◇ MUSIC VIDEO PickUp review◇
update 2004.08.22

MUSIC VIDEO - My Collection

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■PART8: A DECLARATION LIVE IN CONCERT ULU LONDON FEBRUARY 1987(DVD) / FELT
 update 2003.12.26

解散後14年の時を経た今になって、FELTのLIVE映像が観れるとは……しかもオフィシャル盤のDVDで!まずはこのDVDをリリースしてくれたCherryRedレーベルに感謝の意を表したい。
さて、本作が収録しているLIVEの公演日は1987年2月。すでにDEEBANKの姿はないが、Groupのキャリアとしては成熟期を迎えていた頃といえよう。
ステージの模様は、ほぼ思い描いていた通り。ほとんど観客とコミュニケイトすることなく、内省的なPLAYが淡々と進行していく。マイク・スタンドに手をかけ、呟くように言葉を紡ぎ続けるRAWRENCE。彼がGuitarを奏でる時間は、純然たるGuitar Bandだった初期と異なり、既に短い。オリジナルALBUMでは、ややフィーチャーし過ぎの感もあったMARTIN DUFFYのOrganも、ここでは程よく抑制されており、その柔らかい音が耳に心地よい。PAの調子が悪く?1曲目でRAWRENCEのVocalがほとんど聴こえないのと、2〜3曲目までBassの音量が大きすぎるのはご愛嬌。
ステージ後方に設けられたスクリーンには、各曲の内容を暗喩したものと思しきスライド・ムービーがゆっくりと映し出され、観る者の想像力を視覚的にも掻き立てる。
画質はまあ良いが、映像そのものは、まるでBootのVIDEOだ。オーディエンス・ショットの固定カメラたった1台が終始、ズームとアングルを変えるだけ。演出や後編集の類は一切施されておらず、映像作品としてのクオリティは決して高いとはいえない。しかし、こうした「素」の映像のほうが、個人的には大歓迎だ。等身大のFELTを目の当たりにできる、その意義は大きいといえよう。美しい紙ジャケの解説に「Underground Challenger」と評されている通り、コマーシャリズムとは全く無縁の存在であった彼らにまさしく相応しい。
Liveの全9曲に加え、CherryRed時代のVIDEO CLIP1曲を収録。10年間の活動を通じ、10枚のSINGLEと10枚のALBUMを残したFELTの、初めてのDVD作品は、やはり全10曲となっている。それにしても、アンコール前の名曲「PRIMITIVE PAINTER」の素晴らしさときたら……感に堪えぬ。

■PART7: THE BEST OF MUSICLADEN LIVE 1998(DVD) / T-REX.ROXY MUSIC
 update 2002.04.21

DVDプレーヤーを購入してから1年以上が経っているにも関わらず、これがまだ2枚目の音楽DVDソフトだ。残念ながら、いまだ欲しいタイトルが皆無に等しい。そろそろDVDもbootがたくさん出回らないかな?マジな話。
さて、本作はAMAZONでゲットした輸入モノ。T-REXとROXY MUSICの「MUSICLADEN」という音楽番組でのSTUDIO LIVE(口パクではなくちゃんとした演奏!)を収めたカップリング盤だ。当方のお目当てはもちろんROXY MUSICのほう(T-REXには全然興味なし)。ROXY分は全6曲だが、うち5曲は2ndALBUM『FOR YOUR PLEASURE』リリース時のLIVEテイクで、BRIAN ENOのケバい姿を拝むことができる。選曲も良い。「DO THE STRAND」「EDITIONS OF YOU」「IN EVERY DREAM A HEARTACHE」「RE-MAKE RE-MODEL」「VIRSINIA PLAIN」というラインナップは当時のBESTと言って良かろう。やはりROXYはグラム色の強いこの頃が一番「らしくて」夢があっていいな。
なお、残る1曲は3rdALBUM『STRANDED』の代表曲である「ALL I WANT IS YOU」。 ただ、前の5曲ほどLIVEパフォーマンスが弾けておらず、観ていてパワーダウンの感は否めない。加入直後のEDDIE JOBSONもまだ遠慮がちで本領を発揮していないように見える。
それにしても映像の美しさはさすがDVD.おそらくデジタル・リマスタリングが施されているとはいえ、30年前の映像がこんなにクリアな状態で観れるなんて……。感激ではあるが、むしろ違和感を覚えるくらいだ。

