今回はパリーグ編です。 パリーグで、今年賞賛を浴びたのはなんと言っても日ハム。 もちろん、須永強行指名です。 それのどこがすごいのかは日ハムのところで書くとして、ひとつひとつ見ていきます。
○ダイエー
自 馬原 孝浩 投手 九州共立大 右右 2 城所 龍磨 外野手 岐阜・中京 右左 4 明石 健志 二塁手 山梨学院大付 右左 5 榎本 敏孝 三塁手 大阪・西淀川 右右 6 金子 圭輔 遊撃手 千葉・志学館 右右 7 三瀬 幸司 投手 NTT西日本中国野球クラブ 左左 8 竹岡 和宏 投手 IBM野洲〜ブレーブス3A 右右
「お金がない」らしいので、自由枠以外の指名は高校生と年のとった選手というダイエー。 馬原は、大学でも1年先輩だった新垣(現ダイエー)に勝るとも劣らないと言われる好投手。 鳥谷(阪神自由枠)は獲れなかったものの、馬原が獲れれば成功したほうでしょう。
とはいえ、鳥谷が一番レギュラー獲りやすかったのはダイエーだと思います。 相手が、あの3割打線の中で唯一(?)2割の前半を打っていた鳥越ですから(笑)。
2巡から6巡までは高校生野手を連続指名。 ドラフトヲタというのは「将来性」の一言で高校生を過大評価する傾向がありますので、ドラフトヲタかつダイエーファンの人は、かなりウハウハものだったと思います。
※ 今季、7巡の三瀬がストッパーとして大活躍。新人王を獲得した。一番の大穴。 ('04.Oct追記)
個人的注目は、6巡の金子。 ただ単にドラフト西武スレで「松井の後釜に!」って騒いでただけなんですけど(笑)。 身体能力はすごいようなので(50m5秒9、遠投118m)、鳥越くらいすぐに(略
○西武 19日に書いていますので、そっちをご覧ください。
○近鉄
自 香月 良太 投手 東芝 右右 2 吉良 俊則 外野手 大分・柳ケ浦 左左 4 坂 克彦 遊撃手 茨城・常総学院 右左 5 新里 賢 捕手 法政大 右右 6 中本 和希 遊撃手 近畿大学工学部 右左 7 栗田 雄介 投手 千葉工大卒 左左
今年もやってくれた、近鉄です。 近年、西武ファンがどれだけドラフトで近鉄に泣かされたことか。
自由枠の香月は甲子園で活躍し、3年前のドラフトで「なんで指名されなかったんだろ」と多くの人が思った好投手です。 (「既に完成していて伸びしろがないと思われた」と言うのが一般的な説) 数球団が獲得に動いたものの、近鉄は一貫して自由枠の方針を貫いたようです。 ちなみに近鉄はこれまで自由枠を使ったことがなかったので、香月が初の自由枠入団です。
2巡の吉良は、西武が獲得するだろうと言われていた選手です。 が! 西武が目をつけた選手にことごとくちょっかいを出すのが近鉄。 もちろん西武が近鉄の指名にちょっかい出してるのもあるとは思いますが、近鉄のは報道に出ないから余計腹が立つんです(笑) ・・・まぁ、もうやめましょう。
○ロッテ
1 内 竜也 投手 神奈川・川崎工 右右 3 杉原 洋 投手 島根・開星 右左 4 田中 雅彦 捕手 近畿大 右右 5 三島 輝史 投手 大阪桐蔭 右右 6 成瀬 善久 投手 神奈川・横浜 左左 7 藤井 宏海 遊撃手 福井 右右
内か西村(巨人2巡)か、悩みに悩んだロッテ。 バレンタインの発言(「交渉に手間取るなら西村は別にいい」的な発言)もあり、結局内を指名しました。
その内ですが、「12球団OK」という(ドラフトヲタにとっては)超・好青年です。 好青年だけではなく、MAX145kmのストレートもある好投手。 猛練習を積んできたわけではなくまだまだ体が細いので時間がかかりそうですが、ロッテファンならずとも応援したい選手です。
個人的な注目は、7巡の藤井。 将棋の藤井は絶不調、道路公団の藤井は解任、ヤクルトの藤井は怪我で来年も怪しく、そしてこの藤井も夏の甲子園には出られず、今年は全国の藤井さんにとって厄年なのではないかとこじつけているんですが、藤井隆や藤井フミヤには特にそんなことはないので、ただの思い込みのようです。
いや、そういう意味で注目してるのではなく、この藤井はピッチャーのところを野手転向を前提に指名されました。 指名直後も「どちらだろうか」という話になりましたが、どうやら野手、しかもショート。 この転向は成功するのかなぁ・・・という意味で注目しています。 背が小さい(170cm)のですが、アジアAAA野球・日本代表チームでは4番を打つなど打撃センスは注目されていました。 同じように背が小さく野手転向もうわさされた高井(現ヤクルト)はピッチャーを続けていますが、藤井は野手で成功できるのか。 今後見て行きたいと思います。
○日本ハム
自 糸井 嘉男 投手 近畿大 右左 2 須永 英輝 投手 埼玉・浦和学院 左左 4 押本 健彦 投手 日産自動車 右右 5 稲田 直人 遊撃手 JFEスチール西日本 右左 6 金森 敬之 投手 東京・東海大菅生 右右 7 渡部 龍一 捕手 北海道・札幌第一 右右
去年は高井(現ヤクルト)、一昨年は寺原(現ダイエー)と初めは強行指名を打ち出しておきながら連続で回避した日ハム。 「今年も須永回避だろう」と言われ、前日・当日には押本(4巡)が2巡で指名されると言われていました。
が!!!!
