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三角点

 

 三角点について   寄稿者 : 岡本 明

 測量法では、「何人も、移転、き損その他の行為により、基本測量のため設置した測量標の効用を害してはならない」(同法第22条)と規定されている。山を歩いていると、山頂や見晴らしの良いピークに、四角の石が地面に埋められ、その脇に何等三角点建設省といった柱が立てられているのを見たことがあると思う。登山の愛好家には、百名山病、赤線マニアといった多くのこだわりをもった人達がいるが、その一つに三角点マニアというべき人達がいる。特に雑誌の「新ハイキング」の記事は、この三角点にこだわった傾向がある。また、名登山家として知られている今西教授も、全国の山に登る際の規準は、主にこの一等三角点の有無であったといわれている。

 三角点については、「一等三角点のすべて−都道府県別図−多摩雪雄編(新ハイキング社)」に詳しく出ています。

以下はその引用である。

 一等三角点とは、地図を作製するに際し、現在の航空測量が一般に行われる以前から使用され、現在も引続いて利用されている測量規準の一種である三角測量(三角点の一辺と二角の角度を知ることにより、他の二辺の距離を計算で求める方法)である。(一部略)我国の国土地理院発行の一般地図(2万5千分の1、5万分の1、20万分の1など)に△(この中央に・)や・の記号で表記されているのが三角点であって、一等から四等迄の4種類があり、重要さや基本的性質から区別されている。測量のあらすじを示すと、全国を単一の規準から測量すると末端での誤差が大きくなるので、14の基線を設置して各基線から三角網を拡大してゆき、隣接する境界で誤差の少ないように配慮した。また一等三角点測量を行うに際し、最初は本点(約45キロ間隔)測量を実施して大体の間隔を定め、次いで一等の補点(本点を含めて約25キロ間隔)の測量をして一等三角点網を完成させ、次に一等三角点を含めて約8キロ間隔に二等三角点を設定し、以下二等三角点を含めて約4キロ間隔に三角点網を設け、更に以上を含めて約2キロ間隔に独標(現在の2万5千分の一図の四等三角点に、ほぼ対応する)を設けて、各基点から地図を20メートルの等高線に描写して地図を完成したのであった。

 この一等三角点以下四等までの三角点は、地殻変動その他を知る重要な地点であるので、一等は18センチ角、二等と三等は15センチ角、四等は12センチ角の御影石(花崗岩)若しくは硬質の岩石の標石を、その地点に埋設してあり、上面の中央に+が刻まれてあって、その中心が三角点の位置であり、高さである。

従って三角点には、以下の種類がある。

  基点

  一等三角点本点

  一等三角点補点

  二等三角点

  三等三角点

  四等三角点

 

全国の三角点数

  一等:969   二等:5,056   三等:32,770   四等:52,032

 一等三角点の本点に立てば、周囲45キロ四方の展望を楽しむことができるはずである。しかし、実際に登ってみると、木に邪魔されて、期待がうらぎられることも多い。また、本来測量といった作業の為のものであるため、あまりに険しかったり、高い山にも一等三角点は置かれていない。たとえば富士山は二等で、剣岳には三角点は無い。私個人の意見としては、三角点は山中に存在する貴重な文化遺産ではあるが、動植物や地質、地形といった自然の事項とは区別して考えるべきで、登る山の重要性とは本来全く関係の無いことに留意するべきと思う。(その割には、登った一等三角点の山をカウントしている。)

 

三角点の見分け方

1.現場で、標識の側面に書いてある文字を読みとる。

 これが一番簡単であるが、実際には、風雨に晒されたり、損傷を受けて三角点の等級が読め無いことが多い。脇に立っている白く塗られた杭にも、三角点の等級が書かれているが、等級の数字だけが消えていることが多い。また、いたずらで、漢数字の一部を消したり、足したりするものがいる。

2.標識の径を計る。

 一等は18センチ角、二等と三等は15センチ角、四等は12センチ角なので、二等と三等の区別ができず、実際には、この二つのどちらかを鑑別しなければならないことが多い。

