フルトラ化総集編.
FIAT500.


 

  フルトランジスター化をしたい。

点火系を強化したい!!、と言うことでフルトラ化を考えてみました。(手抜き思考です。)

FIAT500はポイント式点火です、ポイントの開閉によるON・OFFでイグニッションへ電気(大電流)を流して火花を飛ばしてるわけです。
これがセミトラとなると、ポイントはスイッチ代わり(小電流/イグニッションへは別回路)でトランジスタのスイッチング特性を利用して、ポイントに大きい電流を流さずにイグニッションから火花を出させます。


ポイント式の場合、ポイントに電気を流す以上、ポイントの接点は焼けます(面が荒れる)・・・・ これを焼けないようにしたのがセミトラです。
(実際はポイント式でも火花が出ないようにコンデンサーが入ってますが・・・・)
ただ、ポイントを利用する限りヒールと呼ばれる部分が必ず削れて行きます。(序じょに点火時期が狂う)ならば、ポイントレスで火花が出せないかとなるわけですが、その方式がフルトラなんです。
センサー部を内蔵して信号(光や磁気)を拾い、アンプ部で拡大して代わりをします。

機械部分(接触する部分)が無いために消耗が少ないです。良いことずくめみたいですが、見えない=チェックしずらいと言う欠点も持ち合わせますから、故障時は判断しづらいと言う欠点も併せ持ちます。


磁力式・・・・・ 現在の普通乗用車のほとんどがこの方式を利用してます。

ローターが回転し、ピックアップセンターで磁気を拾い、イグナイター(アンプ)で信号を増幅しイグニッションへのON・OFFを行ってます。


では、作ってみましょう。
 


1号機編


● 試作1号機 加工しベースを作ってみました。
ディストリビュータの胴の部分はそのまま利用し、500のデスビ自体は元々が小さいからピックアップ部とアンプ部分を組み込めるようにMINI用のSUキャブのドーム部分を旋盤で加工してつなげてます。

センサーとアンプは三菱車(車種覚えてないです。/なんとかって言う乗用車用を流用)から外してきた分を利用する予定です。

組み上げると〜
上記、部品群を組み込んだ図

type1(試作1号機)

これだけ組み上げて電気を掛けて動作テストをしたのですが、、反応なし どうやら接続ミスでパンクさせてしまったようでして、別ユニットを組み込み開始、フルトラシステム2号機作製作業を開始しました。


※ FIAT500のローター回転の向きから考えると、上記 タイプ1のローター向きは逆です。(注意&反省〜)



2号機編


 注意点・加工
ピックアップコイルとイグナイターはスズキアルト(形式:CL11V又はCL21V)、ローターは三菱普通車(形式不明)です。
 
ローターの羽の部分は4気筒の場合、突起部(羽)は4枚ありますから2っを削り落とします、尚 点火角度は180度で対角線上に羽根1個づつと言うわけです。
デストリビュータシャフトのカムも削り落としローターが入るようにしなければいけません。
 
点火時期調整も必要なわけですから(最終的には)、シャフトとローターは当方の場合はかしめピンを使う予定ですが、エポキシ等で接着での強化も視野におく必要はあります。
これが試作二号機(Type2)です。

イグナイターは胴の部分を太くしたために楽に入ります。
プレートの枠のギリギリまで落としてピックアップとイグナイターを取り付けてみました。
ローターは前の分を利用することにしました。

手動での動作テストもOKで実際組み込んでみたのですが、胴回りを大きくしたためにエンジンのカバーと若干干渉するみたいです。
FタイプのシュラウドからRタイプに付け替えてみました、どうにかクリアランスが5mm確保出来たのですが、今度はカバー固定用突起が渉補します、固定用の突起を水平に近い分だけを残して削り落とし対応させました。



この後に新事実発覚!! 下の写真を見てもらうと分かるのですが、ピックアップとイグナイターを分離(ある程度離しても離しても)動作するようです。

当方、センサーとアンプは配線が近い方が良いと思いこみ、双方を一緒に組み込むように考えてきたのですが、ノイズ対策さえ出来れば離しても支障が無いようです。
つまり、無理してディストリビュータを真っ二つに削り、、旋盤加工し、、胴回りを広げなくても(大変でした)、センサー部さえ組み込むことが出来れば良いというわけです。(T_T)


これが目から鱗の・・・・・・(言いたくない!! え〜ん)

