あれから一年・・ またこの海に来ました。


 気だるい昼下がり、潮騒の音が心地よく響く静かな部屋で天井を見つめているといつの間にか眠りに落ちる。


目を覚まして窓辺に立つと、そこには穏やかな海が広がり、微かに吹き込む湿った海風が爽やかに感じた・・。


そんな民宿と船を往復するだけの休日を過ごしてみたい。







 水温が下げに転じたか、先週から房総の真鯛が上昇気配。

すかさず、てつ丸さんを煽ってみるとやつぱり「うずうず♪」してたまらない様子。(笑)
てつ丸さんが”ヤル気”なら”気配”も本物と確信。
木曜日に釣果と状況を聞いて、その日のうちに船を抑えちゃいました。


 AM3:00、宿に着くと既に札の残りは左右胴の間の四枚。
前泊組みが6名いたようで、相性の良い右舷に相棒と並んで座ることに。(ちなみに相棒は右の前から三番目!)


集合時間のAM4:30、9月になるとこの時間でも夜は明けません。
船の灯りで釣り座の身支度を整えます。







 最初のポイントは港前3分なのでビシにコマセ詰めて、餌もつけといてだって・・。

鳥目のオレは暗いうちの投入に自信がないんだよなぁ。
船の灯りでマーカーを確認しながら”ちょ〜 ゆっくり”の投入。

 一投目、様子見でインターバルを長く取ったら餌捕りの餌食。

 二投目、早めのインターバルでも餌鳥捕りの餌食。

 三投目、二投目と同じ間合いで刺し餌が残った・・。


ここからクライマックス。
二流し目で、左舳先、右舳先、右三番目(相棒)とトリプルヒット。型は群れてそうなサイズ。


んが、早くもこのころから船長の声にちょっと苛立ちが・・。






 上ッ潮が早く流し替えが頻繁。
潮と風、そしてヤマも見なれず、間合いがとれない。
今日は根を外しての投入が何度もあったよなぁ・・。


沖の潮は多少澄んでてもこれならいけるって感じだし、淀んだ潮の変わりっぱなが勝負と思っていたら・・。



初めて経験する重量感、
そして止まらない突っ込みに
引き出されたラインは60m


突っ込んだのは相棒だった!

キャビンから船長が熱い視線で覗き込む。
相棒が腹に突き立てた竿の動きと同期して手元からはラインがどんどん滑り出てゆくのが見える。


両隣とマツリながらもハリスを切ってなんとか回避。
魚はそんなこっちの都合にかまう事無く、根を這いまわるごとく抵抗を繰返した。

全員が仕掛けを上げ、その攻防を見守る。

なんとかタモに収まってほしい・・。
その竿がテンションを失った瞬間、オレは本人より悔しかったかも知れない。


ハリスは針から1.5mのところで擦り切れていた・・。








 誰にでも”掛ける”チャンスはある。
だけど ”捕らえる”には
幾つか必要なものがあるのかも。

経験であったり、工夫であったり・・。

ある人が口にした「習うより慣れよ」

オレも何度も何度もバラして
悔しい想いをしたもんなぁ・・。
  







 「釣れると信じて待つだけ」

それは、まだ見ぬ獲物の気配があるから。

そして釣れなくても、次へのファイトが沸いてくる。


「信じるものは救われる」のか?
今年はあと何回この海を訪れるんだろうか・・。


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