白い牙

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作品情報

作品名 白い牙
さくひんめい しろいきば
初出誌 新潮[1]
連載期間 1951年1月号〜5月号[1]
連載回数 5回[1]

収録状況

文庫/全集 文庫本名/副題
集英社文庫 - 白い牙
角川文庫 - 白い牙
井上靖小説全集 2 黒い潮・白い牙
井上靖全集 8 長篇1

掲示板から

おなまえ 記事No.
日付
書き込みから
yakkoさん [980]
2003/05/11

先生の小説は、全体に詩的なものが流れていると思いますが、これは本当に詩のイメージが強く、文章もため息が出そうなくらいに美しかったです。先生の小説の中でも、これは異色な作品の感がありましたが、十代の少女の多感な内面をこれ程書かれているは、本当に珍しく思えました。

洪作さん [985]
2003/05/14

モチーフ自体は割と馴染みのあるものですが、あそこまで女性が主観的な視線で描かれているのは珍しいですよね。

座禅草さん [995]
2003/05/20

「・・南方から大陸にかけての所謂激戦地というもの・・・あそこには激戦地と言われるような騒々しいものは何もなかった・・戦闘の行われている間中ただ絶えず硫酸の霧のようなものが自分に降り注ぎ、自分の肉体や精神を爛れさせていたと思う。そんな暗い冷たいものが自分を取り巻いて吹き荒んで・・どこからともなく自分を腐食させていく細かい硫酸の霧の降っている時間の中で、常に自分は絶対に一人だったと思うのである。あそこには何があったというのだ・・」

〈主人公沙夷子の恋人の心の呟き〉

この箇所でいつも私は涙です。だって、彼に必要なのは戦争の心傷を癒す専門のカウンセラーのはずで、水晶のように固く鋭い少女ではなかったはず・・本当にその後二人はどんな人生を過ごしたのかな・・・。

映画化情報**

映画の題名 白い牙
制作 松竹
監督 五所平之助
封切年月 1961年6月
主演俳優 佐分利信、牧紀子

参考

[1] 井上靖ノート

[2] 旭川市・井上靖記念館ホームページ

文庫本限定!井上靖館作品