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山がシマウマ?:縞枯れ現象

 北八ヶ岳付近では、針葉樹林が帯状に枯れて何本もの縞になっているのが観察されます。この写真はその典型で、山の名前にもなっている縞枯山(2403m)の南側斜面です。ほぼ等高線に沿って帯状に枯れているのが特徴です。縞枯れの帯は1.7m/年のスピードで上昇しているそうです。

 縞枯れ帯の中はどうなっているのでしょうか。この写真は茶臼山(2384m)の縞枯れ帯を通過したときのものです。立ち枯れた木の下では既にシラビソなど、同じ種類の幼木が育っていました。

 縞枯れ現象はなぜ起こるのでしょうか。この現象が起きている土地の共通点をみてみることにします。すると、主に南から西の斜面に見られ、林床では溶岩などが多く露出して土壌が乏しく、針葉樹林帯であることが共通しています。針葉樹は広葉樹に比べて根の張り方が弱く、幹が折れたりすると根まで枯れてしまうという特徴があります。針葉樹はアクシデントに弱いのです。このことから次のことが推測できます。溶岩上の乏しい土壌の上で高く成長した針葉樹は、台風などの南西方向から吹く強風で倒れ枯れてしまいます。すると、その上部には日光や風が通りやすくなって土壌環境が変わる上に風当たりも強くなるので、こちらの樹木も枯れてしまいます。さらにその影響が上方に波及するという具合で縞枯れになったと考えられています。このような理由のため、どの縞も一定のスピードで上昇し、縞の間隔が一定距離以上短くなることはありません。