これから静寂に包まれようとする住宅街を出発したのは午前一時半・・・。
東名高速にむかう裏道で何故か一瞬記憶が遠のき、通り慣れたはずの道が判らなくなったのは偶然だったのだろうか。その時に後部座席から伝わってきた生温かい空気の動きは・・。それを感じたのは私だけだったのだろうか。

 東名高速をひた走ること、先行した横浜組を捉えたのはAM3:30を回った頃だった。
二台が合流すると何者かに足取りを妨げられるかのように急に速度が落ちた。次から次へとトラックに追い抜かれながら、それでも二台はゆっくりと吉田ICへと・・。

吉田ICを降りるとR150で御前崎港へ。
車窓から見える薄明るくなり始めた景色からは今までとは違う異質の静けさを感じる。
前回は時化で中止、前々回は雨交じりの時化模様。それに比べると久しぶりに好天に恵まれ条件が揃うかのように思われたのだが・・・。





その風車が止まる日はあるのだろうか?

 立ち寄ったコンビニで偶然出合った船長は確かに言ったよね・・。

   「今日は無風だし、凪ぎ過ぎて釣れねーかもよー
             しっかりコマセ撒いてくれおー!!


その容姿と濁声は確かに船長だったはずだのに。その不可解な言葉に引っかかったのは私だけだったのだろうか・・・。

 港に着くとそこは無風・・なのに港付近の風車はしっかり回っていた・・。




 始めて静かに港を離れ、舳でたけさんと釣り談義などを楽しんでいたところまでは良かったのに・・・。
なんでぢゃぁ〜

沖へ向うにつれ船はそれが当然であるかの如く、木の葉のように大きく揺れ始めたのです。
前回との違いは雨が降っていないだけ・・・。いつもより船首よりにキーパーをセットした事を後悔&怖;;;。

 ポイントに着くと舳から見る海面は面白いように上下し足元もままならず、とても立って釣りする状況ではなく、腰が引けてしまいます。
港で船長が言った「今日は凪だで、どこ座っても平気だお」の言葉を恨めしく思いながらも、今はじっと竿を握リ続けるしかないのです。やはり今回も条件は揃わなかった事を悔やみながらね・・・。

 その思いから殺気を感じ取ったか?全く魚信がありません。
たけさんは「竿先見つめると釣れないよ」ってなことを言ったりしてますが・・30分が過ぎ、1時間が過ぎ・・。フグ以外は何も釣れないんです・・・。

左舷舳から大物@、MKさん、KOC会長


恐るべしその曲がり

その竿が仕留めた獲物は?



水面には白い・・・(-_-;)

 たけさんKOC会長がチャリコを釣ったりもしますが”大きい”クーラーに似合う魚は依然顔を出しません。やっとの思いで顔を出したのは30cmほどのイサキ。他にも船中でキダイ、ハナダイと顔を出し始めますがとても”のっこみ真鯛”といった雰囲気ではなくなってきました。

 「泳ぎの下手なハナダイが釣れる時はよー潮がいってねーって事だよ」とは船長談。
潮変わりを待つしかないのか、前日までの模様のかけらも無い事に容赦なく睡魔が忍び寄ります。


右舷は舳からたけさんとマルソータさん



たけさんポカポカ陽気に思わず (-_-) Zzz・・

ここにも白いものが・・・


 天気だけはすこぶる良かったんですけどねー・・・。

潮変わりの時間を迎えた頃であろうか・・
なにが原因で釣れないのかを考えながらじっと穂先を見つめていると、何処からともなく呪文が・・・。

我々の釣行に災いを起こらんとする怨霊あらば
その穂先を大きく下にに下げて答えよ・・
   よいか、大きく穂先を下げて答えよ!」

そしてその怨霊は直ぐさまこの場を立ち去りなさい!!

そう、それはあの陰陽師とやらが説く、棒読みの台詞・・・。
 
すると、その時。うねりの中でも見逃さない力強い引き込み。よろめきながらも慌てて竿を手にする。はっきりとそして力強いその手応えで真鯛である事を確信した。上がってきたのは1kgほどで小ぶりながらも終盤になってようやく姿を表した本命に口元が緩む。

 この流しでで隣のMKさんも1枚をあげて確実に魚の活性が上がり始めていたのだが。
時既に遅し・・ラストの流しでMKさんとおいらが1枚を追加し、真鯛はラスト1時間で左舷2名で4枚と渋々で「御前崎・のっこみ真鯛」は幕を閉じました。


賑やかなれど・・・夢叶わず
カイワリ・真鯛・アジ・イサキ・キダイ・・惜しくも四目(^^;;;
そして上蓋裏には「大漁御守り」

 港に戻る時の海は昨年訪れた時の色を取り戻していた。
もう少し早くあの色が見れてたら違った展開があったのかも知れない。

それにしても”怨霊”は退散してくれたのだろうか。 その結論は次回?


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