■PART6: AUF WIEDERSHEN(live) 1981(VIDEO) 2000(DVD) / BUZZCOCKS
 update 2001.05.08

記念すべき?最初に購入したDVDソフト。CHERRYRED FILMからのリリースだ。本作はタイトルが示すとおり、BUZZCOCKSのフェアウェル・コンサート(1981年当時)の模様を収めたモノ。言わずと知れた大傑作なので、いまさら内容について詳しく触れる必要はなかろう。10年くらい前に入手したVIDEO版の方は、それこそ何十回観たことか。このような昔の作品をDVDの美しい映像で目の当たりにできるのは全くもって嬉しい限り。しかも音声はリマスターされているし。
ただ、DVD版には気になる点もいくつか……。まず、再生中ずーっと画面右上部に表示されるGroup名のロゴがあまりにもデカ過ぎでウザイ。「おいおいメンバーの姿が見えねえよ!」と文句を言いたくなる場面が少なからずあるのは残念だ。あと、カメラ・アングルが所々、VIDEO版とは異なっているような。やけに後方からのオーディエンス・ショットが多く感じられたのだが、これは当方の記憶違いか?
オマケの充実ぶりは大容量ディスクならでは。おそらく完璧であろう「BIOGRAPHY」はすべて目を通す気が起きないほど事細かだし、巻末に収録されている再結成後、1996年のライブ映像「BOREDOM」、コイツは必見かも。来日公演では、しっかりヅラを被っていたピート・シェリーの頭が……一見、ハワード・デヴォートと見分けがつかなくなっている(笑)

■PART5: PROMO&LIVE 1980-1984(boot) / KLAUS NOMI (1980-1984)
 update 1999.07.21

オペラROCKの怪人KLAUS NOMIがこの世を去ってから早16年。時の経つのは実にはやいものだ。80年代初頭の一時期、ごくごく一部のサブカル層の間で熱狂的に迎えられた(ちょっと大げさか)彼が、再びメディアで語られる可能性は・・・・・・まずないだろうな。KLAUS NOMIは西独生まれ。元々は由緒正しいオペラ学校出身のれっきとしたオペラ歌手であった。ところが、ナニをトチ狂ったのか(オペラ歌手として煮詰まっていたのか)、30歳を過ぎた頃、突如ROCKに目覚め、オペラとROCKの融合という前代未聞の試みを企てるべく、PUNKムーブメント渦巻くLONDON行きを決意してしまう。トーゼンのことながら、当初、誰からも相手にされなかった彼だが、この手のキワモノに関してはズバ抜けた嗅覚を持つデビット・ボウイに見出され、運良く世に出ることに・・・・・・。その後、活動拠点をNEWYORKに移した彼は、ボウイのbacking vocalをつとめる傍ら、自らのBANDを結成して数回のLIVEをこなし、ついにはオリジナルALBUM2枚をリリースするに至った。とはいえ、彼が創り上げたオペラROCKは、そのSOUND面においてはエキセントリック性しか見るべきものがなかった。せいぜい「一度聴けばもう十分」といった代物に過ぎなかった。しかし、彼の唯一無二ともいえる存在価値は、決してその音楽性にあったわけではない、むしろそれは、観る者を絶句させる風貌と脳髄直撃の強烈なパフォーマンスにあったのだ。・・・・・・とまあ、こんな風に書いても、彼の一体何が凄かったんだか全然分からないでしょうな。実物を観たことなければ。うだうだ説明するよりは、まさに百聞は一見にしかずなのだが、まあ一言でいうと、「魔法使いサリーに出てくるサリーちゃんのパパみたいなヘアースタイルをした、ギョロ目で鼻の穴にビー玉が2、3個楽々入りそうなデカ鼻のオヤジが、鈴木その子ばりに顔面真っ白にドーラン塗りたくって、カラクリ人形のような動きをしながら、ROCKサウンドをバックに声楽家宜しくオペラを歌っていた」ってなカンジ(熱心なオペラファンが観たら怒り狂うだろうな、欧州に居られなかったのもよく分かるってか?)。さて、本作は彼の急逝を惜しんで1984年にリリースされた唯一のビデオクリップ集(約15分程の短い作品)に、ボウイのbacking vocal時代のTV映像(これはSTUDIO LIVEで結構貴重かも)と『Urgh! a music war』に収録されているLIVE映像を加えた、お得な海賊版。まあ、これ一本観れば、KLAUS NOMIのすべてが分かる、その魅力をトコトン堪能できるスグレモノ。ヘタなアングラムービーより、よっぽど面白いよ、ホント。それにしても、あの当時で「死因がエイズ」というのは、実に「先進的」だったと思う。まだ、日本じゃエイズって一般には知られていなかったからね。

