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花が大きく美しく、葉が柳ににていることからこの和名がつけられました。多年草です。花は茎の上部の長い穂に多数つき、下から順番に開花していきます。開花初日は8本の雄しべのうち約半数ほどから花粉が出され、翌日には残りの葯から花粉が出されます。その間は雌しべは下〜後ろ向きに折れ曲がった状態で花弁の間に隠れ、柱頭も展開されずに受粉ができない状態です(写真の♂)。その2日間の雄性期の後、3日目には花柱は起きあがり、柱頭の先端が4裂し、展開巻いた状態で受粉可能となります(写真の♀)。雌性期には逆に雄しべが下向きに折れ曲がり、位置の上でも雄しべと雌しべが交代します。このようにして同花受粉をさけています。ただ、写真のように開花は下から上に向かって進むので、雌性期の花の上方には雄性期の花があります。それゆえ昆虫の媒介の仕方によっては同株異花からの花粉が運ばれてくる可能性があります。しかし実際に観察してみると、マルハナバチについて言えば同じ穂で開花している花を下から上に向けて(雌性期の花から雄性期の花へ)訪れて次の株に集蜜に行くことが多いことが見られます。そのため異株との交配のチャンスが増えることは確かです。ハチは花弁にではなく「しべ」にしがみついて蜜を吸います。開花している上部の花(雄性期)は蜜が少ないのか、あるいはまだ雄しべが下向きに曲がっていないので留まりにくいのかはわかりませんが滞在時間は短いようです。ヤナギランの種子には綿毛が付いていて風に運ばれ山火事跡や工事跡など開けた場所でいち早く群落になっていきます。しかし、衰退も早く数年後には全く見られなくなることもあります。 |