旧車会で見たN360に装備されていたフルトラシステム。
見て分かるようにディストリビューター内部にセンサー部だけを組み込み、イグナイター(アンプ)は離して配置しているようです。
緑の線が出てる所がデスビです。 キャブの真上にイグナイターが見えます。
 
どうのこうの言っててもしょうがないので、現行型(試作機)で対応〜合わせることになりました。
 

基本回路(基本配線図)
  1. イグナイター B端子をイグニッション +側へ 又、此処に12Vを繋ぎます。

  2. イグナイター C端子をイグニッション −側へ。

  3. イグナイター 本体(金属部)をアースに落とします。

※ イグニッションコイルのマイナス側をアースに落とさない。


結線はこんな感じです、注意点はイグニッションコイルのマイナス側をアースに落とさないことです。
センサーとイグナイターは結線済みですから、コイルの+,−にイグナイターからの線を繋ぎます。

配線はこれだけでセンサー部に(ローターの突起で)磁力線を感知するとイグニッションから放電するわけですね。
無接点回路って事になるわけだから、機械的消耗をしないって事になるわけでして、ポイント調整(ギャップ合わせとか)の手間から解放されるわけです。

フルトラ装着後にテスト走行と検証を重ねて3日目・・・・、最大規模の不具合が1つ・・・・


ローターが下がってくるんです。(徐々に/泣)

センサー部のローター固定に関してはカシメピン(3mm)で締め込んであるのですが、、、、 エンジンの振動の性でしょう徐々に下がります。
考えてみれば元々剥がしてきた車に取り付けてあった構造体を移植したわけですからカシメ強度に関しては弱い分けがない筈なのです。

それでも下がる。(ローターが)

恐るべし〜 500のエンジンの振動〜



ローター部の軽量化、固定方法の考慮(接着剤での固定は避けたい。)〜 が必要なのかな。

ポール盤を奥から引きずり出して3mmの穴を空けてタップを立ててネジ溝を作りました。

軸受けは出来上がってますからローターを溝に合わせて付けて6角レンチでネジを締め込んで、カシメピンを打ち込みました。

これと他に軽量化した分も作ってあるのですが、取り合えず従来型でデスビに組み込み開始です。
一定の圧力を加えても下がらないところをみると固定は完了ですか・・・・、後は火入れをして誤動作が発生するか否か?を確認する部分へ突入です。(タイミングライトの出番)

具合によって2個目のローターへ変更するのてすが、この金属片(ローター)とも付き合いが長いからこいつを使ってあげたいなって感じなのです。(具合は良いんです。)

銀色の蓋付きがフルトラ回路でして組み込んだは良いが隙間が5mmも無い状況〜 考えるによくまあ組み込めた物です。(中はがらんどうなんですがね。)

取り付け時にデスビを抜いて、フルトラ回路を組み込んだデスビと簡単に入れ替えれると思ってたのですが、、 スコーンって入らない・・・・ クランクケースにはめて配線を取り直すだけで3時間を消費し、タイミングライトを使い位置合わせ、テスト走行で近辺をぐるぐる廻り〜

それでも信用できない・・・・・・・・・・ (最終的には稼働する以前に耐久性っす。)

感じとしては低速時に前よりもたつきを感じますが(我慢できる範囲)高速時の伸びは以前からすると良いようです。(気持ち1.1倍増し〜)
気になる部分は無理してデスビ内部に組み込んだ電子回路部分(イグナイタ)が高温に晒される点でしてエンジンの再始動時に少しだけもたつきがあるのはその性ではないかと思います。(これも我慢できる範囲)

難しいですね〜

取り合えず2週間ほどデータを取り、外部イグナイタ方式に変更(RX7用)予定です。 、、、、、、が、、、、、、どうなることやら〜 
CDI編

ワコーから20年くらい前に発売されていたGT-1000FX(一般用)ってのを入手〜してた。(部品棚に転がってました。)

赤ボディのCDIユニットである。

通電して見ると発信音がする、、、、、 この手のCDIっーのは内部に発信回路を持ってるので発信音がすることが多いです。
試してみると確かに動いてます。(2000円だったっけ・・・・旧車会で)、やはりここはフルトラと進んだらCDIかと思うのです。(こてこて)





セミトラだと、UTI6000S(永井電子 ¥9,800円)でほとんどデスビを無改造で取り付けられるのと、故障時にポイント点火にすぐに戻せる面があり・・ お勧めの1品です。

※ ただ、数百キロに一回、ポイント式にもどして接点部の埃を飛ばす(焼く)必要はありますから注意です。

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