++えばぁの屁理屈将棋++

2006年3月の日記

2006年3月15日(水)
C2順位戦。
C1、B2順位戦。
2006年3月3日(金)
17:00-18:00
12:15-13:00
C2順位戦。
<C2>

 昇級者が決まらず、2敗組からも昇級者が出る展開。
 8−1の安用寺、村山がトップを並走。7−2で阿久津、橋本、伊奈、佐藤和が追う展開で、全員勝てば阿久津までが昇級である。しかし1敗組は2敗組と比べて順位が悪いため、勝たなければ昇級できないと思われた。
 ラス前に盛り上がった関西はB2(内藤、杉本)、三段リーグ(稲葉)でつまずいており、ここで安用寺がだめだと、16日のプレーオフやら17日の阿部まで影響を受けそうであった。

 安用寺は最後の順位戦である西村、村山は川上、阿久津は西尾が相手。他力組は、▲橋本×△木下、△伊奈×▲武市、△佐藤和×▲大内。
 西村×安用寺は左美濃対向かい飛車、川上×村山と西尾×阿久津は駆け引きの続く矢倉になった。ちなみに何も関係ないが、午後1時半に田村が投げている。

 最初に昇級を決めたのは阿久津。
 双方王手がかかることなく、飛車を詰ませてわかりやすくなったところで西尾が投げて終わった。阿久津は8−2で順位もあり昇級。
 王位リーグ入りしており、王将リーグに入ったこともある、若手では渡辺山崎の次が阿久津と言う人もいる期待の若手だが、「遅刻が多い」「一手指しては席を立ち記録係に呼ばせる」と態度面がよく槍玉にあがる。別冊宝島の『次の一手読本』に高橋が苦言を呈した話が載っているが、それも期待ゆえのこと。昇級を期に変わるだろうか。
 ハッシー、伊奈も勝っており、上位陣のキャンセル待ち。この時点で佐藤和の昇級はなくなった。そして伊奈に負けたかつての棋神・武市は2期連続降級点。神通力も失せてしまったのか。

 次に昇級を決めたのは安用寺。△7六金以降は「いつ勝つか」と言う評判であった。安用寺は「将棋の日に10秒将棋で羽生に相振りでボコボコにされた、人のよさそうな顔」と言うイメージばかりがある。
 これで残り1枠となったため伊奈の昇級は消えた。次点2回でフリークラス入りし、勝率6割5分をクリアして順位戦に参加した苦労の人であるが、今回も順位の差に泣いた。

 あとは川上×村山戦の結果如何で、村山が逃げ切るか、ハッシーの逆転昇級かとなった。ハッシーは阿久津・安用寺勝ちを確認した後、帰ったそうである。昇級降級に関係のある人が控え室にいるのは味が悪いからだろうか。
 その川上×村山戦は川上有利と言われた。わかりやすい勝ち方もあったようだが川上はギリギリに持っていき、即詰みに討ち取った。この結果村山は8−2ながら順位差で昇級を逃し、ハッシーが逆転昇級を決めた。
 村山はこの後渡辺に酷評されたか、戸辺に当り散らしたかであろう。


 昇級者をまとめると、安用寺・阿久津・橋本の3人。安用寺とハッシーは関西所属なので、関西にとってはプレーオフ・B1に向けて持ち直したと言うところか。
 伊奈はここでも次点。ただ、順位戦で次点を何回とっても上がれないことは屋敷が証明している。来期は順位を生かしてがんばってほしい。
2006年3月15日(水)  No.76

C1、B2順位戦。
 今期の順位戦も、B1最終局(17日)を残すのみ。
 A級は鈴木と森下が降級。森下が勝っていればめいじんにとってはよだれものの展開(谷川挑戦、鈴木・三浦降級)だったがそうはならず。ちなみにえばぁはどっちが挑戦しようと構わなかったので、森下勝ち・郷田勝ちでプレーオフが一番いいなと思っていた(笑)
 当日はめいじん、殿と観戦。そのころ師匠は大須演芸場(名古屋)で室田にサインをもらってウキウキしていたことだろう。挑戦は羽生×谷川のプレーオフと言うことで、決戦は16日。

 さて、他のクラスもさらっていくと・・・


<C1>

 既に山崎が9連勝で昇級を決めており、残り1枠を渡辺か岡崎かと言う状況。渡辺が上がるのが健全ではあるが、順位戦に星を集めてきた岡崎が食い下がることができるか。
 渡辺の対戦相手は、将棋でもブログでも異彩を放つ窪田。岡崎はコーヤンこと中田功が相手である。見逃せないのは岡崎と窪田が長年の盟友であることで、窪田は「米長美学」もあるが、岡崎の昇級をアシストできるかと言う点でも注目されていた。

