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水滴が落ちるとき

 つららから水滴が落ちる瞬間を撮影しました。 この写真の様に水滴が涙形になるところまではゆっくり進行するので肉眼で確認することが出来ます。
 次に、水滴の重みが増し落ちる力が表面張力を超えると、つららと水滴の間が細く伸びてブリッジ状になります。表面張力のため、水滴は球形になっていきます。
 水滴は球形になってつららから離れます。その瞬間、「ブリッジ」は、どちらにも吸収されず取り残されてしまいます。
 「ブリッジ」も表面張力により、小さな球形(赤ちゃん水滴と勝手に命名)になります。大きな水滴は、つららから離れた衝撃のため、真の球形ではなく少し横長にゆがんでいます。
 横長だった水滴は、真の球になろうとする力がはたらき、今度は縦長にゆがみます。これを繰り返し真の球形に収束していきます。

 水滴の落下速度は、重力加速度が加わって増していきます。落下する水滴には空気抵抗も作用しますが、比較的影響は少ないと考えられます。雨粒のように、落下距離が長いと空気抵抗によって落下速度は一定となります(大きめの雨粒で9m/s程度)。また、その時の雨粒は球形ではなく大福のように、下側がつぶれた形になります。雨粒が大きいほどそのつぶれ方は顕著になります。

 水滴が水面に落ちると、「ぽちゃん」と良い音がすることがあります。水滴が落ちたとき、ミルククラウンの写真で示されるように水面がへこみますが、そのへこみが戻るところに「赤ちゃん水滴」が着水すると、水中に小さな泡が生じ水滴独特の音が出るそうです。だから、左の写真のように、大きな水滴の後から、「赤ちゃん水滴」が落ちていく場合には、よい音が期待できます。「赤ちゃん水滴」が生じない時は「ぽちゃん」という音はしないそうです。
 ミルククラウンの写真は水滴の落下する瞬間よりも高度な技術が必要です。赤外線センサー及びストロボを使って高速シャッターを切るのが一般的です。また、ビデオカメラを使う方法もありますが、ミルククラウンの変化は約0.1〜0.2秒の現象ですので、一般に市販されている家庭用ビデオカメラではその変化を詳細に観察するのは難しいかもしれません。