作品名 | 白い風赤い雲 |
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さくひんめい | しろいかぜあかいくも |
初出誌 | 主婦の友[1] |
連載期間 | 1956年1月号〜12月号[1] |
文庫/全集 | 巻 | 文庫本名/副題 |
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角川文庫 | - | 白い風赤い雲 |
井上靖小説全集 | 20 | 渦・白い風赤い雲 |
おなまえ | 記事No. 日付 |
書き込みから |
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ヘディンさん | [1159] 2003/12/01 |
主人公は母子家庭に育つ男の子なのですが,少年時代の心細さ,寂しさがうまく表現されていて,自分の少年時代を思い出し,なんとも切ない気持ちになります。(私はまだ父親も健在ですが…)こういう男の子の微妙な気持ちを書かれた井上靖さんというのは,やはり心優しい人だったんだろうなと思いながら読んでいます。 |
座禅草さん | [1161] 2003/12/19 |
「春ちゃんとか言うやさしいお姉さんがでてきませんでしたか。 そのお姉さんに連れられてお金持ちそうな家に行く箇所がありました。 大人の話に飽きてしまって、その客間に飾られている高価そうな人形の白い顔に、そっと触れて見る場面をおぼえていますよ。 すると人形の顔に指あとが黒く残こり、あわてて唾なんかを付けてきれいに拭こうとしたのに、汚れはもっと広がってしまう。 主人公の男の子はすっかり嫌気がさして、「おうちに帰る帰る」と騒ぐそんな場面。なんだか男の子のビックリした様子に実感があったので、おぼえているのですが。。 |
ヘディンさん | [1162] 2003/12/20 |
確かにそんな場面,ありましたよね。この「白い風赤い雲」という作品の中で,大した事でもない失敗などで急に泣き出したり,ささいな事でふと心細くなったりする主人公の,子ども特有の発作的な感情の吐露が自分の少年時代の実体験と重なって,何とも切ない気持ちになりました。他の作品とは趣が全く異なりますが,大切にしたい作品の一つになりました。 |
[1] 井上靖ノート