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太郎山の逆さ霧

もくじ

要約
逆さ霧の解説逆さ霧の写真類似する気象現象
逆さ霧の発生と気象逆さ霧が発生しなかった例
考察結論
参考資料謝辞

要約

長野県上田市で発生する逆さ霧とは、市北部の太郎山(1164.3m)〜虚空蔵山(1076.9m)の稜線を超えて坂城町側から上田市側に滝のように流れ下る層雲のことをいい、春や秋の天気の変わり目で発生しやすいことが知られています。2007年9月10日に逆さ霧を撮影しましたのでその様子を示すとともに、気象庁や高知大学が提供している気象データを利用して、逆さ霧の発生のメカニズムを明らかにしていきたいと思います。

逆さ霧の解説  逆さ霧とは・・・

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 逆さ霧とは、上田市北部にある太郎山(1164.3m)〜虚空蔵山(1076.9m)で見られる気象現象で、春や秋の天気の変わり目に、その尾根を超えて滝のように流れ下る層雲のことをいいます。
 この地形図でわかるように、上田市の北部には(虚空蔵山〜太郎山〜大峯山〜鏡台山)の山脈があって山稜がまるで箱のような形状をしています。そして、虚空蔵山の西端は千曲川によって浸食された下塩尻岩鼻とよばれる断崖絶壁になっています。さらに千曲川を渡ってそのすぐ西にも三ツ頭山(922m)をはじめとした山地があるため、岩鼻地区の平地は最も狭いところでわずか750mほどしかない狭隘部となっています。この狭隘部以外、上田市は以北の地域と平地で通じているところがありません。そのため上田市側と坂城町側の空気の循環が妨げられており、そのことが逆さ霧発生の一因と考えられます。
 逆さ霧発生の最も大きな要因は気象の変化ですが、天気予報が大規模コンピュータを用いても難しいように、気象現象の発生予報は一筋縄ではいかないでしょう。しかし、発生した事例を集めていけば逆さ霧が発生するのに必須な条件が予想できるのではないかと考えられます。そこで、ホームページやブログなどで逆さ霧の発生日時を知り、そのときの気象状況を気象庁発表のデータを用いて調べてみたいと思います。本来ならば、坂城町と上田市の気象データを用いたいところですが、坂城町の情報が発表されていないのでここでは長野市のデータで代用しました。長野市と上田市の気象観測は、それぞれ善光寺の東にある長野地方気象台(標高418m)と上田市古里(こさと:標高502m)にある地域気象観測所で行われています。それそれ上記Googleマップ上に目印を付けていますので参照ください。

逆さ霧の写真

 左の写真は、2007年9月10日16時30分頃に見られた逆さ霧を撮ったものです。常田新橋の下流左岸(上記のGoogleマップの観察地点1:諏訪形グランド)から撮りました。このように稜線から雲があふれ出るように下っているのがわかると思います。手前に流れるのは千曲川で、右の三角の山は太郎山から南に延びた支脈の一部です。
   5秒に1枚の割合で撮った写真をつないで1秒ごとに動く動画(5倍速)にしました。このように、かなり速く雲が下り、中腹で消えていくのがわかります。
 この写真は、下之条の中山ヤナ(観察地点2)から北東方向に向かって撮った写真です。こちら側からは観察点1よりも逆さ霧に近づけます。17時40分撮影。
 逆さ霧の量が徐々に少なくなっているようです。空にかかる雲の量も大分少なくなりました。この後、雲が切れて日が射し始めました。
 これは大望橋右岸の千曲川バラ公園(観察地点3)から南東の太郎山方向を撮った写真です。18時15分撮影。
 太郎山の裏側(=北側)の様子が観察できます。低くたれ込めた雲(層雲)が北よりの風で山に押し付けられていました。ここで逆さ霧の元になる雲が作られていたのです。
 この写真は上と同じ観察地点3から北方の鏡台山〜五里ヶ峯を撮ったものです。この尾根は太郎山〜虚空蔵山の尾根とほぼ平行となっています。そのため、上田市で逆さ霧が発生しているとき、この五里ヶ峯にも雲がかかりやすいのです。従ってこの山にかかっている雲の様子を見れば上田市で見られる逆さ霧を予想できるかもしれません。ただし、こちらは雲の下降が弱く上田市で見られるような逆さ霧とは違っています。

