日曜日に仙台に行って、JT将棋日本シリーズ2回戦・佐藤康光棋聖対三浦弘行八段の公開対局を見てまいりました。 今日はそのレポをば。 ------------------------------------ 12時40分過ぎに会場の仙台国際センターに到着。 師匠に言われた通り、大盤に近い右側の席を確保。入り口でもらった袋の中にあった週刊将棋を見つつ、始まるのを待つ。 ちょうど1時に地元TV局のアナウンサーが登場して、開会。 共催の河北新報(ローカル紙)の社長(だったかな)が出てきて挨拶をする。 「今日は将棋の盤のようにところどころ隙間(空席)のある・・・」などと言って微妙な笑いをとっていた。 その後、解説の郷田と山田久美が登場。 すぐにJTこども将棋大会小学校低学年の部・決勝戦が始まった。 <その1 小学校低学年の部・決勝戦> せっかくだから棋譜をとろうと思い、紙とペンを用意。 そして対局が始まり、えばぁはすらすらと棋譜を・・・書けなかった(涙) 恐ろしく手が早い。ほぼノータイム。 島井の読み上げと大盤解説の奨励会2人は大忙し。えばぁは駒組み中に棋譜とりを断念し、普通の観戦に回った。解説も口を挟む暇なし。 そして終局も早い。Yahooで3・3くらいの将棋を見てたようだった。 概説すると、振り飛車の出だしから飛車を振る前に後手が△9四歩と打診。 先手が▲9六歩と受けたんですが、後手はそこから△8四歩と居飛車へ。端を受けたら棒銀にする気だったということ。 結局相矢倉の相棒銀になり、後手が△9五歩から先攻。先手はそれをモロに食らい、攻める番が回らないまま負け。ハマってしまったと言うところ。 あっという間に優劣が決まり、あっという間に勝敗も決まったので郷田はそんなに口を挟めず、終局後「矢倉で端を受けるのは・・・」と言うくらい。 <その2 小学校高学年の部・決勝戦> 「今度は棋譜取れるかなぁ・・・」と思いつつ見る。 すると、さすが高学年。ちゃんと考えて指している。棋譜とりも余裕。 しかし将棋の内容は、えばぁには全然余裕じゃない横歩取り△8五飛。しかも先手が角を換え▲7七桂と跳ねる形になり、もっとわからなくなる(笑) しばらく進んで、後手が2筋に狙いを定めて攻撃を開始。先手は受けに回る展開になったが、ちょっと進んで明らかに切れ模様に。 その後先手は玉をするすると逃げ出し、後手は詰まされるまで見込みのない手を指しつづけるという残酷な結末。 <その3 佐藤対三浦> 休憩を挟んで、メインの佐藤対三浦が始まる。 まず、振り駒。 歩が三枚出たのだが、それを見た島井が噛む噛む。 聞き手の山田久美の話では、小学生の2局どちらもも振り駒は歩が三枚で、今日は振り駒全部が歩が三枚だったとのこと。「だから島井さんびっくりして・・・」とフォローを入れていた。 佐藤が先手で対局開始。 出だしを見て横歩と思いきや、5手目に佐藤が▲6六歩と角道を止め、無理やり矢倉っぽく進む。低学年の部の将棋も無理やり矢倉っぽかったので、郷田が「低学年みたい・・・」と言って会場の笑いを取る。 しばらくは駒組みなのでどうでもいい話になったのだが、郷田は前日の土曜日、ライブドアの堀江社長を見たとのこと。 「プロ野球に数十億とか言ってますけど、将棋にもお金出してくれませんかねぇ。棋士は1億円なんて要りませんから(笑)」などと語る。 三浦の飛先交換から角も交換し、佐藤は▲8七銀から銀冠に組む。一方の三浦は矢倉に入り、△7三銀と銀を繰り出す構えに。 「そろそろ封じ手ですか」「封じ手は先手じゃないとだめなんですか」とか郷田が言っていると、突如三浦が自玉頭で戦いを起こす。 ここまでの棋譜は以下。 ▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △8四歩 ▲6六歩 △8五歩 ▲7七角 △3二銀 ▲5八金右 △5四歩 ▲6七金 △5二金右 ▲8八銀 △3一角 ▲7八金 △3三銀 ▲5六歩 △3二金 ▲6九玉 △4一玉 ▲4八銀 △4四歩 ▲5七銀 △6二銀 ▲7九玉 △4三金右 ▲5九角 △8六歩 ▲同 歩 △同 角 ▲同 角 △同 飛 ▲8七銀 △8二飛 ▲8六歩 △3一玉 ▲9六歩 △1四歩 ▲1六歩 △2二玉 ▲9五歩 △7四歩 ▲3六歩 △7三銀 ▲3七桂 △3五歩 結局「5七の銀を右に上がるのかなー、左に下がって玉固めるのかなー」みたいな選択を予想していた会場の雰囲気をぶち壊す三浦の強烈な一手への応手が封じ手になった。 