY!」って書いてあるけど、恋はあったけど冒険はなかった。

2巻以降に期待って事か?

でも、みんなが続き買うとは限らないよな。

 

7月7日

「月と貴女に花束を」(志村一矢 電撃文庫)を読む。

第5回電撃ゲーム小説大賞「選考委員特別賞」受賞作。

狼に変身できない狼男、月森冬馬を主人公とする現代ファンタジー。

というか謎の妖術使いと戦う人狼家族の話。

敵は月森一家に復讐を企み、自らの妖術で吸血鬼となった御堂巽。

これって神祖?

人狼族のほうは、作者独自の解釈によって特徴づけられている。

人狼族の男は完全な狼にはなれず、上半身だけが狼みたくなったり、体毛の色によって能力が違ったりする。

人狼っていうか、完全に魔法使いなんだよね。

火球を撃ったり氷を撃ったりと(主人公以外が)大活躍。

一つ気になったのは、ヒロイン深雪が、ホワイトウルフでヒーリング能力持ってたりするんだけど

彼女が狼に変身するシーンがない。

完全な狼に変身するのは女性だけなのに、ヒロインがそんなことでどうする。

そっちは冬馬の姉、静華に任せて深雪は優しくちょっと天然入った可愛い娘を引き受けている。

ヒーリング能力の方は、相手の傷をなめることによって・・・って書いてあるのにそのシーンもない。

変身しなくても能力は使えるらしいから、その辺気になる。

しかも主人公以外の人物の傷も治したりしてるらしいし。

人狼族の能力には、他にも心の傷を治す、四肢再生、死人を生き返らせるなど色々あるらしい。

便利だね。

どうでもいい話だがこの小説、美少女がいきなり押し掛け女房ととしてやってくるところから始まる。

電撃文庫ってこういうの好きだな。

選考委員の趣味ですかね?

とりあえずこういうのかいとけば、「何とか特別賞」もらえるかも知れない。

 

7月4日

「妖戦記魔界都市1999(菊地秀行 幻冬舎文庫)を読む。

菊地秀行が初めての新聞連載という形で「スポ−ツニッポン」紙に発表した超伝記バイオレンス(ってなんだ?)

実在の事件をヒントに書いたそうだが、カルト集団「シグマ」とかいうからあの事件だろう。

でもそんなの全然関係なく、相変わらずの菊地秀行作品になっている。

最初読んだ感じだと往年の平井和正臭いんだよな。

「幻魔大戦」+「悪霊の女王」ってとこか?

内容的には普通の話だったので、あまり語る事はないなぁ。

今回やたらとスプラッターシーンに気合いが入ってた様な気がするが。

なんか最近菊地作品ばっかりよんでる様な・・・

 

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