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葉は多肉質で夏の暑さや乾燥に強い植物です。日光を浴びて開花する性質があって雨や暗い曇りでは開花しません。
写真のマツバボタンは八重咲きタイプで、一般には花弁は5枚です。黄色い雄しべが多数あります。花に昆虫が訪れ雄しべに触れると雄しべは自らウニョウニョと動き、虫に花粉をなすりつける動きをします。雌しべの先端は5〜9本に分かれています。
花が終わりしばらくすると写真のように果実ができます。成熟した果実はくす玉のような形をしており(写真左)、外れて落ちやすくなります。その「くす玉」が割れると中から砂粒くらいの小さな種子がたくさんこぼれ落ちます(写真右)。
種の顕微鏡写真
種子を顕微鏡で観察するとジグソーパズルの模様に包まれており金属光沢があります。いかにも乾燥に強そうです。
このジグソーパズル模様にはどんな意味があるのでしょうか。
マツバボタンの葉(裏側)の表皮
葉の表皮を顕微鏡で観察すると、一つ一つの細胞が複雑な形をして敷き詰められていることがわかります。まるでジグソーパズルのようです。
種子ができはじめた時に覆っていた表皮細胞も葉の表皮細胞と同様ジグソーパズル模様だったのでしょう。その後、種子が成熟して表面が固くなっても、このジグソーパズル模様が残ったのだと考えられます。
ちなみにこちらは葉の表側です。裏と同様ジグソーパズル模様の表皮細胞です。
色が濃く楕円形の部分が気孔です。マツバボタンでは葉の表側に裏側の2倍多く気孔がありました。