home > 山歩きの雑学 >

カマキリの黒い瞳はなぜいつもこっちを見てるの?偽瞳孔

  秋になるとなぜか道ばたでカマキリを見る機会が増えます。カマキリの複眼に注目すると小さな黒い「瞳」がいつもこちらに向いていることに気づくはずです。これは、カマキリがこちらを「見ている」ということなのでしょうか。

 しばらく様子をうかがっていると、狩りの体勢に入ったカマキリでも「瞳」は獲物の方を向きません。また、体勢を変えずに「瞳」だけを動かしているところは全く観察できませんでした。さらに、鏡を使って別方向からカマキリの複眼を同時に見ると、鏡像では実像と別なところに「瞳」があることがわかりました。
以上のことから、カマキリの「瞳」は注視している方向を向いているのではなく、常に観察者の方に向いていることがわかりました。この黒い「瞳」を偽瞳孔というそうです。

  偽瞳孔はカマキリだけでなく、トンボでも同じように観察できます。トンボの偽瞳孔はカマキリのより少し大きくつぶらな瞳に見えますね。この他、バッタや蝶などの複眼でも見られるそうです。

 なぜ偽瞳孔があるのでしょうか。これは複眼の構造に関係あります。複眼は、小さく細長い筒状の個眼が集まってできています。例えるとするなら細長いストローがたくさん束ねられている状態。この束を近くから見た場合、先が見通せるのは一部のストローからだけです。見通す方向と角度がついてしまった周囲のストローからは先が見通せません。これと同じことが複眼でも起きていると考えられます。すなわち、奥の方まで見通せた個眼からは光の反射がないので黒く見えるという理屈です。google等で「偽瞳孔」を検索すると70件弱くらい出てきます。