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剣道の試合ルールについて
(その1)

 「剣道とは、剣の理法の修錬による人間形成の道である」と言われるように、精神的な鍛錬を目的としている武道です。

  試合は単なる競技ではなく、日頃の稽古で体得した技を十分に発揮し、今後の稽古の課題を確認するために行うものですから、正々堂々と勝負することが求められます。

 また、自分の技を磨き、精神を鍛錬することができるのは、相手があってこそ可能なことなので、相手に感謝し、相手を敬い、礼節を大切にします。
 ですから、ポイントを取ったからといって、ガッツポーズをするなんてことは、もってのほかで、万一試合でそのような行為を行うと、ポイントを取り消されるほど礼節に関しては厳しい武道なのです。

 では、剣道の試合のルールについて簡単に説明します。

【ポイントについて】
 剣道のポイントは、『有効打突(ゆうこうだとつ)』と言います。
 有効打突(いわゆる『一本』となる打突)には、以下の条件を全て満たす必要があります。
 1 「
充実した気勢」
 2 「
適正な姿勢」
 3 「竹刀(しない)の打突部(だとつぶ)で打突」
 4 「打突部位(だとつぶい)を打突」
 5 「
刃筋(はすじ)正しく打突」
 6 「残心(ざんしん)あるもの」

 と言われても、さっぱりわかりませんよね。

 「充実した気勢」とは、気合のことで、打ち込んだ場所を充分な気合とともに発声することです。「小手(こて)」「面(めん)」「胴(どう)」「突き(つき)」といった発声を打突と同時に行います。(後述する「打突部位(だとつぶい)」参照)

 「適正な姿勢」とは、文字どおり正しい姿勢のことで、有効打突の条件を満たしていても、姿勢が崩れた打突では一本と認められません。

 「竹刀(しない)の打突部(だとつぶ)」とは、「物打(ものうち)」と呼ばれる箇所を中心とした刃部(じんぶ)で、下図のとおりです。

物打図

 刃部とは、「弦(つる)」と呼ばれる糸(図の紫の線)の反対側のことで、竹刀を刀と考えた場合の刃のついている側ということになります。

「打突部位(だとつぶい)」とは、打つ場所のことで、大きく分けて「小手(こて)」、「面(めん」、「胴(どう)」、「突き(つき)」の4つがあります。
 「小手(こて)」は「右小手(みぎこて)」と「左小手(ひだりこて)」の2つ、「面(めん)」には「正面(しょうめん)」、「右面(みぎめん)」、「左面(ひだりめん)」の3つ、「胴(どう)」には「右胴(みぎどう)」と「左胴(ひだりどう)」の2つがあります。(下図参照)  

打突部位   

         【中段の構え】          【上段の構え】

 なお、「突き(つき)」は高校生以上でないと認められていません。
また、「左小手(ひだりこて)」は、大きく振りかぶって構える「上段の構え(じょうだんのかまえ)」などの時に有効と認められる「打突部位(だとつぶい)」です。

 「刃筋(はすじ)正しく打突」とは、竹刀(しない)を振る方向と、「物打(ものうち)」の「刃部(じんぶ)」の方向が一致している打突のことです。刀で切る場合 、刃の方向に合わせて刀を振らないと切ることはできません。剣道の竹刀でも、「弦(つる)」の反対側を刃のついている「刃部」と想定し、竹刀を振る方向と「刃部」の方向が合っていないと「有効打突(ゆうこうだとつ」とは認められないのです。(前述した「竹刀の打突部」参照)

 最後に「残心(ざんしん)」とは、打突(だとつ)後も油断することなく相手の反撃に対応できるように身構え、気構えを示すことです。打突後も打ちっぱなしになるのではなく、きちんと最後まで気を抜かず相手に正対して構えないと「有効打突」にはなりません。

 

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