Attention Please



 「本船はまもなく真鯛の上を通過します

     釣り座から離れず、自分の竿に集中してください。」






 「人が釣れてる時はチャンスなんだから気緩めちゃダメだよ!」


     濁声の船長のその言葉が全てだった。
これからの時期は凪ぎも珍しくないとか (☆_-)
それぞれの夢をのせて我が船は
凪いだ海をゆく




 御前崎沖、オモリはサバが多く、マダイの活性も低いので今回は凪ぎも良いので金州で一発勝負ということに。

 遠くに二、三ばいの船影が見える程度で、もちろん360℃水平線で陸地は見えないどの方角から潮が流れてるのかもサッパリ・・。
指示ダナは40mでのスタート。


 操舵室からは「今日はサバが多いなぁ・・」なんて不吉な声が・・。

最初こそ小サバが五月蝿いものの潮まわりを繰り返して居るうちに遠い水面にぷかぷか浮いて、ビシには反応しなくなった模様。
すると凪いだ水面へ真っ直ぐ垂れた穂先に「コツン」としたアタリ。
重量感はあるが、どことなくギコチナイ重さ。それこそ真鯛じゃないとすぐに判るような手ごたえ。12mの特製カブラ仕掛けを手繰り寄せると良型イサキのいっか。


良型イサキ乱舞でホクホクのマルソータさん


 何やらイサキ釣りの様相を呈して嫌な雰囲気の中、今度は鋭く竿が絞り込まれた。

手にした竿からはイサキとは違い重量感のある鋭い突っ込み。眠気を吹っ飛ばすに充分な手ごたえを丁寧にいなす。

が、何度かの突込みをかわしたところで「プッ・・」(屁じゃない)
先週、「今シーズンは真鯛でハリス切れがない。」と書いたばかりだったのに。痛恨のハリス切れ、先糸には飲まれた痕跡が・・。





船中一発目のマダイを取り込んだのは

出来レースの如く一番クジでスペシャルシートをゲットしたたけ様に!


丁寧で落ち着いたやりとりは見てても楽しい。


そして、その一枚が呼び水となった・・。


 みんなが気配を感じ取っていたはず。

イサキが釣れ・・餌さ取りが多くなり・・餌さ取りが居なくなる。
その流しは5回ほどの投入で繰り返される。
一投目ではイサキが・・二投目は二、三分で餌がとられ・・・。
狙いは最後の二回だ。


すると船長の濁声が

きてるよ!ほら!

 左胴の復帰戦となるひらいさんの竿が”オラオラー!”っと大きくお辞儀、竿を手にしてあわせを入れる。
へその下に立てた竿尻から鋭く弧を描いた竿からラインが出てゆくのがマーカーでわかった。デカそうだ。

慎重なやりとりをみながらカメラを手にして船べりからその姿を撮っていた時・・。前に聞いたような音を耳にした・・・。


ジー ジー ・・

 一瞬、手にしたカメラの液晶画面に視線を送るが同じ視界に白い竿が鋭く海面に突き刺さっているのが目に入った。
船長の「こっちも!」の声と同時に慌ててカメラを置き、竿を手にする。
ラインは止まらない。

この手ごたえは、あの時この船で感じたものと同じような感じだ。
一発目の走りをかわしてからドラグを徐々に締め始めた時だった・・喧嘩して切れたのではなく外れたような感触が手に・・・唇を噛み締め、握ったこぶしをひらくと全身から力が抜けた。



復帰戦を見事に飾った平井さん
見事エントリーサイズ





 その根にはまだ魚が居る・・なんとなくそんな感じがした。
右胴のマルソータさんは二回のハリス切れ、オレもハリス切れに”すっぽ抜け”。バラシ過ぎてるのが気になるところだけど、その根に集中して手返しを合わせる。

 船長は何度も丁寧に棚指示を出し、「餌さ取り多いから手返し早めてね〜」とか「良い反応が出てるよ」と同じところを流し続けた。

すると三度、キーパーに掛けた竿が突っ込んだ。

手ごたえはさっき抜けた奴には遥かに及ばないものの、キロは軽く超えてるであろういい感じ。鋭い突込みをかわし、楽しみながら上げたのは二キロ超。とりあえず「ホッ」。

背後で船長が

さっきバラしたのは まだでけーなー

(んなもんじゃねーなー)

 と、一刺し。(^^;;;


毎度良い釣りされてるなかじまさん



 ここの流しで4枚をゲット、バラシ4でアカイサキが多くなったので根を休めメダイと遊びに。

 8号三ピロで指示ダナ135mまで落とすと既に喰ってる入れ食い状態。
ほぼ空ビシ無しの強烈ファイトで二、三本のお土産確保したところで再び〆に真鯛の根へ行くもアカイサキが居ついちゃったみたい。


会長は二本針でメダイの強烈ファイトを堪能

 ハリス切れや、クッションゴム切れ・・青物の気配を感じさせる後半戦で辛くも真鯛を一枚追釣してRound3はジ・エンド。




 今回初めてオレに優しく接してくれた御前の海。
KOC企画の春の御前崎シリーズは次回の6/21でひとまず幕を閉じる。

 ・・そこで

   ・・どーか、も一度

      金州行かせてけろー (^^ゞ


バラシが効いたか?
それでも6人で良型6枚


special thanks

会長
ひらいさん
マルソータさん
なかじまさん
たけちゃん





 今年の”のっこみ”は如何でしたか?

伊豆方面も昨年同様イマイチだったようで、活況だったのは御前崎だけ?。それでもKOCはタイミング合わず煮え切らないシーズンでした。

結局今年の春も大鯛は拝めずに終わりそうです。
それでも毎度、夢を抱いて支度して、港をでてゆくあの雰囲気はいいですよね。



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