早春!秋田マタギの里合宿

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究極の硬派野営集団マタギを肌で感じようと、カヌ沈隊はマタギの本家 早春秋田は阿仁に向け出発した

写真はドーナツを見せびらかすオヤジの姿ではない。この道具を空高く投げるとまるでトンビの泣き声のような音を発し、慌てて穴倉に逃げ込むウサギと巣を確認し一網打尽にする伝統猟法のマタギの姿である。

平成11年4月28日〜5月2日

★★

隊長オザキの酩酊報告

4月28日
午後9時、横沢、やすさん隊長宅に到着。
一杯飲んで、仮眠を取ったあと出発、と目論むも、一刻も早く秋田に向かいたいやすさんに却下され、簡単に打ち合わせをして10時過ぎに出発。とりあえず、秩父40”と同じ過ちを犯さずに済んだ。2時間30分ずつ交代で仮眠をとりながら、順調に秋田・阿仁町へ。七時頃、角館を通過。
少しづつ山深くなり、残雪が目立ち始める。角館を過ぎてから、一件のコンビニも無い。買い出しができるか、心配だ。
比立内、笑内(おかしない)、阿仁合、阿仁前田とマタギの里を進む。
阿仁前田でスーパーを発見。10時まで時間をつぶして買い出し。
その後、野営地予定のノロ川牧場に向かうが、残雪が予想以上に多く、車ではとても入れない。太平湖から流れ出る川は、ダムの放水によって増水し、釣りができる状態ではない。とりあえず、幾つかの支流を探るも、どれも今一つだ。
野営地を探しながらコゴミを採取。結局、打当温泉付近に野営地を変更する。
夕飯までの小一時間、竿を振る。アタリひとつなく消沈。景気づけに銘酒・立山を呷る。

 

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さすがのカヌ沈隊も1000KM近い爆走の疲れが、澱となって身体の芯まで沁み込んだようだ。今、無色透明の温泉に浸かったら、コールタールのような粘液質の体液が湯に溶けだし、どす黒い褐色の湯になること請け合い。しかし、残念ながら今夜、

コールタール色の澱を吸い込ませるのは無色透明の温泉ではなく、少々くたびれたダウンのシュラフということになる。

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とはいえ、温泉に入るまでもない。シュラフに潜り込んで

2秒で昇天。

 

炊事班長の日記

秋田に行くことになった。東北の山は始めてだ。ましてGWに東北の沢に入るのは沢やとしてもとても

硬派である。目的は勿論イワナを釣る
食べる、山菜を採る食べる、それを肴に酒をぐびり。それをおいしく
味わうための沢遡行ということになるだろう。
その為に秋田の阿仁町、森吉町が選ばれた。なんといってもイワナが
多い。釣れるかどうかは別だが。ここは又マタギの里としても名高い
地でもある。

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マタギ神社参拝中の炊事班長ヨコザワ

4月28日
22時前に狩猟班長を乗せ川越の隊長宅へ。隊長はいつもの通りゆっくり
していた。

「まあ飲んでいけや」という雰囲気を狩猟班長はなだめ、早々と出発の準備を始める。秋田は遠いからね。飲み始めたら1日目は
完全につぶれる危険性がある。23時頃出発。夜通し秋田へ向かう。

