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写真1               

  • ゴゼンタチバナ(ミズキ科ゴゼンタチバナ属)

この植物は針葉樹林下や夏緑樹林下に生育する常緑の多年草であり、カタクリと同じように葉の数によって開花株と未開花株が決まります。4枚の葉が輪生している若い株は、花がつけられません(写真2)。一方、数年経って6枚の葉が輪生するようになると花がつけられるようになります(写真1,2)。葉の大きさは6枚全て均等な株でも、2枚が大きく4枚が小さい株でも同様に開花できます。また、葉の総面積が4枚株より明らかに小さい6枚株でも開花できることから、花をつけるためには葉の枚数(あるいは発芽後の年数)が重要であることがうかがえます。注意して探すと葉の数が4または6以外の株を見つけることができるかもしれません。写真3は9枚の葉を付けた変異体で大変珍しい株です。

白色の4個の花弁に見えるのは総苞片で、中央に十数個(写真1では27個)の小型の花が頭状に集まっています(写真1)。総苞片は白色以外に、紅紫色や淡緑色をした株もまれにあります。

9月から11月にかけて見られる果実は直径5-7mmの球状で赤く熟してたいへんよく目立つので(写真4)、果実の方もハイカーの間では有名です。名前の「ゴゼン」とは石川県白山の御前峰のことで、赤い果実をヤブコウジ科のカラタチバナにたとえています。

写真2

 写真3 

写真4