作品名 | 異国の星 |
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さくひんめい | いこくのほし |
初出紙 | 日本経済新聞[3] |
連載期間 | 1983年6月1日〜1984年3月31日[3] |
連載回数 | 298回[3] |
文庫/全集 | 巻 | 文庫本名/副題 |
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講談社文庫 | - | 異国の星 |
おなまえ | 記事No. 日付 |
書き込みから |
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ヘディンさん | [1098] 2003/09/14 |
井上靖さんの作品を読んでいると、戦争で大陸に渡った時の経験を基にした描写がしばしば見られますよね。とりわけ講談社文庫の『異国の星(上)』に収められている「あの夜の兵士へ」という作品は私の最も好きな作品の一つです。タクラマカン砂漠の南縁に位置するチェルチェンという小さい集落で過ごす静かな夜に「貴方のことが思い出されて来、堪らなく貴方にお便りを差し上げたくなった」と名前も知らぬ兵士へ語り掛ける作品です。大陸に渡ってどんな景色を見て、そのように感じられたのか、一度訪れてみたいなぁと思っています。 |
カシュガルさん | [1100] 2003/09/15 |
ヘディンさん 思い出しました。そんな作品ありましたね!本は実家にあるので詳しくわかりませんが、東北なまりの人がいっしょに銃の部品を探してくれるという作品ですよね?違うかな?「命ありて帰還の途次に仰ぎ見る、あわれ夕暮れの富士を忘れず」という短歌も載ってたような。とってもいい作品ですよね。感動した記憶があるのですが、あるはずなのですが、すっかり忘れていました。お恥ずかしいかぎりです。よくよく考えると井上靖も戦争体験を作品に生かしているんですよね。 |
ヘディンさん | [1101] 2003/09/15 |
東北訛りの兵士が一緒に銃の部品を探してくれるのは、やはり「異国の星」(上)の「あの夜の兵士へ」の3作あとに収められている「富士を詠える兵士に」という作品だと思います。これも同じ様に大陸での兵隊時代の話で、いい作品ですよね。「あの夜の兵士へ」は、元氏から石家荘へ向かう超満員の無蓋貨車に、病気で苦しんでいる井上靖さんの乗るスペースを作ってくれる名も知らぬ兵士についての話です。どちらの話も、靖さんが歩かれた大陸の平原での話で、同じ空気をその作品の中に持っていると思いますが、後の「風濤」や「孔子」等の作品の中で、当時の体験を基にした描写と思われるものを幾つか見ることができます。やっぱり戦争体験は、井上靖さんにとっても大きな物だったんでしょうね。 |
[3] 井上靖全集別巻〜井上靖作品年表・井上靖書誌