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源流岩魚の塩焼き

4月29日
早朝、阿仁町、森吉町に到着。食料の調達があるためしばし休憩。
10時頃、阿仁前田駅の商店街で買い出しと、食堂で豚汁定食を頂く。
今日はロケハンだ。当初の目的地は森吉町からノロ川牧場へ入り桃洞の滝を目指し沢を遡上することであった。電話で事前に確認した時に森吉町役場のおじさんに「ほんだば入らんねぞ、ことすは雪さ多くてな、桃洞の滝さへは、車のみちも雪多くて、まあ無理だすな」
と。しかし行かないと分からないこともある。道々、山菜取りを始める。タラの芽らしきもの発見採る。山菜取りをしていたおばちゃんに尋ねる。隊長はポイッとそれを投げられ、「くわんね、くわんねど。
こは漆の一種で、弱いひとだば、口んなか大変なことになるど」と一撃される。ボー然。
森吉川で一泊しようとしたが、森吉川の上流大平湖というダム湖からすごい勢い放流されており、川は増水して魚の釣れる状況ではなく、別の場所へ移動することにした。阿仁町の打当川へ向かう。
おお、これなら魚も釣れそうだ。取り敢えず一泊。宴会が始まる。
今夜の宴会は、肉うどん、メシ、昼に採ったこごみ。明日のイワナ大漁
を願いつつ酒をぐびり。

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狩猟班長の鼻息

「嗚呼・・岩魚の骨酒・・呑みてぇなぁ・・・。」
ついに恐れていたことが起こった。遠くをみつめるでもなく近くを見つめるでもなく、焦点の定まらないうつろな目をしながらカヌ沈隊隊長はボソリと呟いた。
指令が下されたのだ!「岩魚を捕って来い」俺にははっきりとそう聞こえたのだ!嗚呼・・・その言葉を聞いた瞬間、ひどいめまいと軽い嘔吐感とともに酷い悪寒が俺の全身を走りぬけた!はあはあはあ・・・。
”岩魚”一時は幻の魚とまで言われ、源流奥地にのみ生息し、悪食で大型になるとネズミやサンショウウオまでも食らうと言われる渓流の王である。昨今は厳しい禁猟制限や、放流により数こそは増えたものの、用心深い性質から、なかなか素人がお目にかかれる機会は少ない。その魚肉こそは同渓に生息する山女に劣るものの、骨酒は向島のソムリエをも唸らせる絶品らしい。その岩魚の骨酒を呑みたいと言うのだ!
 なんと言うことだ・・・狩猟班長と迷名されてからというもの、常に恐れてやまなかったことがついに起こってしまっのだ。我輩 狩猟班長は久しく釣りということを真面目にしていなかったせいか、カヌ沈隊で野営に出かけても、まともに狩猟活動を行うことはあまりなく、我輩自身の腕で釣り上げた魚を振舞うことなどほとんど皆無であったのだ・・・。なのに役職は”狩猟班長”底知れぬプレッシャーが俺の肩に常に鉛のように重くのしかかり、いつ何時「おめぇ カヌチンの狩猟班長張ってる割に、夕飯釣ってこねぇなぁ ケッ!」などと言われるのだろうとビックンビックン いや失礼、ビクビクしていたのだ・・・。
 クソ!そうか ならば飲ませようではないか!岩魚の骨酒でも塩焼きでもムニエルでもぉ〜!!!!がぁぁぁぁぁ!!!!

(●狩猟班長の遡上奮闘記 序曲 より抜粋)


んがっ!はあはあはあはあ・・・。また嫌な夢を見た・・・ここ数日あの忌まわしい夢に魘され安眠することが出来ない。すでに秋田に向かう車の中だと言うのに全てヤツのせいだ!俺の前にどっかと座り込む”隊長オザキ”コイツのせいで何度この夢に魘されて苦しんだことか・・・昨日は夜中に魘されて、朝起きたらカミサンに”

一人○ッチしてたでしょウフフ♪”と疑われる始末。クソ しかし今回の俺はちょいと違うのだ!ふふふ完璧な装備とテクニック・・・この日の為にどれだけ汗と血を垂れ流し、地べたを這いずり回る思いで努力してきたことか!しかし 今に見ていろ!やつのアホ面が目に浮かぶぜ ケケケ♪

4月30日


降臨。神々しい朝だ。
今日こそは源流イワナとご対面、と張りきる狩猟班長。


・・・・・・2時間後。

「ここには、イワナはいない!」と狩猟班長キレル。

ここから暫くの間のカヌ沈隊の行動は、ひ・み・つ

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なぜか、酔い酔いのカヌ沈隊は、又鬼山刀(マタギナガサ)を唯一、作り続ける西根正剛さんを訪ね、充実した時間を過ごす。

