エポック社の野球盤


 ひと昔前の男の子なら誰でもやった、あの懐かしい野球盤。みなさん、それぞれ思
い入れがあると思います。
 スコアをつけたり、記録を調べたりするのが当時から好きだった私は、きれいな数字
のスコアボードを自在にできるというだけでうれしかったですね。

 私が遊んだのは案外年長になってからで、中学生だったかなあ。高かったから、中々
買ってもらえなかったんですね。弟が買ってもらったを一緒に、あるいは借りて遊んで
ました。考えてみれば、あれが野球SLGの元祖かも知れませんね。

 あれのウリは、例のえる魔球。でも、当時からリアル志向(^^;)だった私は、あれが
納得できず、使用禁止にしてたこともあったなあ。何せボールが消えちゃうんだから打ち
ようがないもの。
 でも、やったことのある人ならおわかりでしょうが、消える魔球を打つ方法ってあるん
ですよね。タマが穴に落ちる前に、うまくバットを出して引っかけるように打つと打てるん
です。ごく希に、タマがバットと穴の縁に引っ掛かって止まってしまうことがあったりしてね。

 打法に気づいてからは消える魔球あり、にしましたけど、それでも打者が見送ったら
ボールということにしました。フォークボールみたいな、落ちるタマ扱いにしたわけ。

 野球盤て、基本的に平面的なゲームで、打球が入ったエリアで、二塁打だとかアウト
だとかを判定するのだけれど、ホームランてセンターの一番深い場所だったですよね。
だからなかなか出ないかな、と思ってたし、事実、そのエリアに飛び込むのは少なかった
のだけども、ホームラン自体はけっこう出ましたね。

 なぜかと言うと、打球が舞い上がってスタンドインしたり場外に出ることが、まま
あったからなのだ。これを言うと、未経験者は信じてくれないんだけど、あれって、
打ち方によってライナーやフライも打てたんですよ。それがリアルっぽくて好きだった
ですわ。

 それとピッチャーの速球の投げ方って知ってます? これも、誰に教わるでもなく
自然に覚えたことなんだけど、投球って、取っ手を引いて(バネを引いて)、それを放す
ことによってスプリングの力で行なうんですよね。取っ手を引く距離が決まってるから、
あまり速いタマって投げられなかった。
 ちなみに、変化球は投球コースの下にセットされてた磁石によって曲げていた。

 だけど、取っ手を引いてから、自然に放すのではなく、指で弾くようにして取っ手を押し
込むと、バネの力ではなく指の力でタマが飛んでいくものだから、それはそれは
とんでもなく速いタマが投げられたのです。あまり強く投げると、タマが宙に浮いたりし
てね(^^;)。

 これが打てないんですよ(^^;)。本当に速いもんだから、もうタイミングで打つしかない
の。うまくタイミングが合えば、打てないこともないんだけどね。そこにね、普通に投げ
るよりも遅くタマを投げたりすると、もうタイミングがずれてまくり(^^;)。

 こんな感じで、豪速球にチェンジアップ、それに普通の変化球を交えて投げるのが、
何とも言えず楽しかった。
 時には、豪速球を禁じ手にして、普通の直球と変化球、魔球だけしか使えない、なん
てルールでやったり。これも面白かったです。投球術に興味を持ち出したのは、これが
きっかけでしたね。

 デジタル系のゲームに飽きると、今でもたまにやりたくなることがあります。
余談ですが、エポック社って野球盤開発・発売のために設立されたってご存知でし
たか?


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