『ひとくち感想』
(その3)




 いよいよ季節は夏であります。
 夏と言ったらやっぱり海。
 海と言ったらうんこ映画は外せません。

 豪腕の住む埼玉には海は無いけど少女を吸い込む恐怖のプールが近所にあったりして大変ですが、それでも夏はやっぱり海なんです。
 海に行けばみ〜んな開放的になるもんですよ。
 もう肌は出すわ乳は出すわうんこ映画はチャックを出すわ日本全国お祭り状態なんですよこれが。

 そういうわけで、今回のテーマはこれです。






海 う ん こ 。






 波音に身を任せつつ、迫り来るうんこ映画のビッグウェーブを体で感じていただきたい。
 一発目はこいつで決めましょう。






殺人魚フライングキラー









ジェームズ・キャメロン
監督作品(本当)。




あの『タイタニック』の。

あの『ターミネーター2』の。

あの『エイリアン2』のキャメロンです。



パチモンではありません。





 あまりに偉大な才能が撮っていたあまりなうんこ。
 キャメロン史上最大の黒歴史である事は間違いがありません。

 この作品がキャメロンにとってどういう位置付けなのか、wikiからちょっと転載してみましょう。



ジェームズ・キャメロンの初監督作品だが、

完璧主義でも知られるジェームズ本人は

忘れたい過去として嫌っている

と言われており、

インタビューでこの作品に触れる話題を出すと

激怒する

という逸話もある…。









触れてはいけない過去なんだ…。





 こと娯楽という観点で語れば、キャメロンの携わった作品群なら外れる事はそうそう無いと言っていいでしょう。
 そのキャメロンがこんなうんこを出しちゃった。
 人間誰しも完璧ではありません。
 この事実は、凡人に過ぎない私たちに一時の安堵を与えてくれます(言い過ぎ)。

 それではキャメロンの古傷をバールでコネクリ回してみましょうか。
 この作品、実は「続編」なんですね。
 1978年に公開されたジョー・ダンテ作品『ピラニア』の2作目であり、原題もちゃんと『PIRANHA II FLYING KILLERS』となっています。

 『ターミネーター2』といい『エイリアン2』といい。


 なぜかいつも2匹目のドジョウにすべてを賭けるキャメの字であります。


 前作『ピラニア』はチープなB級ホラーでしたが、当時まるで山谷のホームレスみたいに乱造されてた『ジョーズ』の亜流の中ではけっこうマシな方でしたよ。
 安い予算ながらも頑張ってました。
 続編が必要かどうかは非常に疑問ですけど、そうした下地があった中でのメガホンです。

 そして驚くべき事にこの映画。




名優ランス・ヘンリクセンが出演してます。







なんと勿体無い。





 『エイリアン2』のビショップ役であまりにも有名な彼ですが、こんな昔からキャメの字と付き合ってたのね。
 誰にとっても黒歴史であります。

 んでストーリーですが、中身はオセロより簡単。
 正気を疑う究極のバカ物語です。
 大体こんな感じかな。



軍部で開発された恐怖の生物兵器、

その名はフライングキラー!


その正体は恐るべき事に、


ピラニアとトビウオとイワシを掛け合わせた究極の生命体だったのだ!


この究極兵器を米軍はかつてベトナムに放流しようと画策していた。

忘れ去られていた狂気の生体化学兵器。

しかし奴らはついに蘇り、人類に反旗を翻した!


今度の奴らは空を飛ぶ!







・・・・・・・・。






すまん、俺には
どうにもできん。

                   / ̄ ̄ ̄ \
                /   :::::\:::/\  
               /    。<一>:::::<ー>。   
               |    .:::。゚~(__人__)~゚j  
               \、   ゜ ` ⌒´,;/゜
              /  ⌒ヽ゚  '"'"´(;゚ 。  
             / ,_ \ \/\ \
              と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.



