サイバー・アナログ速記講座

速記の練習方法

「書庫」のところでも触れましたが、書くためにはまず、読めなければどうにもなりません。


速く書くためには速く読む練習をたくさんしてください。

速く読めれば速く書けるものです。

漫然と読むだけでは速くなりませんから、時間を測って読むのが効果的です。

 ついでですが、速記文字を速く読むためには、普通の日本語を速く読む練習も必要です。

速く書けないのは、要するに、頭が速く働いていないからです。

頭の中で速記文字がはっきりと思い描ければ、自然に速く書けるようになります。
文字のイメージがあいまいだと、書くまでに時間がかかったり、
乱れた文字になって、後で読めなくなったりします。





ゆっくりきれいに書くことを続けると、文字のイメージをはっきり持てるようになります。
 そのとき、手先に余りとらわれず、頭の中できれいに書くよう心がけてください。
 頭の中できれいに書ければ、実際の文字もきれいになっています。
そうすると、速く書けるようになります。


書いた速記文字は必ず読み返すようにしましょう。

書くことばかりに熱中すると、
いつの間にか
短い線と長い線の比率がおかしくなっていたり、
角度が違っていたり、
直線と曲線の区別がつきにくなっていたりします。

必ず読み返して、自分を振り返りましょう。

時間を置いて読み返してもすらすら読めるように書けるようになったら、
速度も自然に上がるはずです。


短い線と長い線の区別がつきにくい人は、
 1 : 2 の比率を
1 : 3  ぐらいにしてみると読みやすくなります。

後で「最大線」というのが出てきますが、
短い線と長い線と最大線の比率は
  1 : 3 : 5
ぐらいのほうが、書きやすく、読みやすく、また、美しいです。

実際、1 分間に 300 文字以上の高速になると、
「最大線」は書き殴る感じになるので、
自然に 1 : 3 : 5 とか 1 : 3 : 6 ぐらいの比率になってきます。


※ 直線と曲線の区別がつきにくい人は、曲線を少しオーバーに曲げて書いてみてください。


自分なりにきれいに書けるようになってから速く書く練習をしてください。

きれいに書けないうちに速く書く練習をしても全くむだです。

数千に及ぶ速記の簡略法を記憶しても、それを瞬間的に思い出せなければ、結局速く書くことはてきません。
音を聞いて速記文字が瞬間的に頭に浮かぶようにならなければ、高速度の速記はできないのです。

それよりは、速記基本文字を少しでも速く書けるように練習するほうがよほど有益です。

速記基本文字を速く書くためには、速記文字のはっきりしたイメージが必要です。

はっきりしたイメージを持つための一番の近道は、頭の中できれいに書くことです。

逆に、きれいに書けるようになったら、その後、飛躍的に伸びます。
それを信じて、きれいに書くよう心がけましょう。




最初のうちは、五十音や「いろは歌」をきれいに書く練習をするといいでしょう。
一つずつていねいに書いてください。

「あいうえお…」はわかるとして、念のため、「いろは歌」を記しておきます。

いろはにほへと ちりぬるを  わかよたれそ つねならむ
ういのおくやま けふこえて   あさきゆめみし えひもせす

(色は匂へど 散りぬるを  我が世誰ぞ 常ならむ
有為の奥山 今日越えて  浅き夢見じ 酔ひもせず )

「桜の花の色は美しく照り映えるけれど、すぐに散ってしまう。
(それと同様に)我々人間の世も、だれがいつも変わらずにいようか。(いや、いつも移り変わり無常だ。)
無常の世のような奥山を今日超えて行くような人生で、
浅い夢を見るように眼前の事象に惑わされず、世の出来事に酔いしれないようにしよう。」


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