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ドクダミが雨に濡れています。6月から7月にかけて雨の多い時期を代表する花です。花期前の草を乾かしたものを十薬とよび、利尿・緩下・解毒に用いる生薬とします。生の葉は、化膿止めの傷薬として外用します。ドクダミはそれを傷つけるとデカノイルアセトアルデヒドの独特の臭いがします。実は、この臭い物質に抗菌作用があって細菌やカビから身を守っているのです。このような揮発物質をフィトンチッドとよび、微生物に対抗する植物の防衛手段となっています。
花をマクロ撮影で拡大してみました。ドクダミは興味深い花の構造をしています。花は、中央の1〜3cmからなる花穂に多数ついています。一つ一つの花は大変小さいものです。この科の花は、3本の雄しべと3裂した柱頭をもつ雌しべだけで、花びらもがくもありません。色は黄色で、白い花びらのような総苞片と良い対照となっています。総苞とは花序の基部にある複数の苞の集合で、葉が変化したものです。ドクダミの場合は花を飾る役割をしています。しかし、日本にあるドクダミは3倍体で受粉せずに結実するので、花を飾り立てて送粉昆虫にアピールする必要は無いのでした。