セクハラでつまずかない農協をめざす−実態調査のすすめ−  

1.北海道当麻農協のセクハラ事件
 2007年4月、北海道上川管内の当麻農協でセクハラ事件が明るみになりました。新聞報道(〔資料1,2〕参照)によれば、60歳の組合長と44歳の課長からセクハラ行為を受けたとして、職員と元職員が損害賠償を求める訴えを起こしたのです。
 全国放送のテレビでも取り上げられ、当麻農協のセクハラ事件は世間に広く知られるところとなりました。強制的にキスをしたり、からだを触ったり、女性の一人は強制わいせつ容疑で警察に告訴もしています。
 このセクハラ事件を、人ごとだと見るのか、わが農協も反省しなければと考えるのか。農協職員や農家の人(組合員)は、自分の足元を見直す良いチャンスとして、当麻農協のセクハラ事件をとらえてほしいと思います。

2.農産物の販売にも影響を及ぼす
 私の知る限りではありますが、未だに農協には古い体質が残っていてセクハラがまったくないとは言い切れません。女性職員は、結婚や出産を契機に退職するのが慣例となっている農協はまだ少なからずあります。お茶くみやコピーは女性の仕事と考えている人が多いのも事実です。能力よりも性別による仕事の分担があるのです。女性を仕事上の対等なパートナーとして見ない職場環境では、セクハラを産みやすい土壌になりやすいのです。
 そして、ひとたび事件が大きくなって裁判沙汰になると、せっかくブランド化した農産物の販売にも影響を与えます。それはそれ、これはこれ、とならないのが消費者心理です。「もうでんすけスイカは買わない」、「お米は当麻産以外のものを選ぶ」と消費者の怒りが買い控えを招くことにもつながります。

3.セクハラチェックは健康診断
 セクハラの芽がもしあれば、小さなうちに摘み取っておくことが大事です。初期対応を誤ると事態は悲惨な方向に向かいます。
 まずは、セクハラが農協内にあるのかないのか、実態を把握してみてはいかがでしょうか。その際大事なことは、ありのままの実態がつかめるような方法をとることです。本当のことを書いたら、だれが書いたのか特定されて、後で仕返しをされるのではないか。そう思わせるような方法をとってはいけません。本当のことを書いても安心できるような調査方法が必要なのです。
 1年に1回、健康診断を受けるような感覚で、セクハラのない風通しの良い職場環境を目指してほしいと思います。

4.実態調査を請け負います
 実態調査の一例を考えてみました資料3。農協内で、どのようなセクハラがあるのか実態把握を主目的としています。調査対象者は男女を問わず農協職員全員です。回収・結果分析は農協以外の第三者が行うのが良いと思います。
 当オフィス(KS企画)にご相談いただければ、農協の実態・目的に合わせた調査表の作成をいたします。また、回収方法の検討、結果分析、報告書の作成、結果を踏まえた今後の提言など提案させていただきます。
 関心のある方、メールにてご相談ください。経費につきましてはご相談の上、決めさせていただきたいと思います。

〔資料1〕北海道新聞(2007年4月8日06:45)より
当麻農協をセクハラ提訴 職員ら女性2人 前組合長、課長相手取り
 【当麻】上川管内当麻町の当麻農協(組合員千三百二十六人)の前組合長(60)と課長(44)から、セクハラ(性的嫌がらせ)行為や暴言を受けたとして、職員と元職員の女性二人が七日までに、同農協と前組合長、課長を相手取り、総額約一千万円の損害賠償を求める訴えを旭川地裁に起こした。
 訴えによると、女性二人は二○○五年三月から○六年十月にかけて、勤務中や宴会の席で、前組合長や課長から執拗(しつよう)にみだらな言葉を言われたり、体を触られたりした。抵抗すると課長から「何だ、この野郎」などと暴言を吐かれたこともあったという。 二人は他の幹部職員らに被害を訴えたが放置され、一人が耐えきれず、昨年末に退職した。
 二人の代理人の弁護士は「上司と部下という関係を悪用した屈辱的な行為。被害を訴えても取り合わなかった組織全体の責任も重い」と主張。同農協の常務理事は「訴状を確認しておらず、コメントは差し控えたい」とし、同農協の顧問弁護士で、前組合長と課長の代理人も務める予定の弁護士は「訴えの内容を精査していないので、話はできない」としている。
 前組合長は一身上の都合を理由に三月二十七日付で辞任。女性の一人は二月、強制わいせつ容疑で前組合長と課長を旭川中央署に告訴している。

〔資料2〕北海道新聞(2007年5月3日00:19)より
前課長は懲戒解雇 前組合長処分なし 当麻農協セクハラ問題
 【当麻】上川管内当麻町の当麻農協(組合員千三百二十六人)の前組合長らを相手取り、セクハラ(性的嫌がらせ)行為などで、職員と元職員の女性二人が損害賠償請求している問題で、同農協の川上敏明組合長は二日、記者会見した。「宴会の席などでセクハラ行為があった」と明確に認めた上で、提訴されている前課長(44)を懲戒解雇するなど職員らの処分を発表した。前組合長(60)については「すでに辞任している」として処分しなかった。
 同農協は三月下旬に理事らで構成する特別調査委を設置。同委が四月二十六日まで職員らを対象に聞き取り調査などを実施した。同二十七日に「セクハラ行為があった」とする調査報告を受けた理事会は、同日付で、前課長を懲戒解雇したほか、セクハラ行為にかかわった別の二人の課長を係長に降格、他の課長四人を監督責任を問い減給処分にした。理事と監事十三人も減俸処分とした。川上組合長は「体質に問題があった。役職員らの認識を高め再発防止に努めたい」とした上で「和解を目指したい」と話した。
(2007年5月4日記)

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