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河川の両側に出来るテラス:河岸段丘

  この写真は虚空蔵山山頂から上田市街地を眺めたところです。青く示した線の右が現在の千曲川です。写真奥から手前に流れ下っています。赤く示した線のそれぞれ左・色の濃い部分には線状の林が続いています。この林は土地利用のしづらい崖のラインと一致しています。崖に対して写真向かって左側の方が高くなっています。写真中ほど右に見える上田城もこの崖の一部を利用して造られています。左の赤線の崖上は「染谷台」と呼ばれていて、40〜60mの高低差があります。

なぜ、このような崖のラインができたのでしょうか。  それは、川による堆積と浸食に関係があります。盆地は川が運んできた土砂が堆積してできていますが、地盤の隆起や下流側の堰き止めが解かれるなどにより川の浸食力が復活すると堆積部分を削り谷を造り始めます。ある程度侵食が進んで侵食力が弱まると今度はその谷の中で堆積が始まり、平坦な部分ができます。このようにして階段状の地形・河岸段丘はできるのです。この浸食と堆積が繰り返されると多段の河岸段丘になります。信濃川により生じた津南町の9段に及ぶ河岸段丘が有名です。平坦な部分を段丘面、崖部分を段丘崖といいます。