類似する気象現象

逆さ霧に類似する2つの気象現象について下記で簡単に解説します。  滝雲とは、山稜を乗り越えて風下側に流れ落ちていく層雲や層積雲のことをいいます。標高の高い山上で朝夕の晴天時に見かけることが多いのですが、曇天時の西風で滝雲が生じているときには天気が下り坂へと向かっていることもあります。滝雲は必ず雲海に付随するので、雲海の発生しやすい夏に最も多く見られます。
 NTV系のテレビ番組「世界の果てまでイッテQ!」でリポートされました。以下その要約です。
 イスラエルにある「ラモンクレーター」で、約2週間に一度、雲が滝のように山肌を流れ落ちる現象が見られるそうです。その「雲の滝」現象は、朝、クレーター内の空気が太陽光に暖められ上昇するときに周りの雲を引き込んで起きます。
 ラモンクレーターは、エルサレムから南へ250kmほど行ったゲネブ砂漠の中にあります。標高は約800mで、長さ40km、幅9kmの大きさは世界最大級のクレーターといわれています。8千万年前に隆起した大地が浸食されてできた溝で、高低差約400mほどの断崖絶壁を持っています。
 ラモンクレーターをGoogleマップで調べてみました。こちら。この地図上ヘブライ語でと書かれている場所は、クレーターの展望ができる観光地の「ミツペ ラモン」です。

逆さ霧の発生と気象

ホームページやブログなどで逆さ霧の発生日時を知り、そのときの気象状況を気象庁日々の天気図 過去の気象データ検索)と高知大学気象情報頁保存書庫)で調べました。
逆さ霧の例
逆さ霧の発生時刻がほぼ特定できる情報だけを用いました。
 左:発生日の朝9時の天気図
 中:発生時刻の衛星写真
 右:逆さ霧の写真(アップロードしていないのは出演交渉中)
例1 撮影日 2005年12月2日 15時半頃
日本海北部に寒気の吹き出しを示す筋状の雲が見られます。北日本で等圧線が縦に多数並び冬型が強まりました。北海道南部に中心を持つ低気圧があり、そこから延びる寒冷前線が本州を通過しました。
  長野市では明け方に1時間あたり1mm程度の雨が降りました。上田市では雨の観測はありませんでした。
  逆さ霧発生時(15時)の気温と風向風速:3.8℃(長野市) 5.8℃(上田市) :東2.6m/s(長野市) 西1m/s(上田市)

例2 撮影日:2006年4月20日 昼頃
日本海西部で寒気を伴う低気圧が発達し、そこから延びる寒冷前線が本州を通過しました。このため山陰や北海道など各地で大雨や暴風となり、神奈川県では突風の被害も出ました。
  長野市と上田市では7時から11時にかけて雨が降り気温も下がりました。その後、急速に天気は回復しましたが、気圧は950hPa(長野市)程度と前日(970hPa程度)に比べて下がったままでした。
  逆さ霧発生時(13時)の気温と風向風速:7.1℃(長野市) 9.5℃(上田市) :東5.1m/s(長野市) 西南西2m/s(上田市)

例3 撮影日:2006年5月20日 08:43
暖かく湿った空気が残っているところに寒冷前線の通過に伴って寒気が流れ込んだため各地で大気の状態が不安定になりました。関東甲信越では雷雨や突風の発生したところもあり、14時に佐久で39mm/hの雨を観測しました。軽井沢では直径14mmのひょうが降りました。
  長野市と上田市で前日の夜から明け方にかけて雨が降りました。その後、時々晴れ間も見えました。上田市で7時代の日照時間は0.3時間でした。
  逆さ霧発生時(9時)の気温と風向風速:22.4℃(長野市) 22.7℃(上田市) :北北東3.4m/s(長野市) 西1m/s(上田市)