 頭にブロッコリーでも生えてるんでしょうか。

 ピラニアとトビウオとイワシってお前。
 ていうかイワシはねーよ。
 イワシってのは魚へんに弱いと書きます。

 この、明らかにキチガイが薬やりながら思いついたようなアイデア。
 誰もおかしいと思わなかったんでしょうか。
 その上、出てくるフライングキラーの造形が凄い。






づぼらやの看板にしか
見えません。






これを弱くしたような感じです。





 おそらく携帯電話の画面で見てもハリボテと分かる素晴らしさ。
 怖い映画が苦手な人でも大丈夫という親切設計です。
 これが怖けりゃ一生フグは食えません。

 そしてこのハリボテのエピソードも飛ばしています。
 締め切りまでにたった1個しか完成しなかったんで、キャメの字本人とランス・ヘンリクセンが泣きながら徹夜で作ったそうですよ。


 キャメロンが夜なべして「づぼらや」作ってくれた。


 微笑ましいというレベルを通り越しています。


 今までこの作品に対し、うんこ以外の事を1つも書いてない気がします。
 この私が負けそうです。
 飛んでるシーンなんかワイヤー見えそうで、あたかも山口土産のフグちょうちんみたいです。

 この、低予算過ぎて特撮が追いついてない状況こそ、うんこ映画好きにはたまらん展開ですね。
 イワシの群れの実写とかが出てくるんですよ。
 死んだ婆さんに何と報告すればいいんでしょう。

 内容もまたB級うんこですよ。




無駄に出てくるおっぱい女優とか。






残念ながらケイト・ウィンスレットではありません。






全部知らない姉ちゃんです。






ディカプリオなら
叩き落とすレベルです。







 その上アクションシーンは失笑なのに死体の造形やたら凝ってるとかね。
 大変グロ気持ち悪くて良いですね。
 動かぬ死体に力を入れてどーするんでしょうね。
 動く魚はハリボテのくせに。

 こうした素敵なサプライズが続くこの映画、うんこ映画入門編としては最適の作品だと思います。
 これを楽しく観られれば、あなたも立派なB級うんこ映画フリークと言えるでしょう(嬉しくねぇよ)。

 まあ何にせよキャメロンですから。

 映画界の巨匠ジェームズ・キャメの字による恥ずかしい黒歴史を、あなたもぜひご堪能ください。
 小便漏らした事を一生言われるようなもんですね。



 それでは次行きましょう。
 ひとくち感想の時はなぜか必ずサメの映画が入ってるという私の嗜好が異常な件。
 いいんです。
 海と言ったらやっぱサメですよサメ。






『ディープ・ブルー』






 古くは傑作『ジョーズ』の昔から、海洋生物パニックものの王者として君臨し続ける巨大サメ。
 デカくて怖くて分かりやすいのがその理由でしょう。
 巨大生物の怖さはその大きさだけではなく、デカいくせに忍び寄る恐怖というのが不可欠だと思うのですよ。


 その点海はマジ半端ねぇ。


 暗い森、何かの影、夜の闇。
 ただ「海」ってだけですべて叶えてしまうんです。

 そして主役のサメがまた。
 巨大生物ってのは怖くなくちゃ駄目なんです。
 わけの分からん怖さがなきゃいけません。


 大きな猫じゃ怖くないでしょ?


 お前に言ってるんだ。
 ともかくサメは魚であり、魚の中でも原始的であり、バンバン泳いで食うしか無いんですよ。
 絶対にペットにはできません。
 そういう根源的な我々との違い、異質な恐怖がサメにはあると思います。

 そんな海とサメとがタッグを組めば、誰でも簡単にパニック映画の1本も撮れちゃいます。
 だからこんなにうんこが多いんです。
 素晴らしい絵画をいくら模写した所で、所詮それは模写なんですよね。

 そこで今回のこの『ディープ・ブルー』。



 新時代のサメ映画です。



 凡百のジョーズもどきから、多少なりとも脱却できたその理由は?
 もちろんCGの進化です。
 かつてハリボテが行っていたアクションの領域を、今ではコンピュータ技術が支えているのです。
 そしてそれは大成功だと思います。
 少なくともこの『ディープ・ブルー』、80年代だったら実現不可能でした。
 今は素晴らしい時代になりましたね。




 ぶっちゃけ大したCGじゃないですが。





その上レニー・ハーリンですから。




なんかチャックに似てね?






