作品名 | 欅の木 |
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さくひんめい | けやきのき |
初出紙 | 日本経済新聞[1] |
連載期間 | 1970年1月3日〜8月15日[1] |
連載回数 | 224回[1] |
文庫/全集 | 巻 | 文庫本名/副題 |
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文春文庫 | - | 欅の木 |
井上靖小説全集 | 30 | 夜の声・欅の木 |
井上靖全集 | 20 | 長篇13 |
おなまえ | 記事No. 日付 |
書き込みから |
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スモールパインさん | [949] 2003/04/07 |
本作は小説ですが個人的には社会派時事エッセイといったところでしょうか。プロットは他の小説やエッセイ等と重なるところが多々ありますので、氏自身肩肘はらずに気楽といっては失礼ですが何やら思うままに筆を進めたのかなと感じました。主人公は氏自身だと思いますが家族との様子などは実際にあったことを取上げているんではなかろうかと思いまして、作品冒頭の主人公の苦虫噛み潰したような独白などは可笑しいですね。 作品は常に欅が中心となって進んでいくのですが一番衝撃を受けたのは中盤の戦友と再会した夢の話です。一見作品とは関係性がなさそうですが、個人的に本作はエッセイと考えているので、この頃の氏の心の変遷や中年を過ぎて感じるものがあったと思われます。再会描写部分は10頁程ですが小生心がひどく動揺しました。夢のはずなのに真実と錯覚し心が痛かったです。亡き友との再会がこんなにも哀しいものとは。氏がなぜ戦争体験を題材にした作品を書かなかったか理解できた様な気がしました。書かなかったのではなく、書こうにも出会った戦友達やその家 |
いずさん | [953] 2003/04/10 |
何度も声に出して笑ってしまいました。エコや若い記者とのやり取りが好きです。 戦友との再会場面は涙が出ました。井上氏の作品の中でここまで胸に迫る感情を感じたのは初めてのような気がしました。というのも井上氏の自身の声なのかと思うととても胸が痛みました。 |
[1] 井上靖ノート