作品名 | ある落日 |
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さくひんめい | あるらくじつ |
初出紙 | 読売新聞[1] |
連載期間 | 1958年4月12日〜1959年2月18日[1] |
連載回数 | 310回[2] |
文庫/全集 | 巻 | 文庫本名/副題 |
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角川文庫 | - | ある落日 |
井上靖小説全集 | 19 | ある落日 |
おなまえ | 記事No. 日付 |
書き込みから |
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yakkoさん | [1058] 2003/07/16 |
「ある落日」を読んで、「通夜の客」等不倫の作品は先生の中でもいくつかありますが、若くて聡明という女性が不倫を続けているという設定は珍しいと思いました。「憂愁平野」も一線を越えてしまうのですが、関係は続けませんでしたし。しかし不倫とは言っても、清子のひたむきな気持ちと悲しさが、嫌悪感を抱かせませんでした。それどころか相手の小杉の邪心なく清子を求める姿に、私なんかは二人の仲に納得までしてしまったのですが、先生は人生に正しさを求めたようです。作者の目に、胸を衝かれました。 解説で現代の女性が清子の生き方に同感するかどうか、とありましたがこの問題は時代を問わない問題であろうし、決して古い型の女性には思えません。現代映画でリメイクしたら、とても面白いものができそうなんですけど。特に人生に高みを求める姿勢は、今も昔も大切な主題だと思います。 人生に高みを求める生き方、それを強く感じた作品でしたが、同時に先生の生きることに対する姿勢が、ところどころに表れた印象的な作品の一つになりました。お勧め印をつけましょう。しかし、ますみ嬢の子供くささには小説を離れて腹をたてました。実際、ああいう子っていますよね。余りにもなリアルさに未だ、ますみ嬢にカリカリしています。。 |
映画の題名 | ある落日 |
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制作 | 松竹 |
監督 | 大庭英雄 |
封切年月 | 1959年3月 |
主演俳優 | 岡田茉莉子、森雅之 |
[1] 井上靖ノート
[2] 旭川市・井上靖記念館ホームページ