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               臨 津 閣

 今日は3日目、最終日。午後3時過ぎの便で日本へ帰国する。最初、午前中の時間をどう過ごすか?考えていなかったが、ツアーで一緒だった6名のグループがオプショナルツアーで、“統一展望台ツアー”へ行くという。「統一展望台へ行く?」 統一展望台といったら臨津江(イムジンガン)を望み、その向こうに北朝鮮が見渡せるところで、行ってみたい場所のひとつだった。思わずガイドの金さんに聞いてみる。「3時の飛行機に間に合うんですか?」 「大丈夫です、間に合うようにしますよ。」 「オレも参加します!」 結局オレ以外にも2名が追加参加して、ガイドの金さんを含めて総勢10人が“統一展望台ツアー”に行くことになった。朝8時に集合してバスはソウル市内を抜け、自由路に乗った。統一展望台に行く前に、“臨津閣”(イムジンガク) “自由の橋”に立ち寄ることになっている。

  

  ホテルを出発してすぐ、ソウル市内のガソリンスタンドと銀行!

 自由路とは北に走る高速道路で、道路は北朝鮮を超えて中国まで続いているとか。いつか南北が統一を果たし、自由に行き来できるようにという願いから、「自由路」 という名前になったと金さんが教えてくれた。北に進みソウルから離れるにつれ、だんだん田舎の景色になってくるのだが、見慣れぬ光景が目に入ってきた。高速道路のガードレール沿いに、鉄柵がはりめぐされている。金さんの説明によると、鉄柵の向こうの漢江(ハンガン)を北上すると北朝鮮の臨津江(イムジンガン)につながっている。北朝鮮からボートなどを使ってくるスパイの侵入を防ぐためのものだとか。改めてこの国の現実を見た気がした。ちなみにこの自由路で、景色を見るために駐停車するのは違反らしい。

    

北に向かって走る、「自由路!」  車内で説明してくれるガイドの金さん!

  

自由路をしばらく走ると、ガードレール沿いに鉄柵が見えてきた!

 ホテルを出て一時間ほど、漢江(ハンガン)と臨津江(イムジンガン)が合流するあたり、川の向こう側に北朝鮮の景色が見えてきた。山の上にはこのあと我々が訪れる“オードゥサン統一展望台”も見えるが、バスはそこを通り過ぎそのまま自由路を走り続ける。最初に行くのはこの先にある、“臨津閣”(イムジンガク)と、“自由の橋”だからだ。そこから北上すること15分ほど、バスは“臨津閣”(イムジンガク)に到着した。

  

バスは 臨 津 閣 ! (イムジンカク) に到着した! 右は、平和の鐘!

            臨 津 閣 ! (イムジンカク)

 臨津閣とは、1950年6月25日に勃発した韓国戦争とそれ以後の民族対立による悲しみが刻まれている場所である。臨津江地区戦跡碑、米軍参戦碑など各種戦跡碑と1983年にミャンマーのアウンサン国立墓所で参拝中、北傀儡の爆弾テロで死亡した17名の外交使節を追悼する慰霊塔、1987年金浦国際空港爆発事故の犠牲者の追悼碑などがあり、南北分断によって故郷へ帰ることのできない500万とも1000万ともいわれる人々が望拝壇(マンペダン)で故郷を思いながらチェサ(祭祀)をする場所でもある。

  

故郷を思いながらチェサ(祭祀)をする場所、臨 津 閣 (イムジンカク)!




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