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オオバコ(写真1)は、日当たりの良い場所に好んで生えますが、葉は全て根生なので、背の高い競合植物があるところでは生きられません。また、茎を伸ばさないことから踏まれることにもよく耐えます。さらに、オオバコの実は水を吸うとゼリー状になって粘りけが生じ、人や動物に付着して道沿いに分布を広げていきます。従って、踏み固められた道ばたに生育するのに最も適した特徴を持っているということができます。高原のお花畑でも、ふと足下に目をやれば「やっぱりここにもオオバコがいた」ということになります。 雌性先熟のオオバコでは穂状花序(すいじょうかじょ)の下から順次咲き上がっていきます。まず、細かい毛の生えた白い糸状の雌しべが4枚のがくの間から伸び、雌しべがしおれると同時に4本の雄しべが伸びてきます。すなわち、雌性期(写真1の♀)の下に雄性期(写真1の♂)の花の集まりが生じ、その下では雄しべもしおれ、結実が始まっているという具合です。雄性先熟のヤナギランと、雄性期、雌性期の上下の順序が逆になっています。この雌雄の位置関係に何か理由があるのでしょうか。オオバコは受粉に虫の助けのいらない風媒花です。細かい花粉は風で飛ばされ運ばれるのですが、風の無いときに人や動物が花序に触れただけでも花粉が下にこぼれ落ちてきます。そのような時、雌性期の下に雄性期の花があれば、自家受粉しなくてすむという訳です。 |