3.ガイドブックあるいは雑誌の山行記録を参考にする。

 雑誌「山と渓谷」など、結構間違った記載が多い。ただし、新ハイキングの記載は、参考になることが多い。

4.各種地形図を用いる方法

 この方法が一般的であるが、何枚もの地図を買うため、お金がかかる。

以下はその方法である。各種の地形図に現される三角点は、それぞれ等級によって区別されている。

 地 形 図 区 分 

一等

ニ等

三等

四等

 50万分の1地方図

なし

なし

なし

なし

 20万分の1地勢図

あり

あり

なし

なし

  5万分の1地形図

あり

あり

あり

なし

2.5万分の1地形図

あり

あり

あり

あり

                ○ 50万分ノ一地方図……三角点の表記無し(昔はあったとも。)

                ○ 20万分ノ一地勢図……一等三角点と二等三角点が表記

                ○ 5万分ノ一地形図………一等、二等、三等三角点が表記

                ○ 2.5万分ノ一地形図…一等、二等、三等、四等三角点が表記

                       ○ 一等三角点のリスト…「一等三角点のすべて」(新ハイキング社)に全国の一等三角点のリストが載ってい
                                       る。
                                       絶版であったが現在再版が出ているので、山に興味のある人は是非入手のこと。

 建設省国土地理院の本「全国20万分の1地勢図・自然地名集(注)」に 一等三角点本点、補点、三角点(二等)の区別有り。全国の山に興味のある人は、少し高いが、この本を手に入れよう。

※注 本は絶版となりFDで発売

   発行 財団法人日本地図センター 7500円

 従って、知りたい三角点について20万、5万、2.5万の3種の地図を揃えて、はじめに一等三角点であるかを確認し、順に三角点の表記の有無を確かめていけば、三角点の等級が判ることになる。

 地図を見比べることにより、あらかじめ知ることができるこの方法は、手間とお金はかかるが、その地図に記入もれがなければ任意の三角点の等級を調べることができる。

5.日本の山岳標高一覧−1003山−(建設省国土地理院:1500円)を参照

 山頂部に三角点がある場合にはその等級、もしくは標高点か測定値、が記載されているので、山頂部の標高に関しては、この資料が役にたつこと。たとえば妙高山の山頂部の一等三角点(2445.9m)は、火打山方向に少し下がった所の広場にある、現在では山頂部にころがっている岩の上の測定値(2454m)が標高となっている。ただしこの本には、一等三角点の本点と補点の区別は記載されていないので、これについては全国20万分の一の本か、一等三角点のすべて(新ハイキング社)を参照する必要がある。

6.点の記・測量成果表の入手、閲覧

 この方法が最も確実。これまでは建設省国土地理院で閲覧するか、有料で資料請求するしかなく。三角点マニアくらいにしか一般的ではなかった。

 「点の記」とは、三角点の戸籍のようなもので、その三角点が、何日・何処で・誰によって設置されたか、其処まで到達するには、どのような経路を、どのような方法で辿ったか。或いは叉、標石の種類や測量に必要な事項が記録されていて、等級区別も記されている。「成果表」は、隣接の三角点との測量した角度が記録されている。

 しかし、現在、建設省の基準点閲覧サービスによって、インターネットを通じて、自由に閲覧できるようになった。

 国土地理院 三角点資料検索

 ただし、50万分の1地図ごとにまとめてあり、山名と三角点名が異なるため、目的の三角点にたどりつくには、標高で探すしかないので少々やっかい。

 入手先する場合

 

        建設省国土地理院企画部情報管理課生産管理係

 

        〒305-0811 茨城県つくば市北郷1番  

        TEL 0298-64-1111 (内線 3351 )  

 申込書をまず入手すること。地図の販売は次のとおり。

 

        (財)日本地図センター  

        〒153-8522 東京都目黒区青葉台4−9−6  

        TEL 03-3485-5414  FAX 03-3465-7591

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