西根さんは本物のマタギでもある。山の話、マタギの話、刃物の話、クマの話など約2時間ほど話しこみ、8寸のフクロナガサを注文して、野営地に戻る。横沢体調不良。秋田の春は遅く、冷えこみが厳しい。

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全カヌ沈隊、早々と就寝。

 


朝、珍しいことに

隊長が一番に起きていた。しかも

大迷惑、5時30分。
6時には「陽が上ったさあ起きろ」だ。昨晩のこと、狩猟班長と隊長は
なにやらイワナ釣りのことが頭から離れないようで、朝一で一発決めてやるぜ!なんてことを口走っていた。狩猟班長仕方なく起きる。(川へ向かう)ほうそう言えば、朝隊長が珈琲を煎れてくれた。
隊長と狩猟班長は朝陽を背に受けて川へと向かった。が、すぐに隊長は
帰ってきた。なんか終わるのも早い。さすが...。
朝食は隊長特製のウィンナードック。シャウエッセンを茹で、キャベツを
カレー味で炒め、おもむろにパンに挟みガブリ。うまい。これは炊事班長
いなくてもやっていける。.....よう無しか?炊事班長。

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源流の”爪”と言われる川の先端

この後、昼の行動は誰かが裏カヌ沈情報として書いてくれるだろう。
(しかし狩猟班長にとっては屈辱的だ。ううん俺が書くのか)
やがて夜になる。獲ってきたイワナを「イワナ汁」に仕上げ、「いやーうまいねこれは」さあ一杯やっか、という段に炊事班長はけむりに燻され突然の敗退。19時にはテントにもぐりこんでいた。朝までぐっすり眠ったようだ。その後も隊長と狩猟班長は遅くまでぐびりとやっていた。

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フクロナガサを手に取り本物のマタギの話を聞き入る

 

いない!いない!いない!どこだぁ〜!!クソ アタリもクソもねぇじゃねぇか!・・・・・・・・・・・ううむ 

綺麗な水には魚は住まねぇっつーからなぁ ぶつぶつ ま いないんじゃ釣りになんねぇわなぁ うんうん残念残念

 

でもなぁ 魚釣れないんじゃあ”イワナの骨酒ができないではないか!・・・なに 隊長がなんか言ってるぞ・・・ふむふむ・・・

なにー!!!そんなことぉ〜!!・・・・でも・・・ 

うふふ♪

 

空白の数時間経過・・・。

 

おおっ!ついに巨大イワナのムニエルだぁ!マイタケご飯との絶妙な取り合わせが素晴らしく上品な味わい!

 

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巨大岩魚のムニエル!美味!

エムニエル婦人丼と命名しよう!

5月1日 早朝

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車は雪のため乗り入れられず、ベースキャンプから歩き始める。
岩井ノ又沢を林道沿いに遡り、支流の小沢に入り、林道から藪をこぎ、沢に下りる。
狩猟班長は、狩猟班長のメンツを賭け、ただ黙々と、何かに執りつかれたように、キャストし続けている。
目は血走り、こめかみには