例4 撮影日:2006年7月27日 11:41
山陰沖〜中部地方に停滞した梅雨前線が、二つの高気圧に挟まれています。そのため前線の北側では低温に、南側で高温になり大気の状態が不安定となりました。愛媛県で激しい雨が降り、天竜市(静岡)で最高気温37.3℃を記録しました。
  長野市では5時から9時にかけて雨が降りました。一方、上田市で雨は観測されませんでした。
  逆さ霧発生時(11時)の気温と風向風速:22.6℃(長野市) 25.5℃(上田市) :東南東2.1m/s(長野市) 西1m/s(上田市)

例5 撮影日:2007年3月25日 15:45
日本海を低気圧が北東に進み寒冷前線が本州を通過しました。全国的に気温は高めで最低気温は4月中旬〜5月下旬並みでした。(能登半島で地震が発生し輪島市など震度6強)
  長野市では前日の夕方から11時にかけて、上田市でも2時から10時にかけて断続的に雨が降りました。
  逆さ霧発生時(16時)の気温と風向風速:8.9℃(長野市) 11.2℃(上田市) :東北東3m/s(長野市) 西北西1m/s(上田市)

例6  撮影日:2007年9月10日 16時30分
日本海に寒気を伴った低気圧があり、三陸沖を台風10号が北進し、沖縄付近には熱帯低気圧があります。それらに囲まれた本州は弱い気圧の谷に入っています。この天気図には書かれていませんが、本州上に停滞前線が存在しています(当日気象庁発表の天気図には前線が記されていました)。熱帯低気圧から湿った空気が東日本に流れ込んだため、この前線が刺激され近畿より北で激しい雨が降ったところもありました。また。黄海に中心を持つ高気圧から能登半島方向に等高線が舌のように張り出しています。
  長野市と上田市では明け方に0.5〜1mm程度の弱い雨が観測されています。
  逆さ霧発生時(16時)の気温と風向風速:22.1℃(長野市) 23.2℃(上田市) :東3m/s(長野市) 西南西1m/s(上田市)

例7 撮影日:2008年9月26日 昼頃
本州上を前線が南下して西〜東日本の広い範囲で雨になりました。前線の南側では南よりの風が吹き込み、蒸し暑くなりましたが、前線通過後は北からの冷たくさわやかな空気に入れ替わり、気温と湿度が下がりました。
  長野市では前日の夜から午前中にかけて雨が降り続きました。上田市では2時と9時に0.5mmの雨を観測しています。
  逆さ霧発生時(12時)の気温と風向風速:16.8℃(長野市) 20.2℃(上田市) 北東4m/s(長野市) 西南西1m/s(上田市)

上記の七つの例から天気図に幾つかの特徴を見いだすことができます。その一つは、北海道付近にある低気圧から寒冷前線や停滞前線が本州に延びている気圧配置です。例1、例2、例3、例5、例7が相当します。これを寒冷前線通過型とよぶことにします。二つ目は、南北二つの高気圧に挟まれて停滞前線が本州上にある例4の形。これを停滞前線南下型とします。そして三つ目は、日本海にある寒気を伴った低気圧、三陸沖を北上する台風、そして沖縄付近の熱帯低気圧に本州が囲まれ気圧の谷に入っている例6の形です。これを気圧の谷通過型とします。この三つのタイプを代表して例2、例4、例6についてさらに詳しい気象データを用いて解析したいと思います。

例2、例4、例6の気象データを下のインラインフレーム中に示します。青が長野市、黄色が上田市のデータです。灰色に塗られたセルは逆さ霧発生中のデータを表しています。それよりも早い時間や遅い時間については未確認のため灰色表示にはしていません。当然灰色表示よりさらに長時間に渡って逆さ霧がかかっていたのは間違いありません。風向の数値化は、(北風=0)(東風=4)(南風=8)(西風=12)というように風向を整数に割り当てました。例えば北風は0と同時に16の数字が割り当てられ、1対1に対応しないという欠点がありますが、ここでは風向変化の傾向が把握できれば良いので簡便さからこの方法を採用しました。
例2 2006年4月19日午前1時から20日24時のデータ


例4 2006年7月26日午前1時から27日24時データ


例6 2007年9月9日午前1時から10日24時データ


上記のデータを用いて気温と風のグラフを比較します。左側が気温のグラフで右側が風のグラフです。灰色の帯は逆さ霧がかかっていたことが証明されている時刻を示しています。風向のグラフで線が途切れている所はその観測時に無風であったことを示しています。
例2
寒冷前線
通過型
例4
停滞前線
南下型
例6
気圧の谷
通過型

