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昇級者が決まらず、2敗組からも昇級者が出る展開。 8−1の安用寺、村山がトップを並走。7−2で阿久津、橋本、伊奈、佐藤和が追う展開で、全員勝てば阿久津までが昇級である。しかし1敗組は2敗組と比べて順位が悪いため、勝たなければ昇級できないと思われた。 ラス前に盛り上がった関西はB2(内藤、杉本)、三段リーグ(稲葉)でつまずいており、ここで安用寺がだめだと、16日のプレーオフやら17日の阿部まで影響を受けそうであった。
安用寺は最後の順位戦である西村、村山は川上、阿久津は西尾が相手。他力組は、▲橋本×△木下、△伊奈×▲武市、△佐藤和×▲大内。 西村×安用寺は左美濃対向かい飛車、川上×村山と西尾×阿久津は駆け引きの続く矢倉になった。ちなみに何も関係ないが、午後1時半に田村が投げている。
最初に昇級を決めたのは阿久津。 双方王手がかかることなく、飛車を詰ませてわかりやすくなったところで西尾が投げて終わった。阿久津は8−2で順位もあり昇級。 王位リーグ入りしており、王将リーグに入ったこともある、若手では渡辺山崎の次が阿久津と言う人もいる期待の若手だが、「遅刻が多い」「一手指しては席を立ち記録係に呼ばせる」と態度面がよく槍玉にあがる。別冊宝島の『次の一手読本』に高橋が苦言を呈した話が載っているが、それも期待ゆえのこと。昇級を期に変わるだろうか。 ハッシー、伊奈も勝っており、上位陣のキャンセル待ち。この時点で佐藤和の昇級はなくなった。そして伊奈に負けたかつての棋神・武市は2期連続降級点。神通力も失せてしまったのか。
次に昇級を決めたのは安用寺。△7六金以降は「いつ勝つか」と言う評判であった。安用寺は「将棋の日に10秒将棋で羽生に相振りでボコボコにされた、人のよさそうな顔」と言うイメージばかりがある。 これで残り1枠となったため伊奈の昇級は消えた。次点2回でフリークラス入りし、勝率6割5分をクリアして順位戦に参加した苦労の人であるが、今回も順位の差に泣いた。
あとは川上×村山戦の結果如何で、村山が逃げ切るか、ハッシーの逆転昇級かとなった。ハッシーは阿久津・安用寺勝ちを確認した後、帰ったそうである。昇級降級に関係のある人が控え室にいるのは味が悪いからだろうか。 その川上×村山戦は川上有利と言われた。わかりやすい勝ち方もあったようだが川上はギリギリに持っていき、即詰みに討ち取った。この結果村山は8−2ながら順位差で昇級を逃し、ハッシーが逆転昇級を決めた。 村山はこの後渡辺に酷評されたか、戸辺に当り散らしたかであろう。
昇級者をまとめると、安用寺・阿久津・橋本の3人。安用寺とハッシーは関西所属なので、関西にとってはプレーオフ・B1に向けて持ち直したと言うところか。 伊奈はここでも次点。ただ、順位戦で次点を何回とっても上がれないことは屋敷が証明している。来期は順位を生かしてがんばってほしい。
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2006年3月15日(水)
No.76
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