郷田は「▲4六銀・▲3五同歩・▲2五桂のどれか」と断定し、▲4六銀を推奨。えばぁは郷田を信じ▲4六銀。会場のほとんども郷田に乗って▲4六銀だったようだ。 ここで休憩。 封じ手を書いた紙を係りの人に渡し、対局再開を待つ。 15分後に対局が再開し、封じ手が明かされる。 佐藤の封じ手は・・・▲3五同歩!! 正解者は少ないようだった。 「私が▲4六銀と言ったので会場の皆さん▲4六銀になされた方が多いみたいで」と郷田が謝る(笑) ▲3五同歩となれば△3六歩と打って▲2五桂までは当然。 ここで桂馬の銀当たりを回避するかどうかと言っていたが三浦は△3七歩成。銀桂交換で飛車を逃げたあと△3六とと言うのがえばぁには思いつかず唸ってしまった。 実際、▲6一角までは佐藤が「悪かった」と言っていた。 しかし、それに対し三浦が角の利きを生かして△6四歩と突いた(▲7二銀を受けた)のがどうも怪しかったらしい。 ▲6三銀と銀を打ったところで、三浦はどうかわからないがえばぁはハッとした。「はぁ〜、△6四歩ね、うまい手があるねぇ」なんて思っていたからだ(笑) その後の進行を見ればどちらがよくなったかは歴然。 と金を消し、馬を消し、駒割りは金桂交換となった先手がよくなった。 そのあとは佐藤が優勢のまま勝ちきる。 封じ手以降の棋譜は以下。投了図で即詰みはないが、これ以上続けても勝ち目はないということだった。 ▲同 歩 △3六歩 ▲2五桂 △3七歩成 ▲3三桂成 △同金上 ▲1八飛 △3六と ▲3四歩 △同金直 ▲5五歩 △同 歩 ▲5四歩 △4七と ▲6八銀 △4五角 ▲8八玉 △5四角 ▲1七飛 △4六と ▲6一角 △6四歩 ▲6三銀 △同 角 ▲4三角成 △4五角 ▲3五金 △3三金 ▲5三馬 △6二銀打 ▲4五金 △5三銀 ▲4六金 △2八角 ▲3六金 △4三金 ▲1八飛 △3九角成 ▲1五歩 △同 歩 ▲1四歩 △1六桂 ▲2五金 △3三玉 ▲1五金 △2八桂成 ▲1六飛 △1二歩 ▲2五歩 △4八馬 ▲2四歩 △同 歩 ▲5七角 △同 馬 ▲同 金 △1九成桂 ▲同 飛 △2六角 ▲2五歩 △8三香 ▲2四歩 △2二歩 ▲2五金 △3七角成 ▲3九飛 △3八歩 ▲2九飛 △4二玉 ▲2三歩成 △8五歩 ▲同 歩 △5二玉 ▲3五金 △3九歩成 ▲2五飛 △6三玉 ▲4一角 まで123手で先手の勝ち 終局後簡単な感想戦が始まったのだが、驚いたのが、それを見ずに席を立つ人が多かったこと。そして感想戦が終わるとまた帰り始める人が続出。 「おぃおぃ・・・」と思いつつ、表彰を受ける佐藤を見る。 主催のJTから勝者の佐藤に『セノビー』1年分贈呈。「なんかやだな」と思ったのはえばぁだけではなかったらしく、会場から失笑が漏れた。佐藤も恥ずかしそうだった(笑) 最後に、封じ手クイズの正解者への『封じ手用紙』プレゼントの抽選。 正解者は800人くらいのうち、27人だったらしい。 そして更に、会場に来た全員の中から2人、色紙がもらえるプレゼントがあった。 まず、1人目のくじを引いて佐藤が贈呈。 その後、2人目のくじを引いた。 「○○番の方、いませんか〜?」 アナウンサーのこの呼びかけを何度聞いたことだろう。 2人目が壇上に上がるまで、都合6回ほど、佐藤はくじを引いた(笑) こういう星の下に生まれた人なのだろうか、真面目にやっているのに笑いを誘う。最後に面白いものを見せてもらった。
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2004年9月27日(月)
No.46
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