高校野球道EX         評価= 楽しいけど・・・


 パソコンゲーム史上、最高の高校野球ゲームと呼んで過言でない「高校野球道」の
続編。前作とのインターバルがかなり短く、新作というよりはバージョンアップといった
方が正確であろう。

 前作で不満(というほどではないが)だった、人間的な絡み、つまり部員のイベント
大幅に増えており、練習−試合の繰り返しでしかなかった前作を凌いでいる。
また、ユーザーが作るメイキング選手で、突拍子もないスーパー選手が出来にくくなって
いる点も評価出来よう(残念な人もいるでしょうが)。

 さらに、前作ユーザーからの要望が多かったろうと思われる、試合の高速化が実現
されている。これは、他のゲームで見られるように、いったん高速化してしまうと、ユーザ
ーの介入が不可になることもなく、任意に出来るのは素晴らしいと言えるだろう。
 他にも、選手の簡易情報がいつでも見られるなど、細かい配慮が見られるのは美点
である。

 それでも、前作より評価が辛いのはなぜか。
はっきり言うと、「なぜEXなのか?」という点がはっきり見えないからだ。
このEX、正直言って「新作」とはとても呼べない。あくまでバージョンアップに過ぎない。
だから、前作を買っていないユーザーには、問題なくお勧めするが、前作を買っている
ユーザーに自信を持って勧められるかと言えば、強調は出来ないつらさがある。
 なぜか? 基本的には前作と変わらないからだ。

 しかし、EXに加えられた修正点や新規追加の項目は、ユーザーの要望を入れたもの
ではないのか? その通りである。だがしかし、それを新たに新作として売り出すのは
いかがなものだろうか? コーエーが、「信長の野望」シリーズや「三国志」シリーズで
やっているように、パワーアップキット(以下PUK)として出すことは不可能だったのだ
ろうか?

 コーエーのPUKシステムとは、メインのソフトを出した半年後くらいに、練り直したシス
テムや新たなシナリオを、別途売り出す(5,000円ほど)ものである。今回のEXに関し
ては、このPUKで十分対応できたのではないだろうか?

 データに互換はあるとはいえ、前作を買ってくれたユーザーに対し、また新たに10,800
円払えと言っているのと同じではないだろうか?

 とまあ、厳しいことは言ったが、それだけこのシリーズには大きな期待をしているのだと
理解して欲しい。実際のところ、筆者もEXにはまっていて、だからこそ「新米監督奮戦記
EX」の連載を始めたわけだしね。



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