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写真1 |
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花粉を雨や風から守るのに、ヤマホタルブクロのような鐘形は最も適した形の一つといえます(写真1)。しかし、この形では花の構造に工夫を凝らさないと、花の奥にある蜜を求めてやって来たハチは滑り落ちてしまいます。その点、ヤマホタルブクロは花冠の内側に比較的長めの毛を密生させることで安定した足場を提供しています(写真2〜4)。蜜標としてオーソドックスな斑点模様の配置も写真からよくわかります。写真2は開花前の花冠内部の写真です。既に花粉を放出している葯が花柱に密着しており、ビロードのように細かい白い毛で覆われた花柱に淡黄色の花粉をなすり付けています。そして、写真3は開花直後の花冠内部の写真ですが、花粉を着けたまま花柱が伸張 |
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しています。この時、既に雄しべは枯れてしまっていますが花柱の花粉は生きているので雄性期となります。花粉を花柱になすり付けることにより、マルハナバチにちょうど良い位置に、そして花粉の付いている面積を大きく確保できることで送粉を効率的にしていると考えられます。写真4は柱頭が3裂して雌性期となります。この段階ではハチにより送粉された後なので花柱には花粉は残っていません。 この花の特徴は、その独特の形状も一つに挙げられますが、雄しべが開花前に成熟し、花粉を花柱に託して早くに枯れてしまうということでしょう。ハチが訪れることのない開花前に葯から花粉を全て放出するというのは、雨や風の心配がない花冠の形状だからこそできた選択です。
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写真2 |
写真3 |
写真4 |