外秩父七峰縦走大会(カヌ沈隊秩父山麓に散る!) ☆☆ |
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「秩父40」 ☆
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99.4.18 「秩父40」 スペシャル(前編) | ||||
奴隷候補 カウパー深町 談 |
狩猟班長のお下劣心中 | |||
4月17日、22時。隊長宅に到着した。
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●自己管理● 今回の参加者は”奴隷候補深町”も言ってるように、当初7人の参加予定が4人。当初参加表明者のほぼ半分の人間が不参加となった!こりゃあ絶対”サボリ軟弱野郎”が1名は含まれていると十分考えられる。男たるもの腹くくったからには、それがいかなる障害が発生したとしても、その目標に向けて全身全霊で排除していき、コンディションを整えるべきなのだ。前回の三頭山での我輩の膝の故障などは軟弱極まりないものである。その屈辱的な敗退は我輩の左膝に濃厚な膿となって淀んでおり、今回はリベンジ的な意味合いが十分あったのである。 ●酒● 大会前夜はビール一本飲んでさっさと就寝のつもりであったのだが、何故あんなに盛り上がったのかと今思い返しても、一体何を討論していたのかさえもさっぱり思い浮かばない。ただ一つ覚えていることは”奴隷田口はボキャブラリーが欠落している”ということぐらいか・・・。 ●時間管理能力● 隊長オザキは時計を持たない。おまけに財布も持たない。ようは拘束されるのが極端に嫌いなのだ。なので携帯電話も極端に嫌うため、当然使い方も良く理解できていない。以前呑んでいるときに、我輩が他の幹部に電話をし、ついでであったので、隊長オザキに電話を代わったのだ。そこで事件は起こった!なんと隊長オザキは小さい携帯電話に激しくとまどいながら、聞くときは耳に携帯を押し当て、喋るときは、耳から放し口元まで携帯電話を持っていったのだ!それもなんどもなんども・・・まるでハンディー無線のように・・・。その時我輩は哀しさと当時に涙も溢れ出てきていたことだろう。ちなみに唯一所持しているポケベルは、目覚まし時計と化し、当然携帯することはない。 |
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99.4.18 -「秩父40」 スペシャル(中編) |
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奴隷のタグチくんに起こされて、目を覚ました。 |
隊長のカタモミをする奴隷田口 |
●当日● 翌朝は奴隷田口に起こされ、まったくもって不快な目覚めであったが、時計を見て凍りついたと同時に急速にやる気が失せて行ったのが自分自身のなかではっきりと感じられた。それは誰もが一緒だったはずだ。それを軽軽しく発していたのが 隊長だったのだ(冗談にしか聞こえなかったが、大分ダダこねていたのは事実である。多分ホンキだっただろう。)そのとき悪魔が隊長の背中に重くのしかかっていったのがはっきりと見えた。それを追い払うかのように、奴隷田口にカタモミを強要する隊長。耳からは酒粕がだらだらと流れ出していた。
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08:30。 後編へつづく |
●出発● この時点ではすでにカヌ沈隊は絶好調であった。唯一不調を訴えつつあったのが隊長であった。「腰がおもてぇなぁ」「首のあたりがちょっと」「やべぇ 頭に酒粕が溜まってる」などとぶつぶつ繰り返していた。 (ふふふ 隊長 あんたはもう負け犬化が進行しつつあるようだな・・・。) 奴隷候補深町は、絶好調と言う感じで飛び跳ねていた。 (ふふふ ばてるぞ 愚か者め・・・。) ●丸秘いんちき所持品● ○梅干4個(乳酸処理に有効) ○バーム(効率良くエネルギーを持続させる。アスリート御用達ドリンク) ○カロリーメイト、ザバスゼリー(まさにエネルギー源 極端に疲労したときの摂取後効果は覿面)
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99.4.18 -「秩父40」 スペシャル(後編) |
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●疲労困憊● 七峰のうち、二つ目の山を進んでいるときであった。先頭は隊長、二番手に奴隷田口、その後ろに俺、最後尾は奴隷候補深町。霧雨から本降りにかわった雨が徐々に俺たちの耐力を貪りつつあるなか、そこそこの急登の連続が続いていた。奴隷二人は登山を舐めていたため足元はスニーカー。すべる足元は予想以上に疲労を呼ぶ。登山靴を使用している我々でさえ難儀をしいられているなかスニーカーの登坂能力は皆無に近い。ただ黙々と休んでいる他の参加者を追いぬき、ただひたすら登る 登る 登る・・・。 その時ふと背後の気配が薄れていくのに気づいた。 深町がいない・・・。そのはるか後ろに深町がいた。急勾配の登山道では考える以上に離れた仲間は遠くに感ずる。 (そうとうバテてるな・・・。そういえば深町との登山はこれが初めてではないか・・あの性格、ううむ ムリしているのでは・・・。) 登山の心臓、心肺機能はマラソンや他のスポーツとも違う独特のスタミナを使うという。しかしスポーツに心得のあるやつは”登るだけの運動”を軽視する。しかしそこが落とし穴なのだ。独自のリズムと普段使用しない筋肉、関節、のきしみが相乗効果となって全身を襲う。登山経験の浅い人間はその苦痛の処理方法すら知らない。ただ音もなく砂時計のように疲労は蓄積されていく。 俺「オザキ 休むか?」 隊長「ん?」 短い会話のあと、俺は顎でうなだれる深町のツムジを指した。 隊長「おい もうすぐだぞ!」超能力者ではない隊長が叫ぶ 奴隷候補深町は空元気を出し100万ドルの笑みで急勾配を走りあがってきた。頂上はまだ先なのに・・・。
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急勾配の下りで、隊長の膝がイカれた。 「これで、さっきの失態をウヤムヤにできる・・・」 |
●爆弾● ついにこの時が来た。隊長の足が腐ったのだ。前回の三頭山での屈辱を隊長オザキが今この時噛み締めているのがひしひしと伝わってくる。相当な痛さのはずである。満足に足が出せない。向きをかえ、体重のかけ方を変えても無駄だ。もう貴様の膝は腐ってきているのだ。 このときとばかりに、俺は三頭山での隊長のように”どんぐりを拾いながら黄色い笑み”を浮かべようとおもったが、残念ながらドングリはなかった。 隊長の屈辱的な顔・・・。ただ油断は禁物、いつなんどき俺の膝も腐り始めるかもしれない。俺も爆弾を抱えており、俺の膝も徐々に異常を来しつつあったのであるから・・・。 ん?奴隷田口だけが元気だぞ・・・。
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焼肉屋にて、反省会議が開かれた。 |
●反省● 今回は奴隷候補深町がバテ、隊長オザキの膝が腐り、俺の膝も徐々に腐り始める兆候もあったこともあり、また、途中棄権のルートとバスの時間を計算した結果、棄権を決定した。 それは正しい判断であったと思う。なぜなら自然のなかでは無理ほど危険なことはなく、また疲労により正しい判断など出来るはずもないのだ。 ただ一つ、反省すべき点は、傲慢な自分たち人間の耐力を過信しすぎたことである。 カヌ沈隊として良い勉強であったのは確かである。 狩猟班長 記 |