派手が通れば
道理引っ込む。





 製作に迷った時にはとりあえず火薬を仕掛けて吹き飛ばすという素敵な監督さんです。
 ある意味、最もハリウッド的な監督かも知れません(ヤン・デ・ボンもね)。
 世の中には、アクション映画以外撮っちゃいけないような監督もいます。
 バイオレンスしか撮れないバーホーベンと一緒です。

 そのハーリンが撮ったサメ映画ですからね。
 アクションシーンの凄さが命です。
 ともかくCGによって描き出された巨大サメが泳ぎまくってバクバクバクバク食いまくる。

 これ以外、一体何が必要ですか?




 それはマトモな脚本だ。



 この映画を観た方の感想って、まったく2つに割れるんですよ。
 「面白かった」「駄目だった」とね。
 前者は主に特撮の話、後者は主に脚本の話です。

 ではなぜ脚本が駄目なのか、謎のあらすじダイジェストでお送りしましょう。






太平洋上に建設された海洋研究所。


そこではボケ治療の為にサメの脳の
研究
が行われていた。


功を焦った女性責任者は、禁じ手である遺伝子操作に着手。

結果、サメたちは高度な知能を獲得した。

今、奴らが人間たちに牙を剥き始める…!




                    ____
                  / .u   \
                  ((○)) ((○))
          /⌒)⌒)⌒. ::::  (__人__) l_j :::\    /⌒)⌒)⌒)
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          | :::::::::::(⌒) U .| |  |    /   ゝ  :::::::::::/
          |     ノ    | |  |    \  /  )  /
          ヽ    /    └ー.┘    ヽ /    /



こりゃあ駄目だ…。





 ボケにはサメ。

 お前の頭がボケているんだろうと思わずにはいられません。

 一気にうんこ映画の風格が増してきました。
 この阿呆らしい無理やりさがあればこそ、娯楽映画のさらに上の楽しみ方が見えて来るのです。

 さあ、オツムのよろしいサメちゃんたちの大活躍ですよ。
 頭が良すぎてバックで泳いだりしますよ。
 中くらいの大きさの2匹とバカでかい1匹、都合3匹のサメが閉鎖環境で大暴れです。

 この閉鎖環境ってのが良いのですよ。
 海の怖さ、サメの怖さに加えて、さらにもう1枚のこの環境。
 その上迫り来る大型台風まで律儀にご用意しております。

 サメまで死ぬんじゃね? クラスの畳みかけ。
 レニー・ハーリンの真骨頂がこの辺でしょう。



 はっきり言います。
 私、この作品マジに無茶くちゃ好きなんですよね。
 もちろん映画の設定は平成ゴジラが逃げ出すくらいに無茶くちゃなんですけど、そういう無理やりさのおかげで開き直って観られるのですよ。
 特に舞台設定がよろしい。


 昔から、海洋生物パニックは陸にさえ上がれば勝ちなんですよ(フライングキラーを除く)。
 しかしこの作品は違います。


 陸そのものが崩壊の危機なんです。


 ぐずぐずしていると研究所は崩壊し、何万トンもの瓦礫に押し潰されてしまう。
 しかし周囲には遺伝子操作によって生み出された海の怪物。
 一人、また一人と食い殺されて行く仲間たち。
 追い詰められ、退路を断たれ。
 人間とサメの知恵くらべ、そして意外な生き残り。

 このタイムリミット感が良いのです。

 そしてまた、誰が生き残るのかという要素があります。
 これ言っちゃうとネタバレもいいとこなんで書きませんが、意外な人間が食われ意外な人間が生き残ります。
 そういう視点でもお楽しみいただきたく存じます。





だから映画としては「うんこ」ではありません。






むしろ娯楽大作と呼べるでしょう。






設定うんこだけど。


                     /´ ̄ ̄ ̄  ̄ ヽ
                    /           \
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─|`ー=====一 | ::::::|_|;;、:::.__y-ニニ'ー-ァ ゚‐─'───┴────── ‐
::::::`ー―――‐一´ ̄~   ̄       ̄

細かい事気にすんな。





 ともかくスリルスピードサスペンスが観たい、サメの大暴れが観たいというあなたに捧げます。


 ボケ防止にも最適です。






 それではいよいよ最後。
 ピラニア、サメと来たらもうこれしかありません。
 海の三大・人喰い生物です。
 さて、それは何でしょう?
 ぜひ予想してみてください。



 よろしいですか?

