2001年 レポート提出
『マーケティングとはお客を作り出す事である』
成長産業が行き詰まっていった現状は多々あるが、市場が満たされたからではない。
産業が成り立つのは、お客の存在があってこそである。
そこに気づかなく衰退した例として鉄道がある。
鉄道はお客の輸送業としての役割よりも、鉄道業として進めた結果、衰退し飛行機、
車に輸送の役割を持っていかれた。
ハリウッドにもケースはある。
ハリウッドも勘違いをして危機に陥った。
それは映画だけが、ハリウッドの象徴というおごりであった。
テレビは映画をさらに成長させる味方になり得た所を敵視してしまったため、危機に陥った。
上の2つのケースからでも、普遍性テーマが導かれる事を以下に例を挙げて述べていく。
それは、チャンスを逃した後でも、徹底してお客ニーズ志向に立ち戻れば再生できる
という事である。以下に例を述べる。
【製品会社デュポン社とコーニング社】
素晴らしい技術を両社とも持っているのもあったが、その技術を絶え間なくお客さ
んの創造に力を注ぎ込む事によって成功した。
分析の失敗によっても、挽回チャンスはある。鉄道にも勿論チャンスはある。お客は気
まぐれである。気まぐれなお客を掴む事もできると思う。欠けている創意性と技術に
よって再生するチャンスはある。
【成長産業になり得たと思った時点から後退が始まる。】
(例)ドライクリーニングのケース。ドライクリーニングは科学の発達、技術進歩によって衰退してしまっ
た。クリーニングしなくても良い製品の登場である。例えば、形態安定シャツが思い浮かぶ。
【電気の独占性】
電気は便利なものだ。代替性はない。だから電気だ。電気に替わる便利な進歩が
あった時に人々は口々に言うであろう。「電気に替わる物が出るとは思わなかったと。」だが、
その日も予測しておかないと、その日が訪れた時に電気は取って代わられるであろう。
【街角商店からスーパーマーケットへ】
スーパーマーケットが内に持つ革新力を持つ事を見抜けなかったため衰退。
ここでも街角商店が、表面的にスーパーマーケットを定義づけたためであった。
【鉄道へ(現在なら電子工学へ)と投資すれば間違いはないという思い込み。】
上に述べてきたケースを見ても、成長産業のままであり続ける保証はないのである。
断言できる。成長産業のままである保証はどの産業においても存在しない。
成長産業と言う名の元におごりが生まれてくる。
バブルに似た感じとも受け取れる。
「産業は、顧客⇒満足の過程であって、財⇒生産の過程ではないという見方を全ての
ビジネスマンが理解する事は極めて重要である。」
まさにその通りである。良い製品が必ずしも売れる訳ではない。また、市場でニーズ
を得ていても新製品を投入すれば自動的に売れる訳ではない。そこにはマーケティン
グが常日頃行う考えを必要としている。お客の欲求を見付け出し、または創造し、お
客に提供し、満足してもらう流れこそビジネス・プロセスである。それが産業の生き残る道。
【結論】
鉄道の行く末を誰が予想したであろうか?
だが、鉄道は安泰、それを予想したのも同じようなものである。
企業の運命を決めるのは経営者である。
経営者にこそ、顧客志向創造性があるのは勿論だが、企業は組織である。その向って
る方向性を内部(従業員)や外部(お客)に示すのも経営者の力量である。その力量
次第で成功も衰退もあり得るのである。改めて顧客創造に価値を見出す事こそ、時代
の流れに沿える。