 窪田×渡辺戦は先手藤井システム対△5五角戦法、コーヤン×岡崎戦は先手ゴキゲン中飛車となった。コーヤンは三間飛車をしばらく指さなくなってから連勝し始め、三間飛車党を泣かせている。

 午後3時ごろに山崎勝ちの一報が入った。えばぁでさえ「技がかかりそう」と思った局面から一気に決まったようだった。山崎は前期の鬱憤を晴らすかのような全勝昇級。
 渡辺は序盤淡白に指しすぎて、あっさり不利にしてしまっていたとブログで語っている。実戦中も、夜戦に入ってからは窪田が指せると言われ、一方の岡崎は有利に進めていると思われ、渡辺ピンチの声があがっていた。
 しかし午後10時ごろか、歩を渡した窪田の端攻めが紛れを生んで形勢は接近。穴熊の強みもあり逆転したかとの声も上がる。

 ところが。
 
 なんとこの間に岡崎が大逆転負けを喫したのだ。
 ギリギリの変化に踏み込んで勝ちだと思ったらそこで見逃しがあったのか、素人目にはもうちょっと安全勝ちもあっただろうにと思うのだが、とにかくこの瞬間に渡辺が勝ち負け関係なく昇級決定。
 しかし渡辺も窪田もこの結果を知るはずがない(普通この状況ならば「相手も勝っている。だから自分が勝たなきゃ昇級しない」と考える)。

 将棋は渡辺逆転ムードが漂っていた。えばぁは「振り飛車党なのに変な玉形になってからが強い」イメージを窪田に持っているが、相手が相手である。少々悲観していた。
 しかしそこから窪田は魅せた。ギリギリの綱渡りを見事成功し、日付が変わるころに渡辺玉を即詰みに討ち取って米長美学を完成させた。直後に渡辺の「バッカすぎる・・・」発言と写真が貼り出された。このときには昇級できなかったと思っていただろう。

 結果的には山崎・渡辺の昇級と言う順当なところに落ち着いたが、実は意外と多い窪田応援団にとっては楽しい一日であった。
 後日、岡崎の「昇級できないにしても勝たなければいけなかった。最終局負けて8−2の昇級逃しでは、来期周りが昇級候補と思ってくれない」と言う意の発言が興味深かった。やはり周りに認められることが順位戦で上がっていくためには必要なのか。


<B2>

 早々と畠山弟が昇級を決め、残り1枠は内藤が66歳にして「史上最高齢昇級」を成し遂げるかが焦点となったこのクラス。2番手には杉本(名古屋住まい)がつけており、関西では盛り上がっていた。そしてわずかながら昇級の可能性を残していたのは屋敷×森の勝者。
 こうなると当然ながら内藤の応援一色となり、特別解説会&講演まで開かれる。一方、対戦相手の田中トラは気合を入れて和服で登場。去年このクラスでは既に降級の決まった田丸が和服で登場し、昇級を賭けた土佐を破ったわけですがその再現を狙ったか。

 その田中×内藤は、トラのうそ矢倉に内藤が急戦。
 内藤のキャンセル待ちとなる杉本×富岡は相振り飛車。更に、キャンセル待ちの2番手争いである屋敷×森は居飛車穴熊対四間飛車へ。

 薄い玉を苦にしない内藤はトラのミスもありリードを広げ、夜戦に入るころには内藤勝勢までに。これは決まったと思われ、杉本を応援する師匠はテンション下がり気味。
 それでも必死にトラの勝ち筋を探し、終盤、本譜の▲2四歩ではどうかと言っていたころ、その手が指された。しかし連盟の検討陣は△8七角からの即詰みを発見しており、内藤がそれを指せば終わる。「詰将棋の内藤」だが、この長期戦の最後、詰ますことができるのか。

 ドキドキして待つこと数分、内藤が指したのは△5七角。控え室では悲鳴、絶叫があがったらしい。一応詰めろ逃れの詰めろであったようだが、▲7六銀と桂馬を外して大逆転。
 藤井、森下を上回る終盤のファンタジスタ・田中寅彦でもこの流れは止められず(笑)、そのまま大逆転でトラが勝った。


 まさかの結末で、杉本が勝つか、杉本が負ければ屋敷×森の勝者が昇級という事態へ変わった。しかしその杉本は富岡に苦戦しており、またもや師匠のテンションは下落(笑)
 そんなとき、先に屋敷×森が終局。勝者は森となりキャンセル待ちの権利を獲得していた。