 これです。







『マンタ』













なんやこれ。




 はい、全員はずれ(当たるか!)。

 海にはまだまだ我々の知らない謎に満ちています。
 さすがの私も腰を抜かすかと思いました。
 マンタというのはいわゆるエイです。

 誰がエイを使おうなんて考えるでしょうか。



 まともにレビュー書く前に、正直に告白しましょう。
 私はたいていの方よりB級映画に耐性があると思っています。
 しかしこれは駄目でした。






こんなクソ映画
初めてです。






 少なくとも、今まで数限りなく観てきたうんこ映画の中では確実に3本の指に入ります。
 それほど酷い作品です。
 B級的なツッコミを入れる以前にそのつまらなさに怒りさえ覚えました。

 まあ、上のパッケージを見ただけで壮絶な映画というのは分かっていただけると思います。
 しかしそれだけではありません。
 上記リンクの【解説】から引用してみましょう。



 劇場公開はおろかビデオにもならずNHK衛星で深夜にひっそりと放映。

 脚本・演出を始め、SFX、美術、録音まで全てが救いがたいほどに稚拙。

 この短い上映時間を退屈させるとはただものではない。







解説でこれです。



                  _ノヽ,
                _,,-‐"   ヽ,
                 γ´  ─   ─`ヽ
              ゝ   (●)  (●) ノ
            γ´    (__人__)   `ヽ  うんこだお…
      (((((((  ゝ、     `⌒´    ノ
               ~~~~~~~~~~~~~~~~~





 これくらいのレベルになると、興味本位で観てしまった方の未来が心配になります。
 別に誇張してるんじゃありません。
 すぐにその理由が分かるでしょう。

 まずはストーリーから行きますか。




『 ア ビ ス 』





以上。

(いやマジに)




 100%パクリな上に劣化っぷりが急降下です。
 別の意味でのジェットコースター・ムービーですね。

 いや一応オフィシャルの紹介記事もあるんですけど、詐欺どころの話ではありません。
 以下を読んで買った人は訴訟を起こすレベルです。
 転載してみましょうか。




超深海10,000フィート、巨大獣出現!



海底基地で、海洋生物に知性を持たせようとする実験が
行われていた。


順調な成果をみせる科学者たちだったが、
突如海底で大地震が発生。


捕らわれていた実験生物が外に放たれてしまう。


さらに研究施設が崩壊。


残り少ない酸素と海上への脱出を模索する彼等に、



重力の影響で巨大化したDNAモンスターが襲いかかった・・・。









全部嘘です。





 よくもここまで嘘八百が書けたなと感心する文章ですわもう。

 だって困りますよね。
 これだけ読むと面白そうなんだもの。
 少なくとも、B級うんこ好きなら引っ掛かりそうですよね。

 しかし恐ろしい事にこの映画。


 パッケージの怪物は登場しないんです。


 マジですよ。
 スキューバ行ってこんなの見たら失禁確実なマンタの怪物が、ただの1度も登場せずに終わります。

 それだけではなく。





そもそもマンタが
1匹も出ません。







あまつさえ
魚すら出ません。









なんと!!





 なんで舞台を海にしたのか理解に苦しみます。

 それでいてタイトルが『マンタ』。
 一体どのツラ下げてこんなタイトルにしたのでしょう。
 原題は『LORDS OF THE DEEP』だそうですが、これのどこにマンタ的要素があるのでしょうか。
 海はまことに不思議です。

 海底基地は出ますけども。
 海洋生物に知性を持たせようとする実験などただの一言も出てきません。
 よって順調な成果も何もありません。

 地震も確かに起きますけども。

 そもそもモンスターが襲いかかりません。

 なんか東京コミックショーの手袋ヘビに帆でも張ったような白い色の珍妙な生物が出てきただけです。
 しかもこの生物は善玉です。

 死にそうになったヒロインを助けたりします。

 酸素が切れて死にそうになったヒロインの顔にその手(?)を当てると、酸素っぽい何かが出てくるようです。
 設定からして無理があります。
 第一この映画に出てくる異生物はこいつだけです。
 これでパニック映画と言われた私の頭がパニックです。

