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ネギの葉について。葉は筒状になっており、他の植物の葉のように表裏の区別ができません。葉が分出する部分に注目してみます(写真1)。葉の出方からすると緑色に見える部分は葉の裏側のようにも思えますが、表側がどこから区別されるのかは全くわかりません。さらに、ネギの白い軸の部分を輪切りにしてみると写真2のようになっていました。右側の輪切りがネギの下で、左にいくにつれて上の位置の輪切りとなります。葉の起源となる薄緑色の輪が見えました。一般の単子葉植物では軸を抱くように弧状の葉が次々分出するのに対してネギではその弧が閉じて輪になっていました。葉の先端を輪切りにして顕微鏡で観察したのが写真3です(サフラニンO染色)。葉の外側に篩部、内側に導管の配置となっていました。この特徴は筒状の葉のどの部分でも同じでした(data not shown)。対照として双子葉植物のタケニグサ(ケシ科タケニグサ属)の顕微鏡写真を見てみます。茎の輪切りが写真4で葉の葉脈断面が写真5です。タケニグサを始め一般植物の茎では外側に篩部、中心側に導管が配置されています。一方、葉の維管束では表側に 導管が、裏側に篩部が配置されています。これにより維管束の観点から、ネギの葉は見える部分全て葉の裏側ということになり、筒状の葉の内側が表と言えます。この様に、一面だけしか表に向いていない葉を「単面葉」といいます。 |
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