■PART4: THE WAY THEY WERE / (omnibus) (1989)
 update 1999.06.13

1987年1月、NHKで「ROCK COLLECTION」という音楽番組が3週に渡って放映されたことがある。確か司会はピーター・バラカンだったと思うが、その2週め「パンク・ニューウェーブの時代」の回に英グラナダTV所蔵の貴重なライブ&インタビュー映像が流された。登場アーチストは、SEX PISTOLSを皮切りに、初期のCLASH、JAM、XTC、TOM ROBINSON BAND、、ELVIS COSTELLO、SIOUXSIE&THE BANSHEES、MAGAZINE、JOYDIVISIONなど1977から1978年にかけて頭角をあらわしてきたPUNK-NEWWAVE系の面々、そして、ドラッグ漬け状態からカムバックを果たした頃の大御所IGGY POPと、まさにオールスターキャスト。当時は、PUNK-NEWWAVE系のビデオ映像といったら、あの『D.O.A』と『Urgh! a music war』位しかなかったから、この番組を見たときは、もう狂喜乱舞。なんといってもメジャーになる前のデビュー直後の映像を数多く収録しているのが、マニア心をくすぐってくれた。「土曜の夕方にこんなもん放映するなんて、NHKもBBCに負けてないな!」と妙に感心したものだ。さて、内容はLONDON PUNK以降のアーチストが中心の構成。だが、やはり一番存在感があってカッコイイのはIGGY POPだろう!(何故、多くの人を魅了する作品が生み出されるのか?という問いに対して)「一度始めたら最後まで決してあきらめないし一切妥協をしない・・・・・・だから出来るんだ」なんて、サラリと答えるあたりは滅茶苦茶シブイし、「THE PASSENGER」で魅せるパフォーマンスは傑出している。この番組は結構好評だったのか、約2年後に全く同内容のビデオがNHKとは関係ない版元から表題のタイトル名で発売された。当然、即ゲットしましたね(TV放映分を録画してあったにもかかわらず)。ただ、インタビュー部に関しては、このビデオよりTV放映分の方が遥かに上。各アーチストのキャラクターが滲み出ているわけで、全体を通じたトーンが良い。