そんな日ハムが、今年は松坂(現西武)以来の強行指名に出ました。 しかもその後の報道では、徐々に須永の拒否感は薄れてきているような感じを受けます。 内海(巨人自由枠)は「3年間は遠回りじゃない」とコメントしたそうですが、「成功してから言ってくれ」。
「3年間がいかに遠回りか」を語るためによく引き合いに出されるのが、今年近鉄を首になった小野。 秋田経法大付3年のときもドラフト候補ながら巨人の手引きで日本石油へ。 そして巨人に入団するもノーコンでたいした成績も挙げられず、サイドスローへ転向、そして近鉄へトレードされ、今年首に。
評価してもらえるうちに、入るべきだと思いますけどね・・・。
また、糸井を自由枠で獲得したことでも日ハムは成功と言えるでしょう。 近鉄が香月を獲得したのと同様で、当初から高く評価していたことがよかったと思われます。 須永が入るかどうかはまだわからないものの、北海道移転前のドラフトとしては成功したんじゃないでしょうか。
ただ、ちょっとだけ予想外だったことが・・・それは、次のオリックスのところで書きます。
○オリックス
自 歌藤 達夫 投手 ヤマハ 左左 2 柴田 誠也 投手 北海道尚志学園 右右 4 嶋村 一輝 遊撃手 九州国際大 右右 5 野村 宏之 投手 近畿大 左左 6 松村 豊司 投手 立命館大 右右 7 小島 昌也 外野手 東京・自由が丘 右右 8 由田 慎太郎 外野手 早稲田大 左左
ダントツの最下位に沈んだオリックス。 ともかく即戦力で使える選手を・・・と言って、歌藤を自由枠で獲得したときには9割のドラフトヲタが首を傾げたでしょう。 「自由枠で獲得する選手か?」と。 まぁ、間違いなく獲得するには自由枠が確実ですし、使い方は球団の自由ですからいいんですが、ドラフト戦略的には面白みのない使い方ですから、ドラフトヲタからは酷評されるのも仕方ないところです。
しかも「野村まで自由枠ではないか」と報道されたときにはオリックスファンはため息だったでしょう。 結局5巡だったわけですが。
須永、西村の陰に隠れましたが、実はオリックスも強行指名をしています。 2巡目の、柴田です。 強奪した相手は、須永を獲った日ハム。
柴田は、日ハムが本拠地移転の目玉として道内出身の選手を獲得するためリストアップしていた選手でした。 そんなとき、オリックスは2巡で柴田を指名すると公言。 オリックスは2巡目の指名順が一番先ですから誰も止められません。 「強行指名すんな!」と日ハムが言っても、その日ハムが須永を強行指名しようとしていたのですから説得力が全然ありません。
というわけでオリックスは柴田を指名。 日ハムの指名を待っていた柴田、そして柴田の両親は大ショック。 オリックスのスカウトが指名直後会いに行ったそうですが、柴田の両親はショックで帰ってしまったとか。 しかし、この数日を見ているとどうやら軟化しつつあると思われます。
一応「ここ数年の間にオリックスが優勝する」と言った立場から、オリックスにはがんばって欲しいところです(笑)。 |