 杉本戦に視線が注がれる。「逆転したかもしれない」との声も。
 しかしこの最終盤になって杉本の美濃囲いが復元され、富岡の玉形も準穴熊状態(王手がかかりづらい)へ。だが「盤上にあった駒で堅くした」富岡と「駒台の駒(本当は攻め駒に使いたい)を使って囲いを復元した」杉本、この交換はどうも富岡が得した感じがしていた。えばぁは杉本勝てないと思った。
 そんな中指された▲6七角がえばぁにもわかる悪手で、返しの△2五角が逆先ではもはや終わったと感じた。あれしかないのであればその前からおかしかったのだ。しばらくして終局。


 と言うことは、関西大期待の内藤・杉本がこけて森が大大逆転で昇級。59歳での昇級は、史上第2位の記録とのことだ。
 こうなると哀れなのは屋敷。屋敷と言えばC1だが(笑)、なんとか2年前に抜けて、この日勝っていれば昇級だったのである。まさかB2でも大事な一番を落として昇級を逃すとは。
 たぶん、森はB1では降級候補だろう。内藤でも杉本でも怪しかった。かろうじて杉本が振り飛車党として(B1では)個性を出せたかもしれない。
 だが、屋敷が上がっていればもしかして昇級候補、そうでなくてもB1で指し続けられたのではないか。実力とクラスを考えれば偉いかかどうかはともかく、屋敷は一応、順位戦は負け越したことがないのだから。まさかの展開で訪れたものではあるが、来期の面白みを考えれば損をしたなぁと言うのがB2の結末を見た感想である。
2006年3月15日(水)  No.75

17:00-18:00
 国会中継で押され、17時10分すぎからの開始となった。解説は渡辺と山田久美、そしてデータマンとして勝又が登場した。
 まずは勝又がPCを使って解説。今期A級において先手の勝率は6割。そして谷川と羽生は全棋戦において先手で8割勝っているという。また後手番では森下が6割越えという好成績。戦型数は一手損角換わり、四間飛車、相振りが3強。横歩取りは1局と減少し、正調角換わり腰掛銀も減った。

 例によって用事があり(用事がある時間にばかりTV中継しやがる)羽生×森下戦を見逃した。というわけで三浦×佐藤戦から。

三浦(3−5)×佐藤(4−4)
 佐藤が例によって趣向を凝らし、後手の陽動振り飛車となった。午後になって角交換から激しくなりそうだったが、三浦が自重。お互い角を打ち合い、17時半現在、三浦陣が分裂しているのでまとめづらいとの見解が出ている。えばぁが昼に書いたのはなんだったのか。

郷田(5−3)×谷川(7−1)
 昼ごろは後手の右玉かと思ったが、あながち外れてもいない。後手は右玉の形だが、玉が7二にいないだけだ(笑)
 ▲6八金寄が郷田の工夫で、飛車を渡したときに▲6八金直よりはいいと渡辺。それに対しての△6二金も谷川の工夫。解説中に郷田が▲1五歩から仕掛け、△同歩▲同銀△同香▲同香まで進んだ。

藤井(3−5)×久保(2−6)
 午後になって藤井は銀冠に構え端攻めの準備、一方の久保は穴熊から攻撃態勢を整えた。▲6六歩は「藤井さんはよくやる」と渡辺。個人的にも願わくば▲6八飛〜▲6五歩が見たかったが、やはりTV用のパフォーマンスだったのだろう(笑)
 藤井の▲3九玉に渡辺は「どうかな」。△2一飛▲8九飛は間合いを計っていたと思われたが、千日手くさくなり始めた。実況サイトでは「さすがに千日手にはしない」と言われている。確かに▲8五桂までやっといて千日手はどうかと思う。

丸山(4−4)×鈴木(2−6)
 普通の居飛穴対四間飛車となった。鈴木は銀を5二へ持っていき、丸山は角を2六へ転回した。丸山は▲7八飛から7筋の歩を換え、2八に飛車を戻っている。解説はほとんどなし。


 若手の検討では、佐藤、谷川、藤井、丸山に形勢が傾いているという。羽生×森下はまだ駒組み段階で互角。
 ただ渡辺は、谷川のところはそんな傾いてもいないと思っているようだ。
2006年3月3日(金)  No.74

12:15-13:00
 国会中継のせいで10時ちょっと前からの放送がなくなり、お昼・夕方に1時間、夜3時間半となった。お昼時は落ち着いて見られないため郷田×谷川の解説を見逃してしまった。
 少し腹を立てつつテレビをつけると佐藤が映っており、さっきえばぁも買ってきた将棋世界4月号を見ていた。確かに自分の記事は載っているだろうが、載っているのは頭を抱えたり首を落とす写真が多いのだが(笑)
 この時間の解説担当はA級復帰を決めている深浦と、山田久美。深浦は去年のこの日、羽生に負けて4−5で落ちている。「今年4−5なら落ちなかったのに」と思っただろうか。
 以下、深浦の解説を元にお昼までの進行をつづっていく。