類似した天気図でも逆さ霧が発生しなかった例


 オホーツク海に中心を持つ発達した低気圧から寒冷前線が北日本〜西日本に延びています。北日本の日本海側と北陸山陰で所々雨が降りました。前線通過後は気温は急下降しました。
  長野県北部は14時〜15時にかけて前線が通過しました。長野市では13時に29.1℃あった気温が15時には一気に20℃まで下がりました。しかし、長野市、上田市共に雨は観測されず、7時〜14時は晴天でした。
  気圧配置、気温変化、風向変化とも上記の逆さ霧発生の条件を満たしているようにも思えましたが、実際には逆さ霧はかかりませんでした。気象衛星の写真でもわかるように、長野市方面で予め雨が降らなかったことが一因です。今回、雲の中心は日本海にありますが、逆さ霧がかかる場合は、雲の連なりが本州上にあることが多いです。また、坂城町は南西の風がふいて雲の流れは摺鉢山方向に向かっていて太郎山には全く雲がかかっていませんでした。このように微妙な気象条件の違いによって、発生しそうな気圧配置でも逆さ霧は見られないことがあります。

考察

 Googleマップの地形図は鳥瞰図になっているので山の様子が立体的に理解できます。坂城町は、「葛尾城跡〜五里ヶ峯〜鏡台山〜鳩が峯(1319.4m)〜大道山(1289m)〜大峯山(1327.3m)〜太郎山(1164.3)〜虚空蔵山(1076.9m)」といった山に囲まれています。その稜線をつないだ形は「コの字形」であり、まるで箱のように坂城町側に低層の雲(層雲)をせき止めるのです。その中でも上田市との境界にある太郎山〜虚空蔵山は、その他の稜線よりも標高が低いので、ここから層雲が溢れ出やすいと考えられます。さらに、坂城町と上田市は岩鼻地区の狭隘部以外は平地ではつながっていません。そのため、上田市側と坂城町側の空気循環がかなり制限されて気温差が生じやすくなるなど、地形が逆さ霧発生に関わる気象条件に影響を与えているのは間違いありません。