血管が浮き出ている。「今日も釣れなかったら・・・・」
何やら、思い詰めた表情。かなり憔悴しているようだ。
両岸に猿が2匹。右岸に横沢猿。左岸に尾崎猿。横沢は爆睡によって完全復活。
どちらが、先に川に落ちるかでキャッキャ言っている。
緊張感など皆無。
隊長は出合いで、岩魚をバラシ、その後餌を流してしまい、猿と化した。
炊事班長は全く釣りにならず退屈そうにしていたが、仲間ができたことで、急にはしゃぎ始めた。
2匹の猿は、巻いたり、へつったりしながら、落ちた落ちないを言い争っている。小学生並だ。狩猟班長は、狩猟班長という重圧に耐えきれず、過呼吸気味。
尾崎猿が石を飛んで右岸に移り、昼飯にすることに。狩猟班長は「飯が出来るまでキャストさせてくれ」と懇願する。顔色が紫色に変化しつつある。チアノーゼだ。しかし、その迫力に負け、首をたてに振る。
狩猟班長は上流に消えた。残された2匹の猿は雪渓でビールを冷やし、豚角煮ラーメンを作る。その間も、「お前、あそこで落ちただろ〜」「いや、あそこは水面下の石を利用してだな・・・云々」とやっている。
程なく、ビールが冷え、カラカラの喉に流し込む。プハッア〜。うまいのなんの。
角煮ラーメンを食い終える頃、狩猟班長がむっつりとした顔で戻ってきた。チアノーゼは消えている。
とうとう諦めたようだ。
と、なにやらウエストバックをごそごそやりだした。
???。おもむろに、中から笹に包まれた岩魚を取り出す。
「うおっ!!とうとうやったか!!!」と言った瞬間、狩猟班長はむっつり顔の猿芝居をやめ、ピョンピョン跳ね回りながら「やったあ〜。ついにやった〜!」と激しく感動しまくっていた。

しかし、その岩魚が完全にリリースサイズであったとは、大きな声では言えない。

飯を食い終え、さらに上流に。狩猟班長は先程とはうって変わって上機嫌。軽口を叩く。まあ、その気持ち、解らないでもない。なにしろ、正真正銘の源流イワナだ。
管理釣り場で釣ったのとは、訳が違う。

すぐに轟音が聞こえてきて、

巨大なスノー・ブリッヂから流れ出した迫力満点の滝が姿を見せる。
すっげえー。と言ったきり言葉が出ない。黒部川をも連想させるその勇姿。それで満足だった。このまま左岸を直登すれば、林道に出るはずだ。雪の残る急斜面を、一応確保しながら登る。
喉がカラカラになるが、水は昼飯ですべて使ってしまった。早く湧き水が飲みたい、その一念で登り続ける。
先頭を行く横沢が「(林道に)出たぞおー」と叫ぶ。少し遅れて林道に出た時には、すでに横沢は小さいスノーブリッヂの中から染み出す水をコッヘルに掬い、喉を鳴らしながらウマそうに飲んでいた。
たまらずコッヘルを奪い、一気に飲み干す。

カキーンと冷たく、微かな甘味があって、最高にウマイ。


やすさんが走ってきてコッヘルを奪い取る。母親の乳を奪い合うガキのようだ。いや、その通りなのかもしれない。
山ノ神は女。俺達は山ノ神の乳房をまさぐり、そこから湧き出る乳を、喉を鳴らしながら一心不乱に吸っているのだ。

横沢がニヤリと笑みを浮かべ、ポケットからフラスコをとりだす。
それを見た俺とやすさんも、やはり

ニヤリ中身はバーボン。
山全体が萌黄始め、

巨大なスノー・ブリッヂから流れ落ちる滝を俯瞰でき、薫風というには少し冷たいが、気持ちの良い風を受け、

山肌から染み出す水をチェイサーにバーボンをやる。
なんという贅沢。振りかえれば、昨日まで、今一つ何かが足りない感じがしていた。
そのモヤモヤはすでに霧消し、硬派カヌ沈隊は、遠征3日目にして完全に復活したのだった。

5月1日
阿仁川の支流を遡行する。やっと沢やになった気分だ。狩猟班長はウェーダーにフェルトシューズ、一番快適なスタイルだ。隊長は普段と変わらない。ウェット(2mm)は何のために持っていたのだろう?着ないの?
渓流シューズも昨日濡れたので履かないそうだ。硬派なのか、それは?
炊事班長は普段のスタイルながらカーキ色のベトナムズボンをはいてタオルをほっかむり喜んでいる。(自分で言うのも何だが決まっている)
各自、ハーネス、シュリンゲ、ヌンチャク、カラビナ等を身にまとい
「これから岩でも登のかな?この人たちは?」状態でワシワシと沢を遡行し始めた。
狩猟班長は要所要所で釣り糸を垂らし(実際はフライなのでキャスティング)隊長、炊事班長は沢に出来るだけ落ちないよう、へつり、岩飛びを繰り返す。おぬしなかなかやるな。岩飛びは面白いね。