羽生(7−1)×森下(3−5)
 挑戦のかかる羽生と、自力残留のかかる森下。森下は羽生に4連勝中だが、最終局に強い羽生と、弱い森下。分が悪いか。
 羽生の先手で▲7六歩△3四歩▲2六歩△3二金▲7八金の出だし。森下が2手目△8四歩なら矢倉だったろうが、一手損角換わりは以前と比べ一皮剥けた森下っぽくもある。▲7八金以下は、△8四歩▲2五歩なら△8八角成で一手損角換わりだが、森下は△4四歩で矢倉に変化。森下は「(6手目△4四歩は)とがめようがない」と渡辺に語っている(将棋世界3月号)戦法を採用した。

三浦(3−5)×佐藤(4−4)
 自力残留のかかる三浦と、挑戦・降級はないが順位戦勝ち越し記録継続がかかる佐藤。対戦成績が圧倒的で、佐藤の11連勝。なんと三浦は佐藤に勝ったことがないのだ。ここで負けると森下・久保の結果頼みになる三浦、大丈夫そうで意外とピンチか?
 三浦先手で▲7六歩△8四歩▲6八銀△3四歩▲6六歩と矢倉の出だし。矢倉になれば三浦には十八番の脇システムがある。それを嫌う・・・と言うか、そんな定跡形をあまり指さないことでアイデンティティを確立した佐藤は△5四歩とし(矢倉の定跡は△6二銀)、▲5六歩に△4二銀と左の銀を上がって陽動振り飛車(三間)に変化した。

藤井(3−5)×久保(2−6)
 前節敗れたものの他との兼ね合いで残留が決まった藤井と、勝っても森下か三浦が負けないと落ちてしまう久保。前期、挑戦の可能性があったときは和服で登場した久保だったが、落ちそうな今日はスーツだった。最近は藤井が相振り飛車で5連勝している。また、久保は今期後手番の勝率が悪く、今日も後手番と言うことで不安が残る。
 藤井先手で、TV取材を意識してか初手▲6六歩の奇手。先手で角道止めて飛車振るつもりなら▲7六歩と▲6六歩、どっちが先でも大差ないのだ。戦型はまたしても相振り飛車になり、先手向かい飛車+美濃・後手三間飛車+穴熊となった。

丸山(4−4)×鈴木(2−6)
 残留が決まっている丸山と、順位が悪いため、三浦か森下どちらかが勝った瞬間に勝っても落ちてしまう鈴木。三浦も森下も通算では分の悪い相手と指していることだけが鈴木の救いで、とにかく勝つしかないこのケースのほうが開き直れるともいう。
 丸山先手で▲7六歩△3四歩▲6八玉。「振り飛車党の鈴木は△8四歩と突かない」ことを見越した挑発と、△5四歩のゴキゲンを阻止した意味(△5四歩なら▲2二角成〜▲5三角)がある。鈴木は四間飛車に振り、とりあえず美濃囲い。丸山は居飛穴模様で、鈴木がどういう対策を見せるのかが注目。えばぁは棋王戦第2局で羽生が採った作戦を改良したものを見せるような気がするが・・・。

郷田(5−3)×谷川(7−1)
 初めてA級残留を決めた郷田と、挑戦のかかる谷川。対戦成績は谷川から見て28−16と、分がよい。
 郷田先手で▲7六歩△3四歩▲2六歩△3二金▲2五歩と進み、△8八角成の一手損角換わりとなった。後手の△6三銀型(腰掛銀模様)に対し、郷田は棒銀+▲7八玉型を採用。深浦の解説を見逃したのでよくわからないのだが、谷川の右玉もあるか。


 今これを書いているのが3時。
 羽生×森下は羽生が2筋交換し、森下は銀冠に構えた。
 三浦×佐藤は佐藤が突っ張ったものの、三浦の作戦勝ちと言われている。
 藤井×久保は藤井が銀冠に構え、まだまだこれから。
 丸山×鈴木は居飛穴対四間飛車△3二銀 - △4五歩型の定跡形となり、えばぁの予想は大外れだった。あまり積極的でない形に見える。
 郷田×谷川は郷田が長考している。
 ちなみにえばぁは500円払うことにしたので、感覚はともかく見ている棋譜は正しいことを書いておく。
2006年3月3日(金)  No.73

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