 重力の影響で巨大化する意味が分かりません。

 しかも、この文章そのものが詐欺です。
 珍妙な生物が巨大化した事に対して重力どころか何の説明もありません。






素晴らしいクソです。






 上の方でさんざバカにしてる手前あんまり言いたくは無いのですが、ジェームズ・キャメロン監督の『アビス』に謝るべきでしょう。
 『アビス』はキャメの字製作の映画の中では若干評価が落ちますけど、制作費は約7000万ドルです。

 一方『マンタ』。

 制作費はたぶん『アビス』の1%以下でしょう。

 あの生物、CGでも何でもなくておそらく糸で吊ってるしね。
 知らない俳優しか出ないし。
 懐中電灯みたいな武器は明らかに花火だし、海底基地のセットは2DKくらいだし、潜水艦はプラモデルでヒロインは般若顔、そして肝心の異生物たちの海底都市はガメラに出てきた大魔獣ジャイガーの体内と同程度のチープさ。

 一体誰がこの悲しい世界を救うと言うのでしょう。

 脚本というか、ストーリーも気が狂ってます。
 基地の故障を直しに行った隊員が帰って来たら体がゼリーっぽくなっちゃったから水槽に入れて育ててみた。

 そしたら何だか白い珍妙な生物になった。


 でも地震が起きて逃げちゃった。



 それを追ったら実は異星人だった。


 …で、悪いのは全部基地の隊長さんだった。
 どことなくジェームズ・カーンに似ている隊長さん、実はすごい勢いの独裁者でした。

 「書類に名前を書かない」とかそういう理由で簡単に隊員たちをバンバン殺します。

 マジ助けてください。
 私、一言も嘘は申しておりません。



 この『マンタ』という名の排泄物が世に出たのは、1989年の事。
 あの夏は本当に凄かったですよ。
 上記『アビス』に加え『ザ・デプス』『リバイアサン』と、偶然にも海洋映画の大作が3つも重なり。
 さらに遅れて『新リバイアサン/リフト』なるスペイン製のリバイアサンとは全然関係のない作品まで上映、という極めて異常な年でした。

 そんな中。
 一体何を勘違いしたのか、この『マンタ』が作られてしまうのでした。

 私たちはこの悲しみを決して忘れてはいけません。

 リメンバー『マンタ』。
 嫁が借りてきてくれたんですけど、危うくバツ2になる所でした。

 ちなみに珍妙な生物ですが、こんな感じです。










いや本当に。






(参考)マンタ(オニイトマキエイ)





 ダイビングの人気者が似ても似つかぬ珍妙な生物に。
 この映画の最大の罪は、販売会社が少しでも多く売りつける(というかマイナスを最小限に抑える)ために適当なイメージだけで詐欺まがいのパッケージをデザインした点にあると深く思います。

 「まがい」ではなく素で詐欺です。

 つい最近、パッケージにでかでかと描かれたヌードの女性がただの1度も登場しないという凄い映画を観ましたけど、これはさらにその下を行く作品です。

 トム・クルーズが描いてあるのに出川哲朗が主演だったら詐欺でしょ?

 例えば、さらにこの作品は。



タイトルが『サメ』のくせして本編にサメが1匹も出ないような作品です。






「サメっぽい何か」
すら出ません。





 今までわたくし豪腕はりー、世界中のうんこ映画を観て参りました。
 その中でも特にひどい作品に対しさも興味を引くようなレビューを書いて、引っ掛かった皆さんを想像しながら仲間意識を共有してきました。

 だけど『マンタ』だけは無理だわ。だってみんなが気の毒なんだもの。

 そういうわけで皆さん。
 マンタを見たらキャッチ&リリースでお願いします。



 …などと駆け足で綴ってみました今回の「ひとくち」。
 もうすっかり気分は夏ですね。
 これでいつ海で食われても大丈夫です。

 ちなみに海の三大・人喰い生物とかいってピラニアは明らかに川ですけどね。
 このレビューは詐欺でした。
 しかしこれ以外はみんな本当なんですよう。

 そしてもちろん、皆さんからのタレコミも広く募集しております。
 すっごい濃いのを期待します。
 次回もまた、楽しいうんこで会いましょう。







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