スリルがあって。神経の高ぶりはなんとも言い難い。


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雪に覆われた林道をひたすら歩く

早い昼はまず、乾いた喉にビールをぐびり。最高の瞬間。ラーメンに角煮
を入れる......うまい...。このロケーション言葉が詰まる。
狩猟班長戻ってくる。おっとイワナだ。なんか昨日イワナ汁を食ったが、
今回初の狩猟だ。興奮を隠し戻ってきた。面目保ったな。上出来だな。
昼飯を片付け、またしばらく遡上していく。おっと、目の前に大きな
スノーブリッジと雪渓。秋田の山奥まできた甲斐があった。関東近辺の
沢では有り得ない光景を目の当たりにした。
我々は、そのスノーブリッジは通過困難と判断し、高巻きから林道を
目指した。途中幾度となくハーネスとロープに助けられた、ということ
はなかったが、最低限の装備だと思っている。
登っている時、上を見ると斜面に沢水がうまそうに落ちていた。そこが
林道だった。雪から溶け出す水は冷たく甘かった。至極の水を得たり。
これが秋田の水で、秋田の酒の元だと妙に納得がいった。
「酒飲みはその土地の源流の水を飲め」
その夜は、最後の晩餐、いも煮、舞たけご飯、そしてなんと虹鱒ソテー
なんかも作っちゃったり、

うどの酢味噌あえ有り、山の恩恵をうけ、
感謝し、酒をぐびり。うまい。

 

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源流をひたすら遡る遡る遡る

 

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時には隊長も跳ぶ!

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毎回毎回美味い飯をつくる炊事班長にそろそろ部下が必要か

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それにしても炊事班長の料理の腕前には毎度毎度頭の下がる思いである。感謝

 

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巨大なスノー・ブリッジ

この写真では迫力とデカさが伝わらないのが残念

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山肌から染み出す水をチェイサーにバーボンをやる。

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ついに朝になってしまった・・・昨日といい 一昨日といい、お目当ての岩魚は一向に釣れる気配がないのだ。連日の雨による増水と、本流上流のダムからの放水、濁り、気温の低下、水温は約2℃しかない。基本的に水温5℃はないと

釣りにならんのだ!

だが今日で最後だ・・・なんとしてでも源流岩魚を釣り上げ、やつの鼻をあかし、のどチンコ引張って

奥歯ガタガタ言わせなくては・・・俺のメンツはどうなるのだ・・・・クソ そーだ!昨日の魚を針にくっつけて”釣れた!”ってことにしよう!♪???駄目だ 焼き魚ではさすがの隊長も気付くはずだ・・・ううむ

 

 

 

 

 

 

一人で釣り上がっていくうちに、渓谷の沢音と、自分の体が溶け込んでいく感覚に落ちていくのを感じた。非常に心地よい一種の

トリップ状態だ。俺は幼少のころから水場を極端に好むガキで、常に近所の池に釣りにいきつつ、まだ見ぬ渓谷への強い思いをつのらせていた。しかし幼いガキはそんなところへ行けるわけもなくただただ渓流で大岩魚を釣り上げる写真や漫画をひたすら読み漁っていたのだった。そのころの

ハナタレガキが今秋田の源流を遡り、まだ見ぬ源流岩魚を求めてさまよっている。それだけで満ち足りた感覚が全身に溢れ、なんとも言いがたい満足感により”もう十分だ”と感じつつあったのだ。

が!しかーし!

そんなことは言ってらんねぇ!一秒でも早く鼻の穴をおっぴろげさせるのだ!

クソ!