■PART3: (same) / THE AVENGERS (1978)
 update 1999.04.24

70年代末期、米西海岸でNO1の人気を博していたPUNK BANDが、このTHE AVENGERSだ。ボーイッシュな♀vocalをフロントに立て、バックにguitar、bass、drumsのムサイ男3人を配したシンプルな編成。激しいながらも小気味良いタテ乗りサウンドは、アングラ臭漂うNEWYORK PUNKとは異なり、むしろLONDON PUNKに近かった。もっとも歌詞の方は、自分たちが「AMERICANであること」を強調していたが。まあ、己のアイデンティティーを前面に打ち出すのは、PUNKのお約束だろう。さて、本作はマニアックなPUNK-NEWWAVE系ARTISTのLIVE VIDEOを数多くリリースした・・・・・・のは良いが80年代初めにツブれてしまった「TARGET VIDEO」による作品。いやー、最高っすね。サウンドはもちろん、映像もGOOD!ホント、イカしてる。もう、一気に観れるし聴かせてくれる。30minがアッという間。PUNK BANDの中ではBUZZCOCKSに次いで好きだな。でも、残念ながら、彼らの音源は今のところコレ以外持っていない(どっかでRECORD入手できないだろうか?)。ところで、紅一点のVocal、Penelope Huston嬢は、90年代半ばに突如ソロで復活!180度転向したアコースティックサウンドのALBUM2枚を発表して、一部の好事家達を喜ばせてくれた。

■PART2: THE CABARET(omnibus) / XTC (1978)
 update 1998.11.09

これは、彼らのデビュー直後の映像を収めたオムニバス作品。1978年当時、同じくヴァージンレコードのブライテストホープであったMAGAZINE,MOTORSらとともに、初期の代表曲である「This is pop」と、そのsingle盤B面「Heatwave」の2曲が収録されている。口パクのスタジオライブに、一部ビデオクリップを挿入した内容だが、精力的にライブをこなしていた頃のXTCの姿が見られるのは貴重かもしれない。全編を貫くシニカルなテイストが如何にも英国的で良い。特に、1st ALBUM『WHITE MUSIC』のジャケット写真そのまま、ミック・ジャガーをパロったような派手なアクションを見せるアンディ・パートリッジは、今とはまるで別人。そして、ちょいとスネた感じのコリンと職人バリー・アンドリュースのふたりも、ともにイイ味を出しまくっている。やっぱりXTCは、PUNK-NEWWAVE時代のパワーポップしていた頃が好きだ・・・・・・と思うのは私だけ? 

■PART1: OIL ON CANVAS / JAPAN (1982)
 update 1998.9.17

今は昔の・・・・・・JAPAN。約3年前にRAIN TREE CROWの名で、一時、再結成したものの、ALBUM一枚をリリースしたのみで、あまり話題にも上らなかった。本作は、1981〜1982年に行われた、彼らのラストツアーの中から、英ハマースミス・オデオン公演の模様を収めたLIVE VIDEO。同タイトルの2枚組ALBUMも先にリリースされている。中身は、傑作の呼び声高かった3rdALBUM「TIN DRUMS」からの選曲が中心。なにかとビジュアル面がクローズアップされがちであった彼らだが、この頃は既にその高い音楽性が評価されており、もうメイクも控えめ(笑) ここでは、極めてクオリティの高い落ち着いた演奏を披露している。強力でタイトなリズムに、自己陶酔一歩手前のねっとりとしたボーカルがからまる様は、絶品。特に、久しぶりに聴いたミック・カーンのBassは、非常に新鮮に感じられた。映像的にも、ステージはグリーン系の照明をベースに、ムーディーな雰囲気を醸し出しているのが良い。また、ところどころに挿入される、中国、タイでの記録映像も印象的だ。全体としては、3rdALBUMの世界の延長線上にある作り。実際に「VISIONS OF CHINA」「GHOSTS」などでは、素晴らしい演奏を聴かせてくれる。だが、LIVEのクライマックスとなっているのは、2ndALBUMの代表曲「METHODS OF DANCE」。かつて、デビット・シルヴィアンは、「2ndALBUMの「GENTLEMAN TAKE POLAROIDS」は不本意な作品。bestは1st「QUIET LIFE」と3rd」とコメントしていたが、個人的には、ロマンチックなテイストの2ndALBUMは、結構好みだった。LIVEでは2ndから、上記の「METHODS・・・」「GENTLEMAN・・・」そして「SWING」の計3曲を演奏しているが、いずれも映える曲だ。ミック・カーンのペンギン歩きも懐かしい!
・・・・・・それにしても、60分間まったくの隙を見せずに、"自己完結"しているLAST LIVE VIDEOだとあらためて思った。なお、本作は1992年にロープライスで再発もされている。



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