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         6月14日(月) 5日目 晴れ

 

 今日はオプショナルツアーで、ストーンヘンジ・バース・ツアーを申し込んでいる。両方ともロンドン郊外にある世界遺産で、楽しみだった。集合場所はビクトリア・コーチ・ステーションで、何十台ものバスが出入りする、大きなバスの発着所だ。ここからいろいろなバス・ツアーが出ているのだが、他のツアーに参加予定の日本人観光客が、定員に満たないとかでツアー自体をキャンセルされたらしく文句を言っていた。オレが参加するこのツアーも、出発時間が少し遅れるみたいだ。本当にイギリスという国はのんびりしている。いや日本がせわしないのか?同じバスには日本人も数人参加していた。その中のひとり旅らしき男性に話しかけてみると、W君といって東京の練馬区から来ているらしい。今日一日、彼と行動をともにすることにした。30分以上遅れて出発したバスは、ロンドン市内を抜け西部方面に向かっている。最初の目的地ストーンヘンジまでは、1時間ほどかかるみたいだ。

       ストーンヘンジ 


 ストーンヘンジの起源は今から約5000年前。現在見られるものは、紀元前2500~前2000年に神殿として使われていた構造物の廃墟だといわれている。サークルを形作る巨石は軽いもので約8t、重いものになると約50t。これらの巨石は約350km離れたウェールズ南西部から水路で、また30km北方のマルポロー丘陵から陸路で運ばれてきたというのが定説になっている。

 バスはまもなくストーンヘンジに到着するみたいだ。車窓は見渡す限り大草原。日本でもなかなか見られない景色だと思った。そしてガイドブックで見たストーンヘンジが見えてきた。このストーンヘンジ周辺では、あのビートルズの映画「HELP !」のロケも行われている。駐車場に着くとさすが観光地、たくさんのツアーバスでいっぱいだった。バスから降りてガイドについて行く。この世界遺産になっているストーンヘンジをぐるりと1周廻るように遊歩道が整備されているのだが、実際に近くで見てみるとやっぱり大きい。観光的にはこのストーンヘンジが有名ではあるが、この一帯には、まだまだ謎に包まれた先史時代の遺跡があるらしい。ここに1時間ほど滞在してからバスに乗り込みバースに向かった。

   

    世界遺産のストーンヘンジ!この巨石を誰が積み上げたのだろう?

                     バース   


 ローマ人によって温泉保養地として開かれたバースの町。最も栄えた18世紀には、瀟洒なテラスハウスがいたるところに造られ、お洒落なリゾート地として貴族たちを魅了した。今もその優雅な町並みは健在で、訪れる人々を惹きつけて止まない。英語でお風呂のことを Bath (バス)と言うが、これはこの町 Bath (バース) が語源になっている。

 バスは1時間ほどでバースの町に着いた。バスを降り最初に見たのはロイヤル・クレッセントだった。これはバースを象徴する三日月形の館で、完成したのは1774年。当時の貴族たちの邸宅が30軒、連煉している。現在、東端の1番地は博物館として当時を再現していて、16番地にはホテルもある。いかにも当時の金持ちたちが住んでいた、という感じの建物だった。そして町の中心地、アビー・チャーチ・ヤード広場に向かった。ここにはこの町のメーン、ローマ浴場博物館がある。この町は今でも1日に約117万ℓ、43、5℃の湯が自然に湧き出しているのだが、昔ローマ人が地下から湧き上がる湯を貯める聖なる泉(貯水槽)を造り、そこから適量の湯をグレート・バスに送った。その当時の建物がそのまま残っていて博物館になっているのだ。その博物館に近づいたときにどこかで聞いたことのある言葉が聞こえてきた。最初は気のせいかと思ったが気のせいではない、関西弁だった。話し声のする方に視線をやると、そこには日本人の修学旅行生たちがいた。関西地方から来ているのだろうが信じられなかった。高校生の修学旅行がイギリスだなんて。そういえばロンドン市内観光のときにもバッキンガム宮殿の近くで、制服に身を包んだ日本人修学旅行生の団体を見かけた。ちなみにオレの修学旅行は山陰山陽を1周・・・約30年前の話ではあるが、時代の違いを感じずにはいられなかった。

   

 三日月形に30軒並ぶ、ロイヤル・クレッセント!貴族たちの館だった!右は
 このツアーのガイド!英語と日本語の両方で説明していた!

   

   可愛い女の子とぬいぐるみ!         関西の修学旅行生たち!

 ローマ浴場博物館に入るときに、詳しい解説が聞ける日本語のオーディオガイドを貸してくれた。順路を追って廻るのだが、館内はとても広く見ごたえがある。巨大な浴場グレート・バスのほか、ローマ式床暖房、サウナなどもあり、神殿の遺構や彫刻、モザイクなどが館内に分かりやすく展示されている。手を加えて修理してあるところもあるが、歴史そのものだった。館内をひととおり見てそのあとはランチタイムだ。集合時間までは1時間ちょっとあるのだが、それまで各自昼食をして自由時間だった。W君と近くのカフェに入ったときに、同じツアーメンバーの日本人女性がいたので声をかけてみた。Sさんといって彼女もひとり旅らしい。ひとり旅同士、一緒にランチをすることに・・また1人ツアー仲間が加わった。

   

   ローマ浴場博物館入り口!         博物館内にあった昔の写真!

   

 西暦65年頃にローマ人が建造した25m×16mのグレート・バス!

   

   博物館内でのショット!もちろん世界遺産に登録されている!




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