 

 

 

 

 

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なんとか釣り上げることが出来た。半ば諦めかけていただけにアタリのあった瞬間は正直いって

心臓を握りつぶされた

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かのような衝撃に襲われ、バレるのではないかとイワナが潰れるほど握り締めていた。源流岩魚 ちょっと小さめ・・・惚れ惚れするほど美しい姿にしばし見とれ、あと2匹釣り上げてから戻ろうと思った矢先に遠くで”ピィー!”という口笛の音が聞こえた。クソ 飼い犬のように呼びやがって!まあ仕方ない 飯の仕度が出来たようだ。しかしこのままエヘラエヘラと戻るのも分が悪い・・・まあここは狩猟班長らしくクールに決めるか・・・。とりあえず近くの笹をバックに押し込み、その中にそっと岩魚を仕舞い込んだ。

 

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炊事班長特製

豚角煮ラーメン

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湧き水をコッヘルで飲む ほのかに甘い

 

 

 

 

 

 

 

5月2日
カヌ沈的与太話連発の宴で秋田遠征を締めくくり、いよいよ帰京。「帰りたくねー」と駄々をコネながらそそくさと撤収。帰りは日本海ルート。皆、「鮨、鮨、温泉、温泉♪」と鼻歌気分。快調に車は走り、まずは秋田県金浦の公共の湯へ。鳥海山の美しい容姿に感動しながら、山形、酒田をとばして、一気に新潟。ぐへへへ。鮨、食いました。さすがに美味ーい。関越道渋滞。と聞くや、すかさず湯沢温泉・駒子の湯へ。
温泉男・横沢、完全にメルトダウン。その後、計算どうり、渋滞は緩和され、川越の新居・隊長邸へ。計算高いやすさんの頭の中は、すでに明日からの「家族サービスを如何にごまかすか」というテーマに切り替えられ、ゴマすりの言葉を何やらブツブツと呪文
のように唱え始めた。哀しいパパは30歳。

さらば、黄金週間よ。

 


起きて昨日の残り汁にうどんを入れてさっと朝食を食べる。残り汁に
うどんは本当にうまい。山での食事は何でもうまい。
早めに撤収をし、8時にはテン場を去った。
帰途は秋田から日本海側を山形、新潟とぬけた。金浦温泉で休憩、
酒田で飯、ずっと下って新潟で寿司屋に入る。これもまた良い。
夜になって、関越道にはいる。渋滞情報をつかみ、上越湯沢の町へ
下りる。駒子の湯に入り今後の活動計画などを話す。
本当に気持ちのいい時間は早い。

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偶然湯沢温泉でであったエロ事師

<後記>
4月30日阿仁町の西根のおじさんのところで秋田マタギ山刀の「ふくろ
ながさ」を注文した。西根さんは秋田では唯一マタギ山刀を作る刀鍛冶
である。気さくに山刀の話をしてくれた。うっとりするような「ふくろ
ながさ」が早く手元に届く日を首を長くして待っている。

※阿仁町 マタギ(マダギ)

阿仁町は秋田県北部ほぼ中央に位置する町で、人口の26%以上が65才以上という高齢化の進んだ町でもある。この町の猟友会は通称『阿仁マタギ』と言われ、日本はおろか世界にまでその名が知られた猟のプロ集団

※マタギナガサ

ナガサとは、匕首(通称ドス あいくちと読む)のような形の片刃物で、マタギはナガサ一本で熊と闘い、解体し、氷の壁を登り、料理の包丁としても使うという、マタギ用の万能の刃物。鋭い切先を持ち、柄の部分はペンのキャップのように棒を差し込めるようになており、いざという時はその部分に棒を差し、熊と戦う。心臓を狙わず、肺を狙い窒息死させる。魔除けにもなるとも言われる。

※山の神

山の神は醜女とされており、醜い魚のオコゼを奉納すると機嫌が良くなるとも言われる。またある文献ではオトコのイチモツを出すと天気が回復するとも・・・?一般に山の神の日は12日とされている。

硬派夜営集団カヌ沈隊

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