ドキドキ プリティリーグ〜熱血乙女青春記
                     評価=そこそこ遊べます。


 い、いきなりギャルゲーっすか(^^;)、という人もおろうが、野球ゲーム・フリークとしては
この手の野球SLGはやらないわけにはいかないのだ(ホントかよ(^^;))。

 ご推察の通り、基本的にはギャル・ゲーであります。設定としては、新米教師として
女子高に赴任し、そこの女子野球部(!)の監督を引き受け、最終的には全国大会優勝
を目指す、というものです。もちろん、部員とのラブラブ(死語)イベントもあったりします。

 でまあ、やってることは通常の監督SLGと同じです。
要するに、
1.部員に練習させる(個人指導あり)
2.試合を行なう
の繰り返しですね。この間に、町に出歩いて部員と接触したり、休日に部員を引っ張り出
して特訓したりするわけだ。最後には、プレイヤーの母親(!)率いる女子野球最強チー
ムを破るのが目的ね。
 あくまでプレイヤーは監督で、アクション要素はありません

 純粋に野球SLGとして見ちゃうと、やっぱり苦しいですね。試合なんかでそれを如実に
感じるんだけども、ルールの解釈がめちゃくちゃなのね。
 わかりやすいのは振り逃げ。このゲーム、ピッチャーばかり鍛えて、キャッチャーの守
備練習を怠ると、キャッチャーがピッチャーのボールを全然捕れないのだ。双方のレ
ベルが同じくらいでないと、投球をすべて捕逸してしまう。すると振り逃げになのだが、
これが出来たり出来なかったり。

 あとね、必勝法があるの。この方法は、このゲームに限らず、あまり煮詰めていない
野球ゲームに共通に見られる現象なんだけど、それはバント走力
 最初のうちは、とにかく走力を鍛えて、選球眼とバントのレベルを上げる練習もする。
一定以上に到達すれば、コンとバントを転がせば絶対に内野安打。出塁したら盗塁し放
題なのだ。これを繰り返せば、まず楽勝である。

 投手は投球練習オンリーで良い。投手レベルがMAX近くなった場合と、野手の走力が
上がったら、打撃練習に入ろう。根性を鍛えると、試合中に疲労度を減少出来る気合
覚える。さらに、秘打(^^;)や魔球(^^;)を覚えることもある、秘打を使えば、まず間違いなく
出塁できるし、魔球ならほぼ確実に打者は打てない(無論、例外はあるよ。こっちのレベ
ルより高い対戦相手が、同じように秘打や魔球を使うとかね)。

 もうひとつ、守備のカギは投球力。肩が強くないと、せっかく捕球しても足の速い走者
は刺せないのだ。これはけっこう痛いことが多いので、鍛えた方が良い。

 というようなことを守れば、まあ負けないでしょう。これはシリーズ2作目だそうで、1作
目に比べればだいぶ野球SLGとして難しくなっているのだそうだが、それでもこのレベル
なんですね。ギャルゲーなんだろうし、これくらいでいいんでしょうね。
 秘打だの魔球だのがあるという時点で、既にリアリティは捨ててかかっているのだから
それはそれで良いと思う。

 野球ゲームではないが、これと同じコンセプトのゲームで「プリズムコート」というPSソ
フトがある。シチュエーションはこのゲームとほとんど同じで、題材がバレーボールになっ
ている。で、これが実によく出来た面白いソフトなのだ。
 これもギャルゲーではあるのだが、バレーボールを非常にうまくSLG化しているのだ。
選手たちのレベルが上がるにつれ、試合での選手の動きがちゃんと変わってくるので
ある。
 さらに、選手間の仲の良さが上がると連携プレーがうまく行くようになるなど、とても細
やかな心遣いを感じた。

 ギャルゲーとしても、シナリオが王道通りながら丁寧に作られていて、うまく感情移入
出来るようになっているし、各キャラに対しての製作側の愛情が感じられる作りだ。

 ドキドキプリティリーグでは、それらがすべて中途半端になってしまっている。野球SLG
としても寸足らずであるし、ギャルゲーとしても、突っ込みが足りず親近感があまり湧か
ない。
 プリズムコートは選手6名に対し、こっちはレギュラー9名に加え補欠4名で、計13名も
の部員がいるので、散漫になるのは仕方がないと思う。補欠がゼロは寂しいが、これだ
けの人数をそれぞれドラマに仕上げるのは無理があるのではないか。
 翻って、そもそもこの手のゲームで、選手数の多い野球を題材にするのは誤りではな
かったろうか。



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