 次に気象条件ですが、大きく分けて四つ挙げられます。気圧配置、雨、風向、気温差です。逆さ霧が発生するためにはこの四つの条件が全て満たされる必要があります。  逆さ霧が発生しているときは、日本海に低温の高圧部があり、本州の中央に低圧部がある気圧配置になります。低圧部には寒冷前線か停滞前線が必ずと言っていいほど存在します。北海道付近に中心を持つ低気圧から延びる寒冷前線が本州を通過したとき(寒冷前線通過型)などにこの気圧配置になりやすいといえます。これは、春や秋に低気圧と移動性高気圧が交互に通過していく過程で見られやすいので、逆さ霧は春と秋に多く見られるのです。また、南北2つの高気圧に挟まれた停滞前線が長野を南下したとき(停滞前線南下型)でも、日本海側が高圧部、本州中央が低圧部となりこの条件に合致します。前線がはっきりとしなくても、気圧の谷が通過した後に高気圧の勢力が日本海側に延びてきているようなとき(気圧の谷通過型)でも、一時的に日本海に高圧部、本州の中央が低圧部となります。  長野市側で雨が先行して降ることが必要です。これは、逆さ霧に水蒸気を供給するために欠かすことのできない条件ではないでしょうか。山を近くで見て暮らしている人は気づいていると思いますが、雨の後、標高1000mに満たない里山の山腹にも、霧のような雲がまとわりついていることがあります。低層の霧や層雲が作られるには温度低下の他に雨による水蒸気の供給が必要なのです。
 雲の画像は気象衛星を利用します。ここで利用したのは赤外線画像だけでしたが、この他、可視画像や水蒸気画像が提供されています。こちらも解析に加えると新たな知見が得られるかもしれません。赤外線の衛星画像では雲の高度が高いほど白く写ります。従って、逆さ霧に関わるような層雲は赤外線画像にはほとんど写りません。しかし、上記の各例で見られるように、逆さ霧が発生するときには本州上にはっきりとした雲の連なりがあることが多く、その影響で全国的に荒れ模様になっています。逆さ霧は、安定した天候で突然現れるのではなく、全国的に荒れた気象状況のもとに現れやすいと言えます。  長野市で、今までと変わって東寄りの風がふきはじめると逆さ霧発生の可能性が高まります。このとき坂城町では太郎山に向かって北西の風が吹きつけています。地形の影響が全くなければ長野市でも北西の風がふいているはずなのですが、長野地方気象台は、地附山(ぢづきやま)の山頂から南東に1.5km位のところにあって山麓にたいへん近いため、風向はそれに大きく影響され坂城町の風向と異なる結果になるのです。一方、上田市では逆さ霧の発生で西寄りの風に変化します。これは、山を越えてきた風と岩鼻の狭隘部を通って上田市内に流れてくる冷気が合成され西風になるためです。  逆さ霧がかかるときは、上田市よりも坂城町の気温が低くなくてはなりません。山肌に沿って逆さ霧が下るためには坂城町側にある空気の方が上田市の空気より冷たく重い必要があるからです。坂城町のデータの代わりに長野市のを代用していますが、それでも同じように気温差が認められました。各例の気温差グラフからも、「逆さ霧がかかっているときは、必ず上田市よりも長野市の気温が相対的に低くなっている」と断言できるのではないでしょうか。
「類似する気象現象」の項で書いたように、「ラモンクレーターの雲の滝」は、クレーター内の空気が太陽光に暖められ上昇するときに周りの雲を引き込んで起きる、とあります。雲が滝のように下る現象には、山稜によって隔てられた区域の温度差が重要なようです。ラモンクレーターの場合は、太陽光がクレーター内部の温度を上げていました。逆さ霧の場合も同様に、上田市の天候が長野市側より先に回復し、日照によって上田市の気温が上がる例(例1、例4、例7)も見られました。しかし、この現象の主たる原因は日本海にある高圧部から低温の風が流れ込んでくるため起きていると考えられます。これにより、北にある長野市〜坂城町で上田市よりも低温となるのです。  それ以外のデータは逆さ霧となにか関係があるでしょうか。  逆さ霧は前線通過後に起きやすいために、発生前日に比べて必ず気圧は下がっています。しかし、気圧が上昇に転じたときに逆さ霧がかかることもあれば上昇前に発生することもあります。そういう訳で、逆さ霧を予想する上で、気圧に関しては特に注目すべき特徴は無いと言えます。  この3つのデータは水蒸気が凝結して液体の水になることに深く関係している値です。例えば長野市において気温と露点温度に大きな差があっては逆さ霧は発生しにくいと言えるのかもしれません。しかし、太郎山と長野市では標高にして700m以上、直線距離にして25km以上も離れていてるのでほとんど利用価値はないと思います。これらが太郎山で観測されていれば、逆さ霧の予報に有益です。  風速の特徴を強いて挙げれば長野市よりも上田市の風速の方が小さいというのがあります。無風ならば太郎山に層雲が押し付けられることも無いし、上田市に強風がふいていては霧が静かに山肌を下るということも無いでしょう。しかし、通常でも上田市の風速が長野市を下回ることは多く、この項目も注目すべき特徴はありません。  実際に逆さ霧の発生を予想する手順について述べます。まず、気象庁のデータを入手し、天気図、気象衛星、アメダスの情報を吟味し、条件に適合しているときは、風向きと気温差の変化のグラフを書いてみると良いでしょう。逆さ霧が発生するときは、長野市と上田市の気温差が生じて間もなく起こりますので、その場合は早急に上田に向かいましょう。。。もし、上田市の近くにお住まいでしたらあわてて出かける前に、確実な情報のライブカメラ(UCV太郎山ライブカメラ フジヤマネット・太郎山を望む 千曲川河川事務所・千曲川画像・戸倉管内など)でチェックするとよいと思います。
 なお、予報がはずれても当方は一切責任を負いませんのでその点はよろしくおねがいします(^^)。

結論


参考資料


謝辞

情報を勝手に利用させていただきました。ご協力